【雑記】抗精神病薬とHDAC2

抗精神病薬や抗ヒスタミン薬やベンゾジアゼピン系など多くの鎮静剤は、認知機能障害を誘発する可能性があるとされています。
ここで言うところの認知機能障害とは、一過性のものではなく、いわゆる認知症と言われるものです。
実際にどれぐらいの確率で認知症を招くのかといった事や、仮に認知症を招くとしても薬剤によって機序は様々です。
ここでは、抗精神病薬について書きます。

警告

この文章は、抗精神病薬の使用を否定したりするものではありません。医師から処方を受けている方々は、この文章を鵜呑みにして、投与を勝手に中止したりしないでください。

本題

抗精神病薬が影響したと思われる認知機能障害や認知機能の低下に関する機序として、Dopamineや5-HTを拮抗した結果として起こるとされています。
モノアミンを拮抗する事で覚醒水準等が低下し、認知能力に影響があるといった説明は、非常に理に適っています。
またほとんどの抗精神病薬が、それなりに強い抗コリン作用を有します。ご存知の通り、抗コリン作用は記憶力に悪影響を及ぼします。
ここまでの話は、今も昔も変わりありません。

近年では、抗精神病薬による認知機能への悪影響に、別の機序があると囁かれています。
またその機序の解明が、統合失調症の解明や、新しい治療薬に貢献できるとも言われています。(TAAR1なども有名ですが、その話ではないよ。)

近年注目されている要素に、HDAC2があります。おそらく、多くの人がピンときた事でしょう。
HDAC2はHDAC1と同様に、HDACクラス1に当たります。
HDACに関連した薬物といえば、バルプロ酸があります。バルプロ酸は逆に、HDACの阻害剤です。(本質ではないので、バルプロ酸の話は置いときます。)

HDAC2が増加する原因
抗精神病薬の中には、5-HT2Aのアンタゴニストとして作用するものがあります。
有名な物質として、クロザピンなどです。
クロザピンに5-HT2Aアゴニストと聞けば、誰しもがNF-カッパBを思い浮かめるかと思います。
結果的にHDAC2の出現が多くなり、タンパク質合成の為の転写が低下すると考えれます。

またリスペリドン等の長期投与によって、リスペリドン等が作用しにくくなると言うのは、上記を踏まえてもmGluRで説明がつきます。

書くの飽きたらやめる。

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