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【バスケ】小さいチームはセンターを育てなさい


はじめに(ポストに入れないと勝てない)

この本をお読みくださり、ありがとうございます。あなたはきっとバスケットボールの指導者で、チームを試合に勝たせたいとお考えですよね。

結論から言います。バスケはセンターを育てれば勝てます。

わたしは現在、高校バスケを指導して16年目になります。今まで多くの試合に勝ち、負けてきました。その中でひとつの結論が「ポストにボールを入れる回数=得点」という方程式です。

つまり、ポストに1回パスを入れたら1点。80点取りたければ80回ポストにボールを入れろ、ということです。

わたしがこの考え方を信じる理由は、恩師の影響があります。わたしの恩師・金子久男先生は「なあ三原、ポストにボールが入らないと絶対勝てないもんな」とよく言ってました。

金子先生はチームを全国区に育てると同時に、全日本U18の総監督も歴任された方です。そのどちらも共通の課題は「小さいチームをいかに勝たせるか」でした。

現役時代のわたしは
・センターにボールを入れろ
・パスを回せ

このことを徹底的に教わりました。これは金子先生が「小さいチームを勝たせる結論」だったのです。

現在わたしはチームを引き継ぎ、母校の指導をしています。そして、恵まれたことに選抜チームのスタッフも多く経験させてもらいました。

自分の原点である「ポストにボールを入れる」という考え方を大切に、毎年チーム作りをしています。

でも、ここまで読んだあなたは、きっとこんな疑問を持つことでしょう。

・小さいチームの勝ち方がセンター?
・背が高くないとできないのでは?
・逆じゃないの?

確かに、バスケは背の高い方が有利です。それは紛れもない事実です。「バスケは身長じゃない!」などとカッコつけるつもりはありません。

しかし、ゴール下を攻めることは勝つために避けて通れないのです。これを小手先の戦術でごまかすのではなく、しっかりと向き合って選手を育てていくのが、結局は勝利への最短距離です。

チームワークと技術があれば、身長差は15センチくらいなら克服できます。1対1を大切にしつつ、周りの4人がそれに協力するというスタイルです。

この本であなたが手に入れるのは、この3つです。

・なぜセンターが大事なのか、という理論
・1対1の攻め方
・チームとしての合わせ方

バスケットボールの本質を解説しているので、再現性は高いです。ミニでも中学生でも、できるオフェンスです。

しかし、時間はかかります。即効性のある戦術ではなく、選手の育成だからです。子どもたちを上達させて、バスケの楽しさをじわじわと教えていくために、センターを中心にチームを育てるのです。

本書があなたのお役に立つことを信じています。

2020年6月 三原学

オフェンス成功の3要素

世界中にはいろいろなオフェンスの戦術があります。しかし、どのようなオフェンスをやろうとも、絶対に外すことできない「成功の3要素」があるのです。それは、

1.常に攻撃的であれ
2.ギャップを広げる
3.スペーシングを保つ

1.常に攻撃的であれ

まずは「常に攻撃的であれ」ということです。ボールを持ったら自分で「攻めるぞ」という気持ちを忘れてはいけません。特にポストでボールを持ったら、この気持ちを持つことです。

ボールを持ったらできることは3つで「シュート、ドリブル、パス」ですが、この順番が大事です。まずはシュートを狙うのです。そうするとディフェンスがチェックに出てくるので、出てきたらドリブルで抜きます。

・下がったら、打て
・出てきたら、抜け

バスケットにはこのような金言があります。まずシュートで次がドリブル。この順番が大事です。

そして、ドリブルで抜いていけば、ディフェンスのカバーが寄るはずです。そうしたらパスを出すのです。「シュート→ドリブル→パス」の順で攻めていきましょう。

ボールを持ったらすぐにパスを探したり、ドリブルをついたりする悪い習慣はすぐに直すべきです。


2.ギャップを広げる

一般的に、プレイヤー同士のスペースは5mが最適とされています。5mだと遠すぎず、近すぎず、パスするにもしやすいからです。

でも、ドリブルで1対1をすることだけ考えると、ちょっとせまいんです。ディフェンスが近くにいて、カバーしやすいんですね。パスを回すのには良いスペースですが、ディフェンスもすぐ近くにいるので抜けません。

この通常のスペースを「1ギャップ」といいます。ちなみにギャップとは「すき間」という意味です。

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1ギャップではせまいのでドリブルで抜けない。だから倍に広がって2ギャップにしましょう。

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この図ではローポストの#5と#1、#3のスペースが2ギャップになっています。

つまり、ここのギャップは1対1で割れるということです。

オフボールの動きはギャップを広げるためという目的があることを頭に入れましょう。


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