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人はそう簡単に変わらない!じゃあ、コーチはどうする!?

コーチングをやっていて思うのは、他人から何か言われたくらいでは、人は変わらないということだ。結局、クライアントが自分で変わっていくしかない。

ただ、クライアントはどうやって変わればいいのかが分からないので、その「どうやって」のところを解決するためにコーチがマインドの使い方を教える。

そして、クライアントはコーチのサポートを受けながら、「こうなりたい!」「こうしたい!」「あれをやりたい!」と心からなりたい/やりたいと思う方向に変わっていく。自分の気持ちが前向きに動く方へ変わっていく。

ところが色々なことが絡み合っている現代社会では、そんなに素直に自分の気持ち通りに進んでいけないことがほとんどだ。

だからまず、コーチングを行ううえでも、ガチガチになって、絡まってしまっているクライアントのマインドをほぐすことも大事なことだ。

そうかといって、クライアントが過去の経験から抱え込んだネガティブな感情に寄り添うという訳でもない。

コーチは未来にしか興味がないのだ。クライアントの過去も見ているかも知れないが、その過去を直接どうこうしようとはしない。

さて、クライアントは、自分の「心からやりたい」という基準でもって、人生のさまざまな領域にゴールを設定していく。職業、ファイナンス、社会貢献、生涯学習、家族、健康、趣味などだ。

コーチングのセッションでは、やはり職業がクライアントの最大の関心事であるからか、職業の話題になることが多い。多分、この世界ではお金がないと生きていけないので、職業をお金を稼ぐ手段として捉えているからだろう。

生活するため、子どもの学費が必要、老後の資金も必要だからと、とにかくお金を稼がなくてはならない。ほとんど強迫観念のようになっている。

でも、お金が必要な資本主義社会で生きていたとしても、生活を豊かにしていくのが幸せであるとすれば、お金が先ではなく、やりたいことが先のはずだ。そうでなければ、お金のために生きているだけになってしまう。

コーチング理論で考えれば、人は現状の外にゴールがあれば、クリエイティブにそこに到達する方法を思いつく。つまり、心からやりたいゴールがあれば、そのゴールを達成するために必要なお金は、クリエイティブに考えて稼げるはずだ。

こうしてとにかく心からやりたいと思うことをゴールにして、職業だけではなく、人生のさまざまな領域に設定した複数のゴールを達成していく。

健康やファイナンスは、ゴールは大きい小さいというより、心身の健康的なバランス、ファイナンスは収入/支出のバランスと資産は時間と共に少しずつ増えていくという感覚で設定する。

それ以外は、大きく遠くまで、という感覚で設定すればいいだろう。

なかなか現状の外のゴールが見つからないという人は、自分のことばかり考えていないか確認してみよう。自分のことだけだと、ゴールの探し方が窮屈になって、抽象度も上がって来ない。そういう時は、自分一人ではなく、他の人と一緒にゴールを達成して、しかも少しでもたくさんの人がその達成を喜んでいる世界を考えてみるのが「現状の外」という条件を満たすコツだ。

そして、ゴールを複数設定できたら、それぞれのゴールに対してアファメーションを使って、臨場感を高めていく。ゴール達成は未来のことだが、「いま」すでに達成しているかのように脳を騙すために、未来の自分のセルフトークを取り入れるのだ。それがアファメーションである。

ここでアファメーションを作成する際の11のルールを紹介しておこう。

  1. 個人的

  2. 肯定的

  3. 現在形

  4. 達成を示す

  5. 比較をしない

  6. 動作を表す言葉

  7. 感情を表す言葉

  8. 正確さ

  9. バランスを取る

  10. リアルなものにする

  11. 秘密にする

11番目の「秘密にする」というのは、世の中はドリームキラーと呼ばれる、人の足を引っ張る人がいるので、コーチ以外には自分のゴールやそれに付随するアファメーションの内容は秘密にしておいた方がよいということ。

アファメーションはとても効果的な方法だが、他にもいい方法があるかも知れない。要は、ゴール達成した未来が今すでに起きていると感じられればいいのだ。

こうやって、人生のざまざまな領域にゴールを複数設定して、ゴール達成した世界の臨場感を高めていけば、自分の内面に変化が起こってくる。

最初は「現状の外のゴール設定」と言われても、何が現状の外なのかもよく分からず、自分が何をやりたいのかもはっきりしないこともあるだろう。そもそも認知科学的に考えれば、現状の外側はスコトマに隠れて見えないのだから当然である。

それでもあきらめずに、「この辺りが現状の外かな?」という所にゴールを設定してみる。

そこでもしゴールに到達する方法がすぐに分かるのであれば、たぶんそれは現状の内側のゴールだ。その場合はもう一度もっと先に現状の外を探りながら、ゴールを再設定しよう。

そういう作業を繰り返していると徐々にあなたの内側に変化が現れ、スコトマがずれ始める。そして見えるもの、感じ取れるものが変わってくる。

すると、ようやく新しいゴールがぼんやりと見えてくる。

随分と気の長い話だと思った人がいるだろう。

でも長い時間を要する人もいるが、一方であっという間に内面の変化が起こる人もいる。変化するタイミングは人によって様々だ。

ただ、一人でやって時間がかかるものを、他人の力を借りて短縮することはできる。

元々、スコトマを外すのは難しい。一度思い込んだら、なかなか別の視点で見るのは難しいのと同じだ。自分ではゴール設定の作業を通じて、かなり変化している気がしても、見えないものは見えないままという状態が続くことはある。

こういう時、第三者であればもともと別の目を持っているので、相手が見えていないことに気づきやすい。さらにその第三者がマインドの使い方の技術を持ったコーチであれば、相手のスコトマがどこにあるのかがよく分かり、かつ、スコトマの外し方にも長けているのでサポート役としては最適だ。

コーチの役割を少し理解して頂けただろうか?




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