最優先事項を最優先させる。
中学生と話をしていると、彼らの時間の流れは僕らのそれよりもずっと速いのだなぁとしばしば気が付くことがある。
だから自分の時間、とりわけ「人生において大した意味の無い、だからこそ彼らにとっては意味がある時間」をなんとか捻出したいと思っているのかもしれないのだけれど、それは一方でただ努力することから逃れたいだけなのだろうとも感じる。
これはもう何度も伝えていることだけれど、「そのすべてを贅沢に達成することはできる」ということを彼らは知らない。
少なくとも体感できてない。
あたかもトレードオフにあるように、勉強に時間を費やせば、友だちとおしゃべりする時間がなくなるかのように振る舞う。
一生懸命に将来のために自分を磨く時間をつくればつくるほど、今という大切な時間を失うと確信している。
しかしそれは嘘だ。
自分を騙すための巧妙な嘘だ。
一生懸命勉強したからといって、全力で友だちと遊んだり、おしゃべりしたり、動画に釘付けになったり、ゲームで夜更かししたりする時間がなくなってしまうわけではないのに、なぜか全力で努力を遠ざける。
全部やったらいいじゃないか。
勉強も、運動も、遊びも、食べるのも、寝るのも、家族との時間も、友だちとの他愛のないおしゃべりも、全部やったらいいじゃないか。
みんな同じぐらい全力でやったらいい。
なのに、テレビを観ながら宿題をやったり、塾に来ているのに友だちとおしゃべりに興じたりするのは、どちらも全力でやれていないのだから結局中途半端になる。
優先順位をつけていないのだから、どれもこれも大した成果が得られない。
大事なのは優先順位。
いちばん大切なことをいちばん大切にすること。
いちばん優先させたいことを、いちばん優先させること。
そうしたらきっと、みんな本当にやりたいことは全部できる。
意外と全部できるんだよ。
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