私はただ、母とたわいもない話がしたかった。
26歳の私は、3人姉弟の、末っ子長男として育った。25年ほど前、私が保育園に通っていたころ、母は離婚をした。
シングルマザーになった母は、看護師の正社員とアルバイトを掛け持ちして働き、生活費を稼いだ。そのおかげで、東京・足立区の一軒家で暮らし、姉も私も大学を卒業することができた。私は中学校からバドミントンを続けることもできたし、「恵まれた環境」で育ったように、見えるかもしれない。
でも、大人になった今、振り返ってみると、「何不自由のない生活」を維持するために、外からは見え