一緒に育とう|身近なところで、楽しむ|白梅幼稚園(小平市)の日常 #1
白梅幼稚園(東京都小平市小川町1-830)の園庭には、大きなメタセコイアの木があります。その木に耳をあてている子ども、美しい緑の葉を集めている子ども、根元にしゃがんでシャベルで何やら掘っている子どもの様子が見られます。
子どもたちは、自然の中にいて、土に触れ、昆虫や動植物をみつめ、生き物を知っていくようです。
「ダンゴムシがいるよ」
「大きいのがいたよ」「歩いてるよ」とダンゴムシに出会い、探している子どもたちがいました。「お腹に何かくっついている……卵?赤ちゃんだ!」と、子どもを抱えたダンゴムシをみつけてみせてくれました。「なんだろう?」「はじめてみたね」。驚きや感動もあることでしょう。互いに様々な発見を口にして、一緒に感じている様子です。
このように、遊びの中には、子ども自身が見つけたり、やってみたりしながら気がつき、先生や友だちと一緒にその世界を広げていくことが多々あります。子どもたちの好奇心やたくましさを感じます。子どもたちの発見に私たち教職員もひきこまれて、一緒に考えたり、試したり、喜んだりして毎日を重ねています。
コロナ禍の中で行事の中止や変更があり、子どもたちの生活を見直して、やれることへの工夫を教職員間で日々検討しています。
緊急事態宣言中は、学外にでることは止めました。しかし、身近なところに楽しめることがあることに、改めて気づかされています。
白梅学園内のお散歩コース
もそのひとつです。高校グランド奥の草原-築山をかけおりてヨーイドン!と走ることを繰り返し、草花を手にして帰ってきました。「幼稚園があんなに遠くなっているよ」と歩きながらつぶやく声がしました。
大学の先生がつくっている畑へ――。
背丈まで伸びた大根の葉のトンネルが、子どもたちを迎えてくれました。ネギ坊主、よもぎにラベンダーなど、他のものを踏まないように気を付けながら、クラスの先生と見ていました。もち返った大根のさやを茹でて食べてみた学年、土ごと持って帰ってきて変化をみている学年、手にしたタネを埋めてみた学年……やってみたいことが、いろいろと出てきます。
幼稚園内の畑の土が固くなっていて、高校の体育科の先生が耕運機で耕してくださいました。
その様子をじっとみつめていた年長組の子どもたちは――。
「(耕すと)土の色が変わっていくね。不思議だな」「(耕運機が)くるくる回るのトラックのタイヤみたい」。耕された畑に入った子どもたちは、ふかふか足ぶみをして柔らかな土をふんでみたり、土の塊を手で握ってつぶしてみたり、幼虫をたくさんみつけたりしていきました。「子どもの感性を大事にしてください」とにこにこと見守って、先生方は再度耕運してくださいました。
中庭から中学校の梅ノ木コースは、実のなっている木がいくつもあることに子どもたちも気がつきました。四季折々、お散歩が楽しみです。
こうして、周囲の方々の支えもいただいて、子どもたちの楽しい生活が続いています。日常を一緒に過ごすことが、子どもたちの力になっています。
玉川上水を渡る風と小鳥の声が幼稚園にも届きます。皆ででかける日まで、思いをもって蓄えていけることでしょう。
白梅学園大学・短期大学小平市西地区の地域ネットワークづくり「小平西のきずな」より
白梅幼稚園からのお知らせ
【書き手】霜出博子・幼稚園副園長。一人ひとりのらしさを尊重し、共に育ちあっていけるように願い、幼稚園で毎日をすごしています。