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船頭多くして船山に上る。

立場上リーダーを引き受けることがよくあるのですが、現場で「船頭」が増えると、とたんにリーダーやるのがめんどくさくなってきて、「じゃぁお任せするわー」と全権委任して、自分は自分にしかできないことに注力したくなるひとです。

あと過剰に人員が割かれていて、明らかに人手が余っている状況でも同じように、その現場からは離れて「あとよろしく」したくなります。


要するにこれは自分のエネルギーが「役に立ってる」と自分で思えなくなるのが嫌なのだろうと自己分析しているところですが、これがいいことなのかわるいことなのか、イマイチ判断つかなくって、時々これで本当にいいんだろうかと思うことがあります。




リーダーとして全体をマネジメントするために、僕はその任を仰せつかったタイミングで、ある程度段取りを頭の中で決めるのですが、一方でその段取り(いわばビジョンとかゴールとかを含めたロードマップ)をリーダーが全体に周知するよりも早く、先取りできるひとたちが何パーセントかいます。

そのうちのまた何パーセントかは、そのうえで「リーダーの頭の中の段取りを察して、自分の行動を決める」のですが、そうでない何パーセントかは、リーダーの段取りとは無関係に自分の最善手を行動に移します。

それがそのひとだけが影響する行動であればよいのですが、かしこいひとは全体に対してそれを指示、あるいは提案してしまうのです。

そうすると、その時点で船頭は2人になります。

全体に投げた提案によって、また別のひとがそれに対して異論や新しい案を出すと、また船頭は増えます。


リーダーの段取りを無視して各々が動き始めてしまうと、すぐにチームはバラバラになります。

リーダーはいつもチームを完全に掌握し、統制しなくてはならない、ということはありません(もしもこれを求めるとすると、完全な中央集権チームを作るのが適当です)から、各々は自律してチームとして機能できるような役割を演じることが必要なので、こういった自立的な行動は一見正しいように感じるかもしれません。


しかし、リーダーの役割をあてがわれていないひとは、まずはリーダーがもっているチームの方針とか、ビジョンをしっかり聞いて理解することに徹するべきです。

もしもリーダーがビジョンをチームに提示しないのであれば、リーダーに問うべきです。

もしもそのような方法がまどろっこしいと感じたり、面倒くさいと感じ、リーダーに先んじて自分のビジョンや意見をチームに提示してしまうのなら、いっそ自分がリーダーに名乗り出るべきなのです。

リーダー役を他のひとに投げておいて、意見だけ自分のルートに乗せるのはルール違反というか、リーダーに対して失礼ですし、リーダーの段取りを無茶苦茶にしてしまうという意味でやってはいけない行動のひとつです。


頭が良くて我が道を進みたい猫タイプのひとは、これをやるぐらいならひとりで行動するか、自分のチームを創ることをオススメします。

端的に言えば、組織に向いてねえ。


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