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コーチングの基礎

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ルー・タイスのコーチング・プリンシプルに基づいたマインド(脳と心)の仕組みと上手な使い方について説明しています。各記事には1つのテーマの解説と、それに対応するワークが含まれていま…
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#情動記憶

【3】 何が見たいものを決めているのか?

私たちはあることに注目すると、つまりロック・オンすると、それ以外のことがスコトマとなって認識できなくなります。 そして、私たちが無意識にロック・オンしているのは、「自分にとって重要なこと」です。 つまり、私たちは自分にとって重要なこと以外はスコトマとなって認識できていません。 では、「自分にとって重要なこと」を決めているのは何でしょうか? それは、情動記憶(emotional history)です。 情動記憶とは、過去の体験についての感情を伴った記憶のことです。 その感情が

【11】 セルフ・トークが自己イメージをつくる

自己イメージは、私たちの認識や行動に強い影響を与えています。 私たちのマインドには、自己イメージを維持するように、認識や行動を調節する働きがあるためです。 では、自己イメージはどのようにつくられるのでしょうか? 自己イメージも他の信念と同様、思考が積み重なって形成されています。 私たちの思考は3つの軸で行われています。 3つの軸とは、言葉(word)、映像(picture)、感情(emotion)のことです。 私たちはまず言葉で思考します。 その言葉は、私たちのマイン

【12】 無意識の判断(アティテュード)

私たちは、日々、たくさんの判断(judgment)をしています。 食後の飲み物はコーヒーにするか、紅茶にするか。 電車で席を譲ろうとしたときに声をかけるか、かけないか。 誘われた飲み会に行くか、行かないか。 気になった服を買うか、買わないか 大きな仕事を頼まれたときに引き受けるか、引き受けないか。 判断の内容は些細なことから人生を大きく左右するものまで様々ですが、それらの判断の積み重ねが人生を決めていきます。 そして、その判断を左右しているのが、無意識の判断(アティテュ

【13】 アティテュードについて、もう少し詳しく

私たちは、日々、情動記憶にもとづいたアティテュード(無意識の判断)に影響を受けて、判断をしています。 過去の記憶にもとづいて、「それをしたいか、したくないか」「するか、しないか」といったアティテュードが形成されています。 私たちは過去の記憶にもとづいた判断を無意識に自動的に繰り返しているのです。 その判断の繰り返しによって出来上がった現状は、未来にどうなりたいかではなく、過去の記憶にもとづいたものです。 いわば、目の前の現実ではなく、記憶の世界を生きているようなもので

【16】 思考のプロセス〜その1〜

ルー・タイスの方法論では、マインドを「意識(conscious)」「無意識(subconscious)」「創造的無意識(creative subconscious)」の3つの部分に分けて考えます。 脳あるいは心が実際に3つの部分に分かれているわけではなく、3つの機能・役割に分けて考えるということです。 「意識」の4つの機能「意識」には4つの機能があります。それは「知覚」「照合」「評価」「判断」の4つの機能です。 私たちは、五感を通じて情報を得ています。これが「知覚」です

【17】 思考のプロセス〜その2〜

今回はマインドの「無意識」の機能について解説します。今回の記事は、これまでの記事のまとめにもなっています。過去のそれぞれの記事でバラバラに解説されてきた無意識の機能の全体像を把握できるようになると思います。 さて、前回の記事では、マインドがその機能によって「意識」「無意識」「創造的無意識」に分けて考えることができることと、「意識」の4つの機能について説明しました。 「意識」の4つの機能とは、「五感を通して情報を知覚すること。その情報は無意識に蓄えられている記憶と照合され、

【55】 「自分らしくない。次はこうしよう!」〜失敗を次に活かすためのセルフトーク〜

前回は上手くいった時に、その成功体験を自己イメージに取り込むためのセルフトークを紹介しました。 今回は、思い通りにいかなかったり、失敗したと思った時に自己イメージを下げず、むしろ失敗を次の挑戦に活かしていくためのセルフトークの方法を紹介します。 現状の外のゴールと失敗の関係これまでにうまくいったやり方を繰り返していれば、失敗をすることはあまりありません。 その代わり、現状が変わることもありません。 反対に、抽象度の高い、現状の外のゴールを設定し、そのゴールを実現するた