見出し画像

【採択企業紹介】デジタル技術と出光興産の配送ネットワークを活用した道路損傷把握の効率化 出光興産株式会社

福井県内の事業者・自治体・団体等にデジタル技術を実装し、地域課題の解決に取り組む「CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト」の最終採択企業6社が決定しました。

本記事では、多数の応募の中から厳正な審査を通過し、福井県内で課題解決に向けた様々な実証実験を実施していく採択企業を紹介します。

燃料輸送車とスマホアプリを活用し、道路損傷状況を効率的に把握

安心安全な日常生活を支えてくれているインフラは誰にとっても必要不可欠なもの。中でも近所での道路工事や、テレビで放送される高速道路の工事アナウンスなど、道路管理に関する情報は比較的多くの人が身近に感じるもののひとつです。

安全な道路というインフラを守るためにも、国や自治体は、地域の専門業者と連携を取り、定期的な巡回点検や特定の調査など、道路の損傷や変状を把握し補修を行う道路管理を行っています。しかし、限られた人員と予算の中で、広い地域を目視で確認するパトロール業務や、補修工事に向けたメンテナンス計画の策定など、道路管理においてはその業務負担が大きな課題となっています。

そんな道路管理における負担を削減し、もっと効率的な運用・体制の構築を目指した取り組みを進めるのが出光興産株式会社と株式会社アーバンエックステクノロジーズです。出光興産の燃料油事業は多くの製品を扱っており、日本全国に届けるための配送ネットワークを有しています。この高いカバー率を誇る配送ネットワークを活用し、道路の損傷状況の把握を効率的に行うことを目指しています。

具体的には、株式会社アーバンエックステクノロジーズが提供するAIによる日常道路損傷点検サービス「Road Manager」を採用し、出光興産が保有・契約する配送車両にスマートフォンを設置、専用のアプリから撮影を行い、そのデータを分析します。燃料も重要なインフラのひとつであり、毎日あらゆる場所へ配送する必要があり、その移動を上手く活用した取り組みとなっています。

安心安全を守る道路管理の負担が課題に

福井県では県内の各土木事務所が県の管轄道路の状態チェックのためのパトロールを定期的に実施しています。
一方で、舗装に関しては、定量的に舗装の状態を把握するため、交通量の多い道路について5年に1回の頻度で路面性状調査も実施しています。

こうした、日々のパトロール業務や破損状況の把握、交通量の多い道路の路面性状調査、メンテナンスも併せると、道路管理部門の負担は非常に大きいといえます。
さらに、生産年齢人口の減少による人手不足等の中で、将来的に十分な現場パトロールができなくなる恐れや技術継承の課題が想定されます。

ちなみに、福井県の世帯あたりの自動車保有台数は約1.7台で、全国一位となっています(※)。人口当たりの順位でも上位に位置しており、県の調査によると、都市部における県民の移動手段の4分の3は自動車となっています。

道路は、車社会の福井に住む人々の生活を支えるインフラだからこそ、維持することが非常に重要ですが、そのためには大きな労力・人手が必要となります。最新の技術やデジタルを活用し、効率化を実現することは、福井県だけではなく全国的にも大きなメリットを生み出します。

2023年3月末時点

効率的な補修計画をもとにした理想的な道路管理の実現を目指した実証実験

そこで今回、出光興産のソリューションを活用し、道路管理における業務負担の削減に向けた実証実験をスタートします。出光興産は福井県内に10台以上の輸送車両(大型タンクローリー)を有しており、配送先のサービスステーション等は80箇所以上にもなります。これらの配送ネットワークを活用して現場パトロールをサポートし、道路損傷状況の把握をどれだけ効率化できるか検証を進めます。

実証の当初は坂井市や福井市、鯖江市などのエリアを中心に、まずは大型のタンクローリー車両を使った県道や幹線道路など大きな道路の路面状況把握からスタートし、得られた結果をもとに、車両の追加や検証するエリアの拡張などを検討します。さらに、「Road Manager」で得られた損傷状況をデータベース化し、同一地域の補修箇所を抽出しまとめて補修作業を行うなど、効率的なメンテナンス計画の策定に寄与することも目指します。

実証を通して、従来の「パトロール時の補修」や「住民通報による補修」など、その場その場の対応から、効率的な計画をもとにした予防型の対応へと転換を図ります。さらに、AIが損傷評価を補助することで道路管理の品質維持にも貢献します。福井から全国に展開できる持続可能な運用モデルの創出に向けた挑戦が始まります。

出光興産株式会社

株式会社アーバンエックステクノロジーズ


「CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト」

Webサイト

公式note





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?