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未経験の僕が仕事を辞めて学習塾を開校する話その35―想定しない退塾

退塾したいと急に言われることはあります。
塾長としては,何に問題があったのだろうか?何か失敗しただろうか?とつい考えてしまう場面でもあります。

年度末が近づくと,最高学年の者は基本的に退塾していくのであらかじめ心構えができているのですが,中途退塾となると心の準備ができていないうえに,学習計画もおおまかにできあがっているので志半ばで対象を失ってしまうのにはちょっとした喪失感を覚えます。


しかしこんなとき,動揺してはいけません。

僕のスタンスは「去る人追わず」です。
もしも退塾に心当たりがあるとすれば,すでに問題点は把握できているでしょうから,自ずと修正点もわかるでしょう。

逆に言えば,まったくの心当たりがないとするとそれはそれで問題です。



退塾の理由は様々ですが,いくつか代表的なものをあげてみます。

1.成績があがらない

わかりやすそうで,そうでもありません。
なぜなら,成績があがらないだけでは退塾には簡単にはつながらないからです。成績があがらないという理由は隠れ蓑になっている可能性アリです。

つまり人心の掌握できていないことが主たる原因です。

生徒との関わり
保護者との関わり

これに尽きると思います。
成績があがらなくても,あがらない理由を共有できていて,その途上であることや次の計画について相談ができていれば,ご納得いただけるケースの方が圧倒的に多いと思います。


2.塾への不信感

概ねこれですね。
塾への不信感と言いますが,実のところ対象は「塾長」です。

たとえば担当の講師との馬が合わないとか,教え方に不満があるとか,そういう個別の案件だったとしても,結局はしっかりと対応できなかった塾長,マネジメントができていない塾長に矛先は向かいます。

人の不信感というのは,モノや概念には向きません。塾という箱に対して不信感を抱くとすれば,それは塾長へ向けられたモノと理解すべきです。

対応策はたったひとつ。
誠意ですね。

誠意をもってしっかりと対話を重ねましょう。とりわけ「聴く」に徹することです。話をしっかり聴いていて信頼が得られないとなるとよっぽどそれまで感度が低くて,関係性をおろそかにしていたのだろうと思った方がよいでしょう。

いずれにしても誠意をもっても届かないようなら早い段階で退塾いただいたほうが両者にとって有益です。


3.家庭の事情

もうなんでもありの選択肢です。
書いてもらうと,言いづらいことはたいてい「家庭の事情」とか「一身上の都合」とか,よくわからない理由になっちゃいますね。

この場合,あんまり突っ込んで話がうかがえないので,うやむやです。



退塾を引き留めることはやめたほうがいいと思っています。
現状のサービスに誇りをもっていれば,そのサービスが不足していると思えば辞めていくこともあるのはあたりまえのことだからです。

それをあの手この手で引き留めるのはやはり最終的に双方に利はないと考えます。

Win-Winを考え,双方に有益な状態を保つことがどのような関係性であれ必要です。いずれかがLoseになってしまうような関係性はいつか破綻するのは道理です。

いろいろと相談してもなおWin-Winが成立しないようであれば,取引を行わないNoDealという選択肢は持っておかなくてはなりません。


サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。