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【大会結果】第6回北海道地区クラブ選手権

2020年7月11日~12日、25日に開催された社会人野球・第6回北海道地区クラブ選手権。
新型コロナウイルス禍による諸大会の中止を経て、北海道の今季初の公式戦となった本大会は、天候に恵まれ、予定通りに全日程を終えることができました。
その結果をまとめます。

大会概要はこちらの記事をご参照ください。

大会結果及び個人表彰

優勝:TRANSYS(千歳市)
準優勝:ウイン北広島(北広島市)

最優秀選手賞:TRANSYS 小川弘輝選手(北本高-駒澤大)
敢闘選手賞:ウイン北広島 小川孝平選手(東海大四高-札幌大)
首位打者賞:ウイン北広島 菅野郁弥選手(旭川工業高)
※16打席14打数7安打 打率.500

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1回戦(7月11日)

Aブロック
伊達聖ヶ丘病院 3-4 旭川グレート・ベアーズ
小樽野球協会 3-6 札幌ブルーインズ
ブレーブくしろ 2-24 ウイン北広島

Bブロック
函館太洋倶楽部 7-5 オール苫小牧
帯広倶楽部 6-7 札幌倶楽部

2回戦(7月12日)

Aブロック
札幌ホーネッツ 8-1 旭川グレート・ベアーズ
札幌ブルーインズ 2-9 ウイン北広島

Bブロック
WEEDしらおい 7-5 函館太洋倶楽部
札幌倶楽部 0-8 TRANSYS

準決勝・決勝(7月25日)

準決勝
札幌ホーネッツ 4-8 ウイン北広島
WEEDしらおい 2-4 TRANSYS

決勝
ウイン北広島 1-3 TRANSYS

優勝したTRANSYSは、8月のJABA北海道結成記念大会の出場権を獲得しました。(札幌ホーネッツ、ウイン北広島、WEEDしらおいは昨年実績で出場権獲得済)

極めてゆるい感想 1回戦

今回の北海道地区クラブ選手権は、新型コロナウイルス禍の影響で全試合無観客で開催されたため、私は何一つ試合を観ていません。外出や市外往来の自粛要請で、今季は出場チームのオープン戦すら観戦できていない状況にあります。
そして、日本野球連盟(JABA)公式速報はバッテリーと長打以外分からない仕様なんですよね…せめて投球回とスタメンがあればいいのですが。

更に輪をかけて、新聞報道が初日の野幌開催分しかないという不遇。
高校の夏季代替地方大会にドラフト1位候補にスカウト集結なんて話題が満載だと手が回らないんですよね、わかる、わかる。
……毎日新聞ぐらいは取材してくれよお!

したがって、私の去年の曖昧な記憶を基に感想をぐだぐだと述べていきます。

◇ ◇ ◇

1回戦は、2-24の大差となったブレーブくしろ対ウイン北広島を除き、競り合いの好ゲームとなりました。

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唯一試合内容が報じられているのが野幌第1試合の伊達聖ヶ丘病院 対 旭川グレート・ベアーズで、旭川グレート・ベアーズ市本健太選手(名寄産業高、元徳島IS)が先制2ランを放ったとあります。
初戦で双方選手が揃うなら互角と予想していた試合は、実際9回まで同点の鍔迫り合いに。決勝点、誰だったんでしょうね…?

◇ ◇ ◇

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野幌第2試合は、札幌ブルーインズが3回に一挙5点で逆転して試合を優位に進め小樽野球協会に勝利。

投手力で樽協が有利と読んでいましたが、樽協3本柱のうち2人(奥山投手、石川投手)が不在。残る岩田龍二投手(札幌光星高-北翔大)が踏ん張るも捕まったでしょうか…。
札幌ブルーインズは新人・今井那拓投手(大谷室蘭高-星槎道都大)が完投。都市対抗へ楽しみな選手が増えました。

◇ ◇ ◇

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1回戦唯一のコールドゲームとなったブレーブくしろ 対 ウイン北広島
ブレーブくしろはエース・帰山拓磨投手(札幌新川高-釧路公立大)を立てるもウインの猛攻を防ぎ切れず。

くしろの公式Facebookによれば「チーム状態が悪かったのでも、選手が少なかったのでも、戦力ダウンしたのでもない」とのこと。
選手が釧路と札幌圏に分散しているため、釧路から札幌へ毎週遠征してチームを仕上げるはずが、今年は新型コロナウイルス禍で分断を余儀なくされ、ぶっつけ本番の不運に見舞われました。

都市対抗予選にはまだ時間があります。去年は4月のオープン戦で目も当てられなかったものが、5月末の都市対抗では3回戦に駒を進めるほどに成長したチームですから、今年も予選までに一皮むけることでしょう。

◇ ◇ ◇

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舞台は変わり栗山町民球場。
第1試合は函館太洋倶楽部 対 オール苫小牧。函館の谷口おうぎ投手(函館ラ・サール高-東北大)が初回に3点を失うも援護を信じて完投、チームは逆転勝利!
打者は青木保憲選手(室蘭大谷高-札幌学院大)、清水翔選手(能代工業高-函館大)と活躍したんですね、打線が楽しいチームなので観たかった。

対するオール苫小牧は絶対エース・浦崎祐介投手(苫小牧工業高)ではなく2年目の高橋直也投手(苫小牧中央高)が先発。
高い期待を寄せられているのだなとワクワクします。(エース様が不調なのかもしれませんが、直接観てないのでポジティブに考えます)

◇ ◇ ◇

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栗山の1回戦第2試合、帯広倶楽部 対 札幌倶楽部。
1回戦で一番見たかった試合です。「もうこんなん面白いに決まってるじゃんね!!」と地団駄踏むシーソーゲーム。

杉本直輝投手(帯広北)・武藤慶吾捕手(帯広農業)の若きバッテリーに試合を託し、必死に援護する帯広のおいちゃん。(私が言うのは失礼だけどバッテリーから見ればいおいちゃんでしょう)
林田正広監督兼捕手(北海高)の2塁打とかもう胸熱ですね、めちゃくちゃ観たかった。

対するは新人からアラフィフのベテランまで総出の継投で食らいつく札クラ。先発が捕手から転向した田上雅隆選手(米子工高-全大津-TRANSYS)で、二番手が外野手登録の庄内大涼選手(札幌藻岩高-道教大旭川)というのが面白い。 
この札幌倶楽部は北海道社会人野球チームガイドに未掲載の新人も多く、ぜひとも今年の陣容を直接観たいのですが…なかなか日程が合いません。泣

更にゆるい雑感 2回戦

2回戦はシード組(札幌ホーネッツ、WEEDしらおい、TRANSYS)が登場。
この3チームは北海道クラブチームの中でも頭一つ抜けていて、かつ、初戦ですからピカピカつやつや。一方勝ち上がって対戦するチームは連戦なので、どうしても実力差が出てしまう。
そのためか、一方的なコールドゲームばかりでしたね。

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ご覧のとおり…

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こんな具合でして…

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ウイン北広島は1回戦からの勝ち上がりですが、エース吉田大器投手(北星学園付属高-札幌学院大)に任せて余裕の試合運び。

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……あれ?

WEEDしらおい 対 函館太洋倶楽部は他3試合と様相が異なり、終盤まで冷や汗モノの試合運び。

函館の先発は、前日に5失点完投している谷口おうぎ投手。完投からの連投はクラブチームあるあるで、万全の状態とは言い難い。
この試合で彼がどこまで投げたかは不明ですが、継投を含め、しらおいがここまで苦戦するとは意外でした。その分、谷口投手、大ベテラン吉田剛投手(北海高)、山本奉伯投手(駒大岩見沢高)が頑張ったと見ることもできます。

そのWEEDしらおいは先発・高橋大樹投手(札幌大谷高-札幌大谷大)が初回に捕まったからかどうかはさておき、潤沢な投手陣をこれでもかと投入。
思えば、王者奪還を果たすべく組んだ3月の関東遠征は相手大学の活動自粛で中止、社会人野球クラブ選手権も中止、出場権を得ていたJABA一関市長旗争奪クラブ野球大会も中止と、今季最も新型コロナに泣かされたのがこのしらおい。投手も野手も出番に飢える者ばかり。

やや不穏な展開も勝てば官軍。次戦の宿敵・TRANSYSには投打を揃えて一矢報いたいところです。

真顔になる 準決勝雑感

なんだかんだ昨年のクラブ選手権予選ベスト4が駒を進めた準決勝。
2週間の間がありどのチームも準備万端。決勝に進めばダブルヘッダーですから、投手のやりくりが鍵になります。

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第1試合、札幌ホーネッツ 対 ウイン北広島
札幌ホーネッツは昨年のクラブ選手権本戦進出の立役者・小林健吾投手(旭川実業高-道都大-ウイン北広島-HBA)が古巣相手に先発。
1回戦・2回戦と相手を圧倒してきたウイン打線に8失点と苦い登板になりました。ただ、聞く話によれば7イニングで自責点は2だという。

ふと、昨年のクラブ選手権予選決勝、札幌ホーネッツ対WEEDしらおいを思い出しました。
ホーネッツ投手陣が終始守備に足を引っ張られ、計上されたエラーは7つ。しかししらおい打線にあと一打が出ずホーネッツが逃げ切り。「勝ちに不思議の勝ちあり」を体現するような試合でした。
この頃からホーネッツの守備にはムラがあり、更に今年は野手の頭数が少ないことが不安要素でしたが…前面に出てしまったでしょうか。

4点を先取された直後に鈴木拓郎選手(室蘭大谷高-道都大-WEEDしらおい)の3ランで追い上げるも力及ばず。この鈴木選手は去年大怪我でシーズンの殆どを棒に振りましたから、復活は嬉しいですね。

対するウイン北広島は咲山三智也投手(女満別高-道都大)を先発に送り、エース吉田投手はリリーフ登板で温存。新人の清藤貴央投手(弘前聖愛高-札幌大)、 山本一真投手(札幌日大高-旭教大)が脇を固めます。

今季、チームの半分近くが入れ替わっており、更に私が高校・大学野球に疎いがために新人に言及できないのがつらいところ。
これまでの試合結果を見る限り、しっかり起用に応えているようです。

◇ ◇ ◇

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準決勝第2試合、WEEDしらおい 対 TRANSYS
先のホーネッツで述べた昨年のクラブ選手権予選決勝WEEDしらおいにとっては、最も与し易いと思われた相手に翻弄され、決定力不足が露呈した次第。
そして本大会も初戦の函館太洋倶楽部相手に苦戦で、大丈夫かなと思ったのですが…。

この準決勝では宿敵・TRANSYS相手に堂々と渡り合いました。試合詳細がわからないのが実に惜しい。
WEEDしらおいの先発は新人の二瓶駿哉投手(知内高-函館大)。何回まで投げたかは不明ですが、ただでさえ豪華な投手陣が更に厚くなったと思いました。

TRANSYSは投手陣の柱、三浦翔投手(北照高-東海大北海道)が完投。決勝に十分な余力を残すことができました。
昨季までの主戦であった白石猛紘投手(盛岡大附属高-青山学院大)が勇退したのですが、少数精鋭ながら各々がきっちり役割を果たすのがこのチーム。流石だなと思います。

そして、この試合からTRANSYS捕手に「新川」選手の名が。
昨年まで捕手を務めていた木村諒輔選手 (札幌大谷高-富士大)、 上野純輝選手(東海大四高-東海大北海道、現徳島IS)が勇退し、今季はキャプテンの小川弘輝外野手(北本高-駒澤大)が度々マスクを被っていたようなんですね。2回戦もJABAの速報システムを信じるならば捕手出場。
このため、新川は「小川」の誤入力だと思って「今年もかJA○A仕事しろ」と内心毒づいていたのですが、決勝で新戦力が加入したのだと判りました。濡れ衣着せてごめんねJ○BA。

やっぱり観たかった 決勝

昨季終了時点でのクラブ(※)2強を選ぶとしたらこの2つになりましょう。
ウイン北広島 対 TRANSYS

※JR北海道硬式野球クラブは登記上クラブチームですが、日本選手権選択チームなので企業チーム群として扱っています。

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決勝に相応しい好ゲームであったと思われます。無観客だし取材がなかったので知らんけど。

TRANSYS先発は新人の宮本翔投手(恵庭南高)。この大一番を任されるとは大したもの!後ろは実績ある左腕・宮﨑寛大投手(札幌日大高-国士舘大)が守りここまで豪打で鳴らしたウイン打線を寄せ付けず。

打っては小川弘輝キャプテンが3塁打+2塁打の活躍、おそらくは決勝打も彼でしょうか?最優秀選手賞を獲得。
また、長打には2年目大栗勇人選手(駒大苫小牧高-札幌国際大)の名も。昨年のプロ・アマ交流戦で目立った彼は北海道社会人野球界に新たなファンを大勢呼び込んだとかなんとか。

ああなぜ我々はこの試合を観られないのか(泣)

ウイン北広島は高橋遼太投手(北広島高-新潟大)からエース吉田大器投手のリレー。こちらも素晴らしい投球であったことが窺えます。
そして、今大会の全試合で小川孝平選手(東海大四高-札幌大)がマスクを被りました。打撃も冴えてか敢闘選手賞を受賞。
また、主砲のひとり、菅野郁弥選手(旭川工業高)が打率5割で首位打者賞を獲得しました。

今大会は圧勝を重ねてきたものの、TRANSYSに封じ込められたウイン北広島。大幅に選手が入れ替わった今年もクラブではトップクラスの実力であることは間違いないでしょう。
昨年は都市対抗二次予選で企業チームをも脅かしました。来る結成記念大会が楽しみです。

さいごに

本大会は北海道の社会人野球にとって、新型コロナウイルスによる大会中止・延期後初めての公式戦となりました。
無観客開催、感染予防対策実施と慣れないことばかりで、大変気を遣う大会であったと思います。チームの皆様、運営の皆様、本当にお疲れさまでした。

そして、このたびの成功をもって、7月31日から開催されるJABA北海道結成記念大会プレオープンマッチ(シード権順位決定戦)は、当初と方針が変わり有観客での開催となりました。
観戦機会をいただけること、本当に感謝です。

結成記念大会に出場できるのは企業チームを含めて8チーム。残るチームの次の舞台は都市対抗予選となります。
現在、新型コロナウイルスの隆盛著しく、今後の大会見通しも不透明ではありますが、どのチームも万全の準備で都市対抗に臨めることを願っています。