やじろべえ日記 No39 「水面下」
その日は午前中雨が降っていたため公園に言ったら地面がべちょべちょになっていた。
わたしは野良のキーボード弾きである。今日はいつも通り公園で練習しようとしていたが地面がこのありさまなので公演での練習は絶望的である。水たまりもあちらこちらにあるし。
というわけで予定変更で自室で練習することにした。とはいえ大きな音は出せないのでヘッドホンつき。
昨日は浅井さんと伏見さん,いつもセッションしているメンツで練習をしていた。来たる戸村さんに聴かせる演奏会のための練習だったのだが,昨日もいつも通りの練習だった。
話を戻すがラインナップは蝶の曲とあともう一曲,伏見さんとの連弾である。のこり3人でやる曲をもう一つやる予定らしいがその辺はまだ決まってない。
自室で練習していると自分のできていないところがよくわかる。
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練習を続けていると浅井さんから連絡が来た。
「市村さんごめんなさい。明日の練習なんだけど,ちょっと二人で合わせたいところが今日終わらなくて。申し訳ないのだが明日も個人練習お願いしてもいいかな?」
やっぱりな,と思った。
伏見さんと浅井さんの表情を見る限り,おそらく今の私はあまりいい演奏ができていない気がする。それは何となく察することができている状況だ。とはいえ,何がどうダメなのかがわからない。こうなったらとことんやるしかないだろう。
私は再度キーボードと対面した。
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