ゲームにおいて“楽しめる強さ”を求めるなら、君はこの記事を読むべきかもしれない。
こんにちわ。しまんです。
みなさんはゲームをしていて、強くなりてえ……! オレも、アイツらみたいに……! と思ったことはありませんか? ぼくは死ぬほどあります。
ゲームをやるなら、誰しも主人公になりたいものです。ただし、大体において、現実にはチュートリアル盗賊は出現しませんし、謎の組織がやってきて教育してくれることもありませんし、戦闘指導をしてくれる師匠はいませんし、アツいバトルをして“戦いの中で成長”とかもしません。
そうするとどうなるか、というと、ぼくらは強いひとたちを見て「は、速すぎる……! 何がどうなってやがるんだ……!?」とつぶやいたり、「アイツはやべえ……このオレなんかでもわかるぐらい、“強い”闘気だ……!」とびびったり、はたまた「あいつはこの先の戦いについてこれそうもない」と置いていかれたりするわけです。
……リアクション役は大事ですが、そこに収まりたいわけではない。主人公とは行かなくとも、見せ場回ぐらいは欲しい。このnoteは、そんな人々のために、“強い”ものたちがやっていそうなことを解体してお届けする文章です。
「あの人は強い」と良く聞くけれど、では、なぜ強いのか?
そもそも、“強い”とは何か?
簡単そうに、当然のように繰り出される技術の裏には何があるのか?
僕たちでも強くなれる方法はあるのか?
そういった所に焦点を当てていきたいと思っています。
なお、この記事は定期ゲアドベントカレンダー・松の3日目です。
タイトルとここまでの文面を読んだ人には申し訳有りませんが、基本的に“定期更新型ゲーム”について扱うため、ご期待に添えないことがあるかもしれません。
ただまぁ、汎用的に、技術と知識を要求されるゲームへ使えるものにはなるかと思っていますので、よろしければ自分のプレイするゲームに置き換えつつご鑑賞ください。
※なお、文章はすべて筆者の主観に基づきます
0.読む前の準備、強者とはなにか。-結論と概要-
先に主題の結論を提示しておきます。強者とは「的確な予測」と「正確な計算」を感覚的に引き出せる人たちなので、感覚的にできない我々は、地道に全ての予測を立て、それぞれに対応策を講じ、計算機を用いて全ての予測されるダメージを叩き出し、数値を比較して最も効率的な策を選べば強くなれます。あとはそれが体に馴染むまで繰り返し続けるだけ!!
……は??????? そんなんむりだが?????
人には向き不向きというものがあり、この幅広さは普通に考えて一人の人間ができるキャパシティを超えています。もしかして、強者というのは人間ではないのでしょうか??
もちろん、そんなことはありません。強者も一人の人間であり、そこには向き不向きが存在します。ではどうやっているのか。
多くの“強い者”は意識的にせよ無意識的にせよ得意分野を用いてゲームを理解しており、PTを組んだりDiscordで戯れたりと、その理解を互いに共有することで全てを吸収して完全体になります。ラスボスってことですね。(ほんとか?)
この「理解」と「共有」を繰り返し、「感覚」として身に着けた人たちのことを、このnoteでは“強者”と呼びます。
今回の文章では、この“強者”に近づき、自らがゲームを楽しめるだけの強さを身に着けることが目的です。
しかしながら、強くなる手法だけを学んだところで、そこに存在するのは薄っぺらい見せかけの強さです。無限ロケラン(※1)やら最強装備MOD(※2)で遊んで俺TUEEE!!しても二秒で飽きます。一時的にはともかく、継続的に遊ぶ上では、ぶっちゃけ楽しくないと思います。装備のステータスがALL999でも、レベルは1のままなのです。装備がなくなれば無力……すなわち、“弱者”……!
よって、“強者”になるため、基礎レベル……根本的かつ幅広い、「ゲームの上手さ」をメタ的(※3)に考え、大幅レベルアップとまではいかずとも、それなりに戦えるスキルを身に着けていきましょう。
今回の文章では、3つに分けて、それぞれの解説と上手なやり方を考えていきます。
ひとつ、そもそも「理解する」とは何なのか。
ふたつ、「共有を行う」とはどういうことか。
みっつ、「感覚」とは、それを身に着けるとは何か。
これらを考え、解説し、その上で“楽しむ”とは何か、を添えて締めたいと思います。
前置きが長くなりましたが、お付き合い頂けると幸い……
すいません、間違えました。正しいこの段落の最後は以下になります。
「……が……いか……」
「だ、誰だ!?!?」
「力が……欲しいか……?」
「誰……どこから、いや、なんだっていい! 力を、力を手に入れられるなら!」
「ククク……契約は果たされた……足掻け、ニンゲン……」
バシュブシュボゥォォオオ(闇の炎のSE)
「う、うわああああああああ!!!!!」
……以上です。では本編にどうぞ。
※1 無限ロケラン...バイオハザードで、最強武器「ロケットランチャー」の弾数が無限になったもの。すべてを破壊し尽くすことができる。
※2 MOD...アイテム追加、テクスチャ変化など、コンピューターゲームを改造するデータ全般のこと。ゲームバランスを著しく崩壊させるMODは、大体ゲームの寿命を早める。
※3 メタ...Meta。超越した/高次の。今回の場合は、“ある学問や視点の外側(客観)に立って考える”の用法。メタ哲学が“哲学とは何か”を考えるように、「そもそも“それ”って何?」を考えてみますね、ぐらいの意味です。
1-1.「理解」の価値 -目指せ! 解説マスター-
みなさん、クイズ番組は見たことありますか? 特に、早押しクイズです。
いわゆる“クイズ王”と呼ばれる人たちって、ぼくらからすると「なんでわかんの!?」ってタイミングでボタンを押して正解しますよね。まさに「バカな……! 早すぎる……!」となるわけです。
しかし、ぼくらとは違い、同席しているクイズプレイヤーたちは、一斉にボタンを押し、誰かに押された瞬間に悔しそうにしていますよね。彼らは自分も押そうとしていて負けた……“早すぎる”とは思っていない、ということです。あれは一体何なんでしょうか。僕らとは壁があるのでしょうか。
実のところ、“早押しクイズ”のゲームシステムを理解していれば、僕らでも悔しそうな顔をすることができます。詳しくはこちらのyoutube動画を参考にして頂きたいのですが、簡単に動画内をまとめると
・早押しクイズは“問題文を予測して答える”ゲームである。
・問題文には答えを導くような意味や、構造のパターンがある。
e.g.「蒸して売る」→「焼いて売る」→焼売(シュウマイ)
・答えは一つになるように、問題文で限定しやすいものになる。
e.g.シーソーゲーム=公園の遊具に例えて何という?
つまり、“早押しクイズ”とは、“誰よりも早く問題を予測して答えを絞り、自らの知識内に落とし込むゲーム”なのです。ルールがわかっていれば、テレビの前で「っかァ~~~~確かにそこで絞れるわァ~~~」と悔しそうに言うことができます。もっと理解を深めていけば、「いつもよりも早い……攻めているな」と訳知り顔もできるわけです。
“理解”は、あなたをリアクション担当から、解説役にします。解説役のがなんか強そうですよね。
とはいえ、“理解する”ということは難しいです。すでに理解している誰かに噛み砕いて説明してもらえるならともかく、多くの場合ぼくらは、ひとりで、一からゲームを理解せねばなりません。定期ゲームでは、下手すればゲーム画面とルールブックだけで全てのシステムを理解し、適切な行動をとらなければならないことだってあるのです。むりだが????
それでもやろうするとき、ぼくらはこう思います。「もっと簡単に、上手にゲームが理解できる方法があったらいいのに……」
ため息をつき、理解できないままゲームは進み、そして終わります。悲しいことです……。
でも大丈夫!!! 実は、あるんです!! こちらの商品今なら無料!!!
1-2.「理解する」ということ-自分の出自に落とし込む-
目の前の仕組みがわかりづらいなら、わかりやすいものに置き換えてしまえばいいのです。小難しい話は、直接よりも例え話のほうが飲み込みやすいように、自分の中で一度理解した知識や仕組みに落とし込んでしまった方が理解は早まります。ゲームが上手い……特に“初めて触るのに理解が早い”タイプの“強者”は、この“知識の流用”が上手いのです。
おやおや?? 声が聞こえてきますね??
「そんなこと言っても、おれはなんもわからん……
なにがわかるのかも、わからん……」
ご安心ください!!!!!!!
そんなみなさんのためにお得なキャンペーン実施中!!!!!
なんもわからん……しかし、人間誰しも、生まれというのは存在します。
初めてやったゲーム、初めて触れたシステム、初めてやった創作……なんなら小学校や幼稚園まで遡っても構いません。初めてハマったものというのは、全てのゲームプレイに影響します。
例えば、ぼくはTCG……遊戯王OCGが最初にハマったゲームです。TCGの用語と概念が染みついているため、騒乱荊街(イバラ)の戦闘設定をするときも、「手持ちのカードプールからピックしてデッキ構築する」感覚ですし、「相手がパーミだからキツい」「ここメタっとくか」と思考しています。
TCG育ちのぼくにとって、「習得スキルリストの中からスキルを選んで発動条件を設定」よりも「カードプールからピックしてデッキ構築」のほうがわかりやすく、「SP攻撃やデバフが多め」「相手のスキルに対策が必要」よりも「相手はパーミッション」「メタ札入れないと負ける」のほうが、完全な理解ではなくとも、10000000000億倍理解しやすいです。
同じように、みなさんにもわかりやすいものは存在すると思います。そして、それを理解するということは、得意や向き不向きを理解することにもつながります。
RPGなら装備や魔法、コマンドに置き換えると何になるのか。“ちからをためる”敵には、“ぼうぎょ”でしのぐか、強力な“まほう”で倒すか。キャラの育成が楽しかったりしませんか?
格ゲーなら行動に置き換えて、中段には立ちガードして、でも下段が襲ってくるから……どう立ち回れば勝てるのか。戦闘でどうすれば突き崩せるか、考えるのが得意なのでは?
ボードゲームばっかりやってたなら、駒があれば盤面が見れるのではないでしょうか。もしかして、相手の次の一手を予測するのが上手いのでは?
TCGなら、TRPGなら、シミュレーションなら……置き換え方はジャンルによってさまざまで、そして、その中で培ってきた得意分野もさまざまです。ひとつ置き換えたら、それもまた流用できます。「ぽれんの技設定は、イバラの戦闘設定をシンプルにした感じ」みたいに。
定期ゲーのプレイヤーの中には、強くなりたいけど、ゲームをほとんどしたことがない、という人もいるでしょう。
もしかして、物語創作の生まれでしょうか? であればもっと柔軟に置き換えていいんです。かの有名な(?)くろながさんが、戦闘を物語の起承転結に見立てて考える戦闘設定起承転結法を提唱しています。ドラマチックなゲームメイクを行いましょう。
もっともっと遡って、得意科目は何ですか? 理系ですか? 文系ですか? 普段読む漫画のジャンルは?
置き換えるものはどんなものでもいいです。あなたが普段している思考、あなたに馴染み深い概念に近いものへ、置き換えられないか試しましょう。
たったのひとつさえ理解してしまえば、あとはそれを流用するだけです。
置き換えられるものはどんどん増えていき、“理解のコツ”がわかった頃には、きっとあなたは“強者”へ近づいていることでしょう!
そして、“自分の得意”を理解して、それを活かしたゲームプレイを行うのです!!
さぁ、今すぐお電話を!!!!!!!!
2-1.「共有」を始めよう -不得意を補う-
prrrrr…… おや、さっそく電話みたいですね。お電話ありがとうございます、こちら“強者への憧れ”サポートセンターしまんです。
え?何々? 「わかるところはわかったけど、わかんねーところずっとわかんねーぞハゲ」? お客様「そもそも考えるとこ多すぎだろ毛根剥がすぞ」との仰せで、貴重なご意見ありがとうございますゥ~~。
というわけで。「共有」の話をしましょう。最初の話に戻ると、人には向き不向きがあります。よって、どれだけ幅広く、流用可能な知識が増えても、向いてないもんは向いてないので、全てを自力で理解するのはほぼ無理です。
しかし、完璧に理解することはできずとも、その前段階、大体わかった気になることは容易いのです。すでに理解している誰かに噛み砕いて説明してもらえば、大体わかった気になれます。「なるほどね、完全に理解したわ」となるわけです。
わかった気になることは、半分ぐらいの状況で身を助けます。「スキルAの係数は6、スキルBの係数は9で、通常攻撃300ダメージならAは1800,Bは2700のダメージが出る(実際には他の補正によって上下する)」という精確な知識がなくとも、「基本、AよりBの方が強い」と雑な理解をしておけば、戦闘においてBを使用する判断が出来ます。意思決定において、必ずしも詳細に覚えている必要はないのです。
しかし、「どうしてもこのターンに3000ダメージが必要だが、3000ダメージを出せるスキルは何か」など、精確な知識を要求される時もあります。そういうときは、もう一度聞くか、調べましょう。その場合でも、「AよりBが強い」と知っていれば、「Aについて調べる」必要はほとんどないですから、労力を削減出来ます。
理解の「共有」は、向き不向きで役割分担し、不得意分野への労力を少なくすることができます。また、パーティや固定メンバーでゲームをプレイするにあたり、「足並みを揃える」時間を大幅に削減します。繰り返し共有し、理解を定着させていけば、不得意な人でもその知識を得る事ができます。
「アイツ……戦いの中で成長している……?!」と言われることも夢では有りません。
しかし、「共有」の前提として、向いてる人が、向いていない人に説明するわけですから、向いていない人でもわかる説明をしなければなりません。ド理系に哲学論文を朗読したり、ド文系に証明問題の計算過程をそのまま見せてもなにもわかりません。これはめちゃめちゃ難しいです。
次の段落では、共有する、ということの手法について見ていきます。
2-2.共有の手法 -ツールと説明法-
理解を共有したい、と思った時、真っ先に思い浮かぶのは口頭での説明です。しかしながら、「喋りながら、わかりやすく簡潔に話を纏め、声だけで理解させる」というのは、それだけで特殊技能です。教えのプロである教師ですら板書を行うのですから、素人には無理です。ではどうすればよいでしょうか。さまざまなツールを使って、説明を試みましょう。
①要点を文章や画像にまとめ、口頭で補足する
プレゼンテーションや授業のような形態です。話し手にとっては、「事前に話の組み立てが出来る」ことが利点と言えます。アドリブでより詳しい補足をすることもできます。聞き手側としては、「覚えるべきところ(≒要点)を絞れる」ことが大きいです。不得意分野の全てを覚えることは出来ませんから、最初から優先度をつけられるのはよいことです。
Googleのドキュメントやスライドで資料作成をするもよし、Discordやスカイプのチャットに要点を置くも良しです。
②動画や文書、表に詳細まで記録する
このnoteや前に上げた動画のように、詳細まで全て記録してしまおうという試みです。再現性が高く、話し手にとっては「一度きちんと記録してしまえば自ら説明する必要はほぼない」というのが魅力です。聞き手にとっても、「忘れた場合は見直せば/聞き直せば同じものが得られる」という利点があります。
ただし、他の手法に比べ作成の手間が多くかかり、聞き直す場合も時間が取られがちです。
note、youtube、Googleドキュメント、データや数値であればスプレッドシートもよいでしょう。単純に、ボイスレコーダーなどで録音したものでも再現性は高くなります。
③参照性の高いツール・プラットフォームを作成する/調べてもらう
これは攻略wikiや、定期ゲームで言えばデータ小屋、戦闘解析ブックマークレットなどが当てはまる。主にデータ面で、“調べやすいようにしておいたから、各自調べてくれ”という思想です。
作る側には専門性が必要になる場合もありますが、作成後アップデートを行えば共有が完了し、また共同作成も可能。再度語る必要もない。聞き手(利用者)側は使用方法を理解する必要があるが、その代わり知りたいことをいくらでも能動的に調べられる。
ただし、大体表示されているのは要点のみになることが多いため、利用者は読解力を要求されるケースがある。にしても便利。作成者・編集者の方には頭が上がりませんね、へっへっへ……
より簡易的には、Googleスプレッドシートなどにデータ・考察のまとめを作り、紐付けしていくのが良いかと思われます。
以上、基本的にはこの3パターンと、その組み合わせによって共有を行うのが良いと考えています。例えば、③wikiに書いてあるデータを①の要点及び資料として出して、口頭で説明するなどです。
どの手法を取るか、というのは、基本的に相手によります。どれだけ労力を注いだところで、相手がなにも理解出来なければ、共有することもできません。共有したい相手にとって、理解しやすい方法を試しましょう。
1-2.で書いたように、置き換えやすい概念や規則で説明すること、また聞き手側のときは「自分はこう話して貰えるとわかりやすい」と前提を話しておくことが大事かもしれませんね。
一例として、一般的に文系脳は背景と意味、理系脳は結論と論理を重視すると言います。ですので、数値・データを説明するときはその数字や数式が何を意味しているかの説明を、理論や概念を説明するときは結論を先に話し、なぜそうなるかの解説をしていくことを心がけると、理解してもらいやすいのではないでしょうか。
ながくてつかれてきたな……
では、次は「共有」して「理解」した、その先、「感覚」とはなにか、の話です。
3-1.「感覚」を身につけるとは? -過程を飛ばす-
さて、ぼくは最初に、強者とは、「的確な予測」と「正確な計算」を感覚的に引き出せる人だ、と書きました。ではその、強者が持つ「感覚」とは何なんでしょうか?
色々考えたのですが、とても簡略化すると、「3×3」という問に、「3+3+3」を経由せず「3×3=9」を導く脳のシステムです。
ぼくは掛け算を習ったとき、「左側の数字を右側の数字回足す」と習いました。それに従えば、「3×3」の計算方法は「3+3+3」のはずです。しかし、今ぼくらは頭の中で「3×3= 3+3+3 = 6+3 = 9」なんて面倒な計算はしていないと思います。恐らく多くの人は計算せずに「9」を導き出したのではないでしょうか。それは、九九の学習から計算を繰り返し、「3×3=9」を脳に叩き込み、暗記しているからです。
人間の脳にはどうやら、セットになった「問」「論理」「解」を繰り返し使うと、過程である「論理」を飛ばして「解」にたどり着く機能があるようです。それと同時に、似たような「問」には同じ「論理」を使って「解」を導くことができます。
似たような状況を解決しつづければ、状況を見ただけで解決策が思い浮かぶようになります。そして、そこで使われる無意識の論理こそが、「感覚」なのではないかと思います。
“強者”とは、ゲームが出す「状況」という問に対して、過程を飛ばして適切な行動という「解」を出す人たちのことです。
故に、「どうやっているのか」「なんでそうなるのか」の説明は苦手なことが多いです。無意識に過程を飛ばしているから、過程を説明するのは苦労するのです。
実際、プロゲーマーや上手な人に「強くなるにはどうすればいいですか?」と聞くと、恐らく「○万時間プレイする」「○千試合する」「ひたすら練習する」との回答が多いのではないでしょうか。
つまりだ!! 根っからの強者はアドバイザーにならねえ!!!! おれたちは自分で強くなるしかねえんだよ!!!!!
とはいえ、この“過程を飛ばして解を得る”というのは、“正しい論理を使い続ける”ことが前提となっています。
ApexやPUBGなどのチームを組むバトロワゲーで、「状況」に対して「味方が〇〇してくれればなんとかなる」と言い続けては、ただただ「あらゆる状況を他人任せにするプレイヤー」になるだけです。坊主……そいつぁ、“強さ”じゃねえ……
次の項では、正しい感覚を身につけるために何をすればいいか、というのを少し考えてみようと思います。
3-2.おれたちは強くなる -地道で適切な努力でな!-
正しい感覚を身につけるには、その前段階、正しい「論理」を追い、それを繰り返し使うということが必要です。正直めちゃくちゃ地道です。計算が早くなりたいなら100マス計算を100回やれみたいな話です。しかし、それを行えば確実に強くなることが出来るのです。
……とはいえ、最初から全ての状況に対応するのは無理です。我々は計算と予測を適切にしていきたいので、まずは“自分の周りにある計算と予測”の精度を高めましょう。
まず計算の部分。これはダメージやスキル係数など、数値的なデータの部分です。これは必要になったとき、その都度調べるか、計算します。共有の③、公開されているwiki・データベースの情報や、ツールを用いて、九九の暗唱をするようにひたすら数値を出していきます。
しかし、全ての数値を覚える必要はありません。自分のキャラクター、自分のプレイスタイルに必要なものだけを調べ、計算しましょう。自己関連付け、といって、人は“自分に関連するもの”は覚えやすいように出来ています。
そして、“自分”に関連する数字を大体覚えたら、次は“敵”に関する数字を、同じように調べ、計算しましょう。まったく無関係のデータよりは、“自分の敵”である分覚えやすいはずです。そこまで覚えたら、大分あなたは強くなっているでしょう。
その後は、少しずつ“関連するもの”を広げていけばいいのです。今度はこのキャラでやってみよう、とか、そういえば敵の使っていたこれが強かった、だとか、手を広げることで、覚えられる数字は増えていきます。
手早く感覚を身に付けたいのなら、“実際に計算する”というのは非常に大切になると思いますので、計算式は先に覚えておいてもいいかもしれません。
計算式を使っていれば、数値を大体覚えた頃にはもう“ダメージ感覚”が身についています。さぁ……おれたちの物語の始まりだぜ!!!!
しかし待ってほしい。いくら数値を覚えていても、予測が出来なければ活かせないのではないでしょうか。
というわけで、予測の部分です。敵の行動や複雑に絡み合った状況から、次にどうなるのか/どうするかを考えるところです。多くは立ち回りに関わります。
これは、非常に奥が深く、最終的に正解はないことも多いです。よって、予測に関しては、成功率を上げることを目標にしましょう。
状況の予測は、分解すれば行動と対策の連鎖を考えることです。よって、まずは行動と対策のペアを覚えて試すことから始めてはどうでしょう。
計算のときと同じように、まずは自分の行動からです。ゲームをある程度理解したあなたなら、“これが強いから、この行動をしたい”という選択肢があるはずです。覚えるのは、その行動をしたら、どういった対策をされるか、というペアです。こっちはパーを出したいけど、それを相手がわかってたら、チョキを出されるな、という感じです。
こういった、「自分の行動と相手の対策のペア」を、何処かに書き出すといいかもしれません。それらを眺めていると、「こちらが素直な行動をしたとき、相手がどんな行動をするか」が予測出来るようになります。
そうしたら、さっきと同じです。今度は「相手はどう行動したいのだろう」と考え、「自分が取れる対策」とペアを作ります。あとは、それを元に行動してみましょう。身につけるためには、“実際に使う”のが重要ですから、成功したり失敗したりと、試行錯誤を繰り返すのです。
ここで重要なのは、「試行錯誤」と「過去の振り返り」だと思います。予測が成功するかどうかは、実際に結果がでないとわかりません。ですから、とにかく試すこと。そして、試した結果が成功だったか失敗だったかを記録に残すのが良いと思います。成功率を上げるため、記録を振り返り、失敗した予測に基づく行動は削っていくのです。
そうして培い、繰り返し使い続けた予測は、やがて思考が省かれ、“勝負勘”としてあなたに身につくでしょう。
これらの訓練と、身につくまでの過程は、想像よりも長いでしょう。しかし、闇雲に1000回試合を行うよりも、強くなる意志で100回試合を行う方が、あなたは遥かに強くなるのです!!!
こんなの聞いたら落ち着いてはられない!!!!!!!!!
さぁ、今すぐゲームをプレイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
4.おわりに -楽しむということ-
さて、こんな1万文字を超える記事をお読み頂きありがとうございました。
ここまで読まれたみなさんの中には、「むずそう」「きつそう」「たのしくなさそう」と思われた方もいらっしゃると思います。
「むずいしキツい」、そのとおりです。
本当の意味で強くなるというのは、非常に険しい道です。
ですから、無理してまで全てをやる必要はありません。特に3-2の手法は、強さガチ勢でもないならやらなくていいです。
けれど、一つだけお伝えしたいのが、むずくてきついけど、強くなることは、きっと「楽しい」ものであるということ。
みなさんはゲームをプレイしている最中、どんなときに楽しみを感じますか?
ぼくは、いろいろあります。キャラクターの成長を感じたとき、自分のプランがうまくいったとき、自分のプレイがよかったとき、そして、それを相手に上回られたとき。
「嬉しい」「悔しい」「もっとやりたい」「次はこんなことをしてやる」
そういって、夢中になっているとき。
夢中になってのめり込めることこそが、ぼくは“楽しめる”ということだと思います。
そのためには、自分が自分を思い通りに動かせること。たまに思い通りにならなくて、敵の強さを実感できること。そして、「次こそは倒せる」と信じられること。それが必要だと思います。
“楽しめる強さ”とは何か。
ぼくはそれを、“もっと強くなる未来を信じられるだけの強さ”だと思っています。
「あの人みたいになりたい」
「アイツのライバルはオレだ」
「背中は任せろ、必ず追いつく」
そんなセリフを言える、そしてそれをやがて実証出来ると信じられる。
そんな強さがあれば、この世はもっともっと楽しめるのに!
そんな強さを得るためには、あなたがあなた自身を理解し、あなた自身の手で試行錯誤し、あなた自身が知識を吸収し、あなたを信じる必要があります。
こんなにも長く、しかもよくわからんテンションの文章を、最後まで読了頂きありがとうございました。
理解の一助、強さのヒント、何かの助けになれれば、幸いです。
ぼくらが共に、誰かを超える未来を見られるようになることを祈っております。
~完~
「オレは、わかったんだ……こんな、借り物の力なんか、いらない……!」
「グオオ……な、何だこの光は……!」
「オレは、オレが欲しかったのは、オレ自身の手で掴み取った……!」
「お、抑えきれん……キサマ……まさか……!」
「借り物なんかじゃない、本当の“強さ”だってこと!!!」
「ウ、ウオオオオオーーーーーーー!!!!!!!!」
バシュボシュボバシュゥゥゥゥ(闇の炎をまとった悪魔が光線で消え去る音)
~♪(オープニング曲のアレンジBGM)
~流れ始めるクレジット~
以上です。ありがとうございました。