組織開発をデータドリブンにしたい人の徒然日記②
kazooです。Organization Catalyst(OC) / Organization Development Producer(ODP) / Coachとして社会にイノベーションを起こす挑戦をしています。
急に気温が下がり、秋めいてきましたね。紅葉の色づきが待ち遠しくなってきました。箱根とかに日帰りで観にいきたくなっちゃいますね、ついでに彫刻の森美術館でピカソ作品を愛でてくるのも良さそうです。
彫刻の森美術館(箱根)
さて、本日は前回に続いて組織開発(以降ODと記載します)のお話をします。特にODを企画・実行する布陣について扱っていきたいと思います。
急いてはことを仕損じる
組織開発に関しては、なぜかアジャイルに始めようとする方が多い気がしています。話を聞いてみると、アジャイルが重宝されて久しい世の中なのと、良いことはスピード感を持ってどんどん進めよう、良いことなのでマイナスになることはないだろうなどの考えがベースにありそうです。
ODを進める上でスピード感は非常に大事ですし、あまりダラダラと長いことやっていても従業員の方が変化を感じづらくなり「色々やっているけど、何も変わらないのでは?」という空気感が生まれてしまいます。例えば、一昔前に「Yahooさんを見習ってとりあえず1on1導入しました!」という企業・組織をチラホラ見かけましたが、意外と上手くいったというところは少なかったと思います。
これは、(今更語ることではないかもしれませんが)他社で上手くいった一つの施策のみを切り出して部分導入したことが原因であり、
・他の施策との整合性が十分に練られていない
・現場の現状を捉えられておらず、解決すべき組織課題と施策がそもそもアンマッチ
などの理由が考えられます。
また、もう1つ見逃してはいけないのは、施策を実行する順番、つまり組織のエクスペリエンスを考える点です。このあたりは人材開発だとイメージしやすく、基礎を学んでから応用を学ぶ、というのが一般的だと思います。しかし、これが組織のこととなると、なぜか蔑ろにされ、とりあえず経験させとけばいいでしょ、となることが多い様に思います。組織は人の集合体なので、変容するためには適切なステップを踏むことが重要です。
まず全体のデザインを精緻に、その後はアジャイルの精神で
と、上記はあくまで1つの切り口ですが、このようにODをスタートする前に、仮説をもとに全体像を精緻にデザインすることが、効果のあるODには欠かせないと考えています。もちろん、ODを進める中で当初の想定とは異なることが起こるのは常なので、より適したものに変えていくことも大切です。こちらはアジャイルの精神を持って臨めるといいですね。
ODの役割分担・機能について
さて、上記のようなことを考えるのが「ODコーディネーター」です。私はOrganization Development Producer(ODP)と呼んでいますが、<ODプラクティショナーのための「組織開発」参考書>にODの役割分担に関する名称がまとめられているので、そちらに準じたいと思います。
ODプラクティショナーのための「組織開発」参考書(廣田 茂明,産業能率大学出版部)
他のも含めて記載されていた名称と役割を簡易に記しておきます。
オーナー : 組織開発プロジェクトのオーナー。経営クラスが担う場合が多い。
ODプロデューサー : ODプロジェクト全体の統括。全社的・部門横断的展開をする。
ODコーディネーター : ODに関する知見が豊富で、自社に適応させるためのカスタマイズや実行全体のプランニングとフォローを行う
OD実行チーム(リーダー/メンバー/シャドー・コンサルタント) : 実際のファシリテーションや介入をする人
ODブローカー : 外部資源を仲介する人(ここをどこまで拡大解釈するかで、追加の役割が必要となると思います)
ネーミングはさておき、個人的にどれも欠かせない役割だと思いますし、1人の人が複数の役割を担うケースもあります。ベンチャーでODをされている方は超人的で、1人でほぼ全ての役割をこなしていたりもしますね。本当はここにデータ分析ができる人材も加えたいところですが、今の時代っぽく「ODブローカー」に外部の人材をつれてきてもらうのが現実的かもしれません。
そもそも、初めから全てのリソースが揃わないことも珍しくありません。経験則では、組織課題を解決したいという強い想いを持った方がODコーディネーターとなって、リソース獲得を進めるところからはじめることも多い様に思います。
それぞれについて詳細(どんな役割か、どんな能力・スキルが必要か、など)を記載していくと、かなりの分量になりそうなので、また別の機会に語りたいと思います。
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