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続 年収16,000kの彼と別れた話

長くなりそうで格好付けて三部作にしてみました。

今度は、私が不安

彼の全てを手に入れた気になっていた
過去も今も、そしてこれからの未来も
でも彼の視線はスイスイと泳いで、他の可愛い女の子達に向くようになった
苦痛だった、30代半ばのタイプでもない(言われた)私なんかと違った可愛い女の子はごまんと居る
ましてや東京の中心部なんて入れ食い状態だ

何だか虚しいし愛されなくなった気になった
ブチ切れて口もきかなかったなぁ
死ねばいいのにと思いながら、翌日は職場の仲良い男子と2人でランチなどした
絶賛自粛中だった

そういえばコイツ女の子好きだって言ってたな
一番彼氏にしたくないタイプじゃん
自信も自尊心も自己肯定感も全部を失って、彼と一緒に外出することが恐怖になった

私は訴えた
「あなたと居るのが恐怖で苦痛。でも、2人のことだから2人で決めないといけないと思って、相談したい」

2~3度は口撃したな
それでも泣きながら別れたくない、一緒に居たい、分からないけど俺が変わる、怖いって言われるのが怖いってその度言われた

あっそ、勝手にすれば?
要らなくなったらお前なんかいつでも棄ててやるよ、男なんか他に居るし
って言いかけて、でも信じられないことに私が彼の愛情表現に依存していることを思い知った

夏、転職が上手く行かなかったときだった


こんなことしたの、初めて

私は著しく不安定だった
転職もなかなか上手く行かず彼は私の一番嫌いな彼氏タイプと判明、友達にも慰められながら落ち込んでいたあの時の私は自信喪失から立ち直れなかった

他の男性に癒されても、コイツも他人のもんだしなと
どうにも虚しくなるだけだった

私だけの、私だけを大切にしてくれる彼が欲しかった



ある時、彼が休みに珍しく私と別行動をすると言った
「どこ行くの?」
「内緒」

いやもうそんなん私のために何かしに行くんじゃん‪𐤔隠すのヘタか‪𐤔マシな嘘でもついとけよ‪‪𐤔‪𐤔

とか今なら思うのだけれど、その時メンタルボロボロだったので、うわ…あっそ…としか思えなかった

マイナスな事しか考えられない脳になっていた

帰ってきて、バッグからいそいそと何かを出した

「はい、これ」
「?」
「神田明神の勝守、のなちゃんの転職が上手く行くように」

普通なら泣くか感動するんだろうな

でも泣けなかった
素直に彼の好意を受け取れなかった、どうしても最近のオイタの穴埋めのように感じてしまっていた

「ありがとう…わぁ、すごい、
頑張らなくちゃ」
「お守りなんて買って来たの初めてだよ」
「?」
「こんなことしたの初めて」

初めて、という言葉が出たことに驚いたのと、ようやくそこで初めて「そこまでしてくれたんだ嬉しい」という気持ちになった

大切にされているのだと、初めて実感した

もしかしたら嘘かも知れないけどね
けれど、お喋りで何でも正直過ぎる彼の事だからきっと、本当なんだろう

かえって、私はなにも言えなくなってしまった
噛み締めて、喉元を通過して腹に収まるまでにあまりに時間を要するほどに、衝撃だった

考えてもみたら、お守りを買ってきてくれることなんて、初詣行った家族からか旅行のお土産くらいでしかないのではないだろうか

私の居ない所で私のことを考えて、行動してくれることが、こんなにも嬉しくなるものなのだと
その時は思ってもみなかった


ギブアンドテイク

「大人になると、ギブアンドギブが成り立つ
子供が相手だと、ギブアンドテイクしか成り立たない」

大企業に2人しか居ないという社内コンサルティングをしている方から聞いた言葉だ

「好きだから、大切だから、ギブする
相手もまた、同じように自分を好きだからギブする
テイクが目的では無い
しかしテイクのみ目的の輩はいる
そういう奴がたかってくることもある
その時にはギブしなければいい、奴らはテイク出来ないと判断した時点で勝手に離れて行くから」

こんな考え方をする人と出逢った私は大変に幸運だったと思う

そんな関係を目指して、身の回りの人に接しようと近づいてくる人達全員にギブできるよう努力していた

だがその関係は成立せず、私を消費する(本人はそう思っていなくても)人が寄ってくるようになった

彼もまた、そのひとりとなった

彼と私のギブの均衡が保たれなくなった

彼は仕事の相談や不満、教育の疑問などを私に話し、私が教えたり彼自身を褒めることで自信を植え付けていた

自分の話ばかりで、私の話を聞いて来なくなった

私によって、モチベーションを上げていた
私は職場の話や友人との具体的な話をしなくなった

そしてまた、彼もきっと
私に対して同じようなことを思っていたのだろう

私の誕生日のことだった

素敵なディナーとケーキ、お花をプレゼントしてくれた
その後、

「プレゼントは、いつもあげてるから無し」

そう言い放った

私は毎月、彼に旅行に連れて行ってもらっていた

旅費は彼、旅先では半分私が支払うのだが、納得がいっていなかったのだろう

「誕生日、覚えとけよ!バーキンだ!」

私がエルメスのお財布を彼の誕生日にあげた時にそう言われた
別に買っては欲しくないけど…と思いつつ、私の誕生日には何かはあるかな?と期待してしまっていただけに、引き攣った表情をいつもの馬鹿みたいな満面の笑みに誕生日中に戻すことは出来なかった

均衡が、保たれなくなった

基本外食は彼が、自宅での食費は私が持つが、そのバランスも崩れるのでたまに出したり出されたりをしていた

彼は私に、お金くらいしか出せないと言っていた

私は、食事を作ったり家事や身の回りのことをするなど労力を提示するしか出来ないと話していた

しかし出すと言った支払いは出さなかったり

私からの支払いを要らないと言いながら私のお金を自分の財布にしまったり

矛盾していた

このバランスに納得していないのがありありと見て取れた

そこで誕生日のこの台詞

別にプレゼントは無くても良かったけど
実際に言われたのは

わりときつかったなぁ


今後どうなりたいのだろう

彼が不満そうだ

けれど会う頻度は変わらない
毎日連絡するし週に3~4回は会っている

一人が嫌いで一人になりたくない、無趣味だから一人になるとやることがパチンコくらいしか無いと言うのだから、タフで良く時間を作る私は恰好の暇つぶしだったのだろう

そう思うようになった

結婚はしないと言う意志のもと一緒になった二人
出会って1年
彼は、私とどうなって行きたいのだろう?

純粋に、疑問になり本人に問うてみた

返ってきた言葉は

「分からん」

終いだと思った

彼は近い将来でさえ、私との関係を構築する気が無かったのだ
一緒に居たい、という言葉は一体何だったのだろう
甚だ疑問だ

周りから言われていたせいもあり、「子供に再婚しないで欲しいと言われているから結婚しない」と言っていたこともいつかは覆る、どうせ娘なんて大きくなったら再婚しない父親見てダサいって言うんだからいつかはのなちゃんと結婚したいって言い出すよなんて言葉を、どこかのどこかで期待していた

小さな疑問はひとつの決意を生んだ

そして、もし万にひとつ、彼から結婚の申し出があったとしても、こいつとだけは結婚しないと固く誓った


私の家庭のこと

複雑
その一言に尽きる、もうとにかく面倒くさい
実家のことはほぼ姉に任せ切りで、本当にいつ二度と家に来るなと言われてもおかしくないくらい、実家のことに関与して来なかった

しかしここに来て、いよいよ避けられない事態になった

「のなちゃん、私お父さんと離婚したいから、のなちゃんの扶養に入れて」

母親からの衝撃の発言だった

両親は母親の精神病が原因で一度離婚しており、当人同士で再婚をしている
母親にまともな生活能力が無かったからほぼ父親が折れた形での再婚だ

それなのにこれだ

私は経験の無い怒りの感情とともに、一人で生計立てて生きて行くと決めていた心が、あっさりと挫けてしまった

この親は人間じゃない

本心で、そう思った

私はこの親がいたら、このまま一人では生きていけない

私を生涯支えてくれる人が必要だ
経済面、身体的にも、精神面でも
タフで優しく私を心から愛してくれる伴侶が

子どもが居たら?
幸せなのはもちろんだが、家庭があればこの親は介入して来れないだろう

ここまで自立出来るように頑張ってきたのに
離婚した後は親父を嫌いだという理由で2度も離婚しようとする母親を受け容れる宿になるのか?

信じられなかった

やっと一人になれたのに
依存体質の元夫と離婚して、一人になっても大丈夫になる為に転職して年収を上げてそれでもぎりぎりで生活してきたのに

心から悔しく、情けなく
そして憎く思った

誰かに、本気で助けてほしいと思った

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