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学習塾とコーチング

学習塾の広告でよくみるコーチングという言葉に、どうも一人歩きしているような印象を持っていて誤ったコーチングが認知されているのではないかと危惧しています。

学習塾で用いるコーチングという用語は、やる気にさせるとか、褒めて伸ばす、みたいな類いの言葉になっていて、つまるところ学力の向上や成績アップを補助するための声掛けの域を超えてません。

個人的にはコーチングってそうじゃない感が強くって、ちょっと残念な気持ちになっています。


そもそも成績アップのためにコーチングを用いるとすると、少なくとも「生徒が成績アップを強く目標に掲げていて、これをいかに達成するか」という想いに対しての関わりになります。

成績アップはしかし目的ではなく、目的をもたずに成績だけ上げるというのはいかにも学習塾っぽくてコーチングっぽくないのです。


中高生のみんなには本当に強く言っておきたい。

成績をあげることは目的じゃあないです。
成績アップを目的に掲げてしまったら、勉強なんてツマンナイの当たり前。



RPGで言うなら、「レベルアップ」が目的になってる。
レベル上げの作業が楽しいのは、もっと大きな目的があるからでしょう。

レベルを上げて、中ボスを倒すため。
中ボスを倒して、すごいアイテムを手に入れて、最終的に魔王を倒すのがゲームの目的です。

そのために、少しずつレベルあげていって、強い武具を手に入れて、というコツコツ作業をすすめていくんでしょ。


もっと言えば、RPGはゲームだから魔王を倒すのが目的かもしれませんが、もしもみんなが本当の勇者だったなら、きっと魔王を倒すこと自体、目的ではなく「目標」のひとつです。

魔王を倒したあとの平和な世界。
これを世界中のひとがきっと夢見ている。
みんなの笑顔、笑い声。
だから勇者は、王様に「死んでしまうとはなにごとだ」とか叱られながらも、何度も立ち上がって、魔王を倒しに向かうわけです。

これが本当の目的です。
困難の先にある目指すべき場所。

「コンパス」が指し示す先を強く意識し、イメージを持っていなくてはなりません。そのうえで目標が書かれた「地図」を持つことが大切なのです。

地図は必要ですが、コンパスあってこそです。




そして、コーチングは「コンパス」をしっかりと持つことから始めるものです。本当のコーチングにおいて、目先の定期テストの10点アップを目的に置くことはないでしょう。

10点アップは目標のひとつですし、10点にどんな意味があるのかを本人が納得して始めて成立する目標です。

10点アップを目標に置くために、僕らはコーチングで「その意味」をいっしょに考える。

コーチングは学習塾に、すんなりフィットするようなものではなくって、本当にたくさんの試行錯誤が必要です。

塾講師の先生方が本当のコーチングをしっかりと学んで、しっかりと取り組んで欲しいなぁと日々願っております。

サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。