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無意識を意識してより良い自分に変えていく

朝起きてから寝るまでの間で、ほとんど自動的にやっていることがたくさんあるでしょう。着替え、洗面、歯磨き、通勤、食事などは、別の事を考えながらでもいつも通りに難なくやれると思います。

そして行動だけではなく、好き嫌い、やるやらないなどについてもほとんど一瞬で自動的に判断していることがたくさんあると思います。

たとえば私はランチを食べようと入ったレストランでメニューを見る時、嫌いなものはさっと避けて、一瞬で好きなものをいくつかピックアップして、その中から選んでいるようです。

ランチの例がいいのかどうかは別にして、みなさんも同じようなことがあるはずです。

ビジネスの上でも同じように、良いか悪いかは置いておいて、無意識のレベルでまずザクっと選んだ後に残された選択肢だけをじっくり検討して、最後に一つを選択してしまっています。

そうやって、日々生きている中で無意識に行われている判断や行動。なぜそうしているのかも今となっては疑問に思わず、ずっと無意識に続けていることがたくさんあります。

でも私たちが普通と思っている「現状」の外側にいる人から見ると、とても滑稽で、なぜそんなことをしているのか疑問に思われることがきっとたくさんあるのです。

たとえば今は多くの外国人が旅行や定住のために日本にやって来ますが、彼らが日本人と接する中で「おやっ?」と感じた体験談がたまにメディアで取り上げられます。そういう時に文化や習慣の違いから日本人の特異性が浮き彫りにされたりします。

ここで日本人の特異性について話したいのではありません。自分がいま何の違和感も感じず行っていることが、実はそれほど確固としたものではないと言いたいのです。

「現状」の外側に出た瞬間に、常識や普通の行動パターンといったものは違ったものになり得ます。今とは全く違った考え方、ものの見方、判断、行動になってもおかしくないということです。それはそうでしょう。「現状の外側」に出るということは、自分にとって大切なものの優先順位が変わってしまうのですから。

それゆえ、確かに「現状の外側」に出た時には、自分の内側はガラッと変わってしまいます。でも、そうかといって全てが変わってしまうわけではありません。無意識の判断や無意識の行動の一部はすぐには変化せず、徐々に現状の外側に合わせて自分で修正しながら馴染んで行くのだと思います。現状の外側の理想の自己イメージとコンフォートゾーンに合うように、一つひとつ調整していくのです。

たとえば、どこにでもいそうな平凡なアスリートがトップアスリートになる為に、理想の体型やフォーム、マインドのあり方、さらには普段の立ち居振る舞いまで研究して、それに向けて日々トレーニングするのに似ているかも知れません。やってみては、体やマインドの状態をモニターし、理想とのギャップを調整するように再度やってみる、その繰り返しです。

要するに、現状の外に飛び出した後も、そこが自分のコンフォートゾーンとして馴染むまでは、体もマインドも理想とのギャップを認識しながら調整していく必要があるのです。

変革のためにはかなりのエネルギーが要りそうです。でも、心配はいりません。そのエネルギーは「現状の外側」に出るきっかけになった、どうしても到達したいゴールがあれば、自然と湧いて来るのです。


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