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コーチの仕事。まずは魔法を解くことから

いま私はコーチンングのコーチをしているのでそう思うかも知れないのですが、日本には自己評価の低い人が多いように思います。

かなりの実績をお持ちで、その実績を通じて能力が高いことを既に証明されている人の中でも、未来の事となると不安になり、自分に出来るだろうかと疑うようです。見通せない世界は、誰しも不安に感じると言うのが人の性質なのでしょう。

コーチは、クライアントの「マインドの使い方」を見ています。クライアントのゴールに対して、それを達成するのに必要な知識やスキルを教えてあげたり、きっと助けになると思う人を紹介してあげるわけではありません。

それはそうでしょう。

クライアント一人ひとりが活躍されていたり、これから活躍されようとしている分野について、コーチがその全てにおいて専門的な何かを持っているわけではありません。だから、コーチがクライアントの専門領域についてアドバイスするなら、それはとても失礼なことをしていることになります。素人が玄人にアドバイスしていることになるのですから。

そうではなくて、コーチはクライアントの「マインドの使い方」を見て、上手くマインドが使えるように言語・非言語で伝えていくのです。

  • 根拠なく自己評価を下げていないだろうか?

  • 何かに囚われて、マインドが窮屈になっていないだろうか?

  • 今いるコンフォートゾーンに固執していないだろうか?

  • 抽象度の高いゴールを設定するのが難しいと感じていないだろうか?

  • ゴールを達成した時の自分をビジュアライズ出来ているだろうか?

これだけではありませんが、このようにいつもクライアントのマインドの動きを観察しています。

そして、クライアントにとってとても大切なのは、「やりたい!」と思う気持ちに素直になることです。

ゴールというのは、他人から止められてもやりたくて仕方のないことなので、そもそも「やりたいことって、何だっけ?」では何も始まらないのです。

でも案外これがとても難しいと思う人がたくさんいるのです。今の世の中は、子どもの頃から「やりたい!」と自由に言える空気がないのかも知れません。

これまでに何度か耳にしたことがあるのですが、「やりたいことを仕事にしてはいけない」という風潮が職場にあるらしいのです。お金をもらうための仕事なので、本人がやりたいとか、やりたくないとかは関係ないということでしょうか。それとも、自分も我慢しているのだから、他の人に好きな仕事だけされたら困る!ということなのでしょうか?

一方で、会社は従業員に効率的に働けといいます。すると、従業員にしてみたら、やりたくない仕事にやる気を出して一生懸命働けと言われているようなものです。無意識にブレーキを踏みながら、意識的に無理をしてアクセル全開にしている状態です。それでは、心と身体が壊れてしまっても不思議ではありません。

結局、お金に縛られ、職場のルールや雰囲気に縛られ、すごく窮屈に雁字がらめになりながら生きているのです。

でも、コーチはクライアントに「本当にその縛りは解けないの?」と聞くのです。

本人が勝手に解けないと思っているだけかも知れないのです。実は、その認識が間違っているかも知れないと。

コンフォートゾーンから抜け出すのは怖いです。そして、同じコンフォートゾーンを共有している他の人からすると、あなたがそこから抜け出そうとするのはとても不快です。だから、出ていこうとするあなたを全力で引き止めるでしょう。

それでも、今のコンフォートゾーンを飛び出したところで、実はどうと言うことはないのです。息も吸えるし、重力もあるのです。

結局、コーチがやっているのは、クライアントにかかっている魔法を解いたり、エフィカシーを高めて自己評価を高めてあげたりして、その結果、クライアント自身が現状の外側のゴールを見つけられるようになって、今のコンフォートゾーンを抜け出し、新しい場所で存分に能力を発揮して幸せに生きていけるようにサポートすることなのです。

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