くろながイバラ配信ログ001〜イバラシティ超初心者向け戦闘設定講義録(前編)〜
くろながです! こんばんは。
この記事は去る2020年7月5日の24時すぎからDiscordで配信していた、ネットゲーム『騒乱イバラシティ』の戦闘設定についての、約104分の対話を文字起こししたものです。
イバラシティの戦闘設定……むずかしいですよね!? 戦闘を設定しろって言われても……基本的にゲームの戦闘ってAボタン連打して生きてきたが……!?
そんな初心者にはちょっと何言ってるかよくわからない戦闘設定を、戦闘設定起承転結法と8枠ギプス法によってわかりやすいものに変える、
そんなコンセプトで、十戸さんと2時間近く話しました(長いな?)。
この長大な文字起こしは十戸さんがおそるべき速さと正確さで行ってくれました(ありがとう!)。
表現はいくつか整理・修正を施しましたが、基本的に配信した内容をそのままのせています。また、最終的な文責はくろながにあります。
前編・後編にわかれていて、こちらの記事は前編になります。よろしくね!
【注】配信のなかでくろながが十戸さんのことを特定の読み方で呼んでいましたが、本来は「正解の読みがない」名前です! 配信で読むとどうしても音が固定されてしまいますが、みなさま好きな読み方でお読みくださいませ。
■配信開始
くろなが:……え〜、いまちょっと今回の話についての大事なところというか、方針を、すごく雑駁に書いてピン留めしました。
・戦闘設定について話します。
・かなり超入門編です。
・「戦闘設定ができない」人が、自分の手で動く戦闘設定ができるようになる感じを目指します。
・遭遇戦を中心にします。決闘をやると大変なことになるためです。決闘に勝つ方法はありません。
これをピン留めすることにより、あとから来る人もピン留めの内容を見ることができるということ……とはいえ、ピン留めの内容を見ることができる人は、一定以上Discordに慣れている人なので、多くの人は見られないと思います。私もピン留めの内容を見る方法を知りません。
十戸:マジで?
くろなが:知らない。
十戸:まあ……私も知らないが……。
くろなが:あ、これは大事なことで、決闘に勝つ方法というのは、原則としてありません。あの~、まあ、ない。ないです。あるゲームもありますけど、イバラはないゲームです。
十戸:あ~ん電池がないかも。
くろなが:大丈夫? ダメ?
十戸:ダメかも。
くろなが:ダメ……あ、そこか、そこにピンが留まっていたのか。たしかにピンのような顔をしている。
十戸:さて……。
くろなが:はい。
十戸:はい。
くろなが:じゃあ、十戸さんと話しながら、なんとなく喋っていきたいような、気がしています。どうしようか。
十戸:えっと、あの~私、これもうちょっとこっちに……あ、でもそっか、あんまりあれだとあなた見えないもんね(※配信に使うiPadの位置を調整していた)。ここで見える? 見えんくない?
くろなが:見えんかも……いや、見える見える。見えるよ、見えるから大丈夫。私は見える。
十戸:私もこれによって見える。
くろなが:いまあの、我々の真ん中にiPadが置かれて、Discordのための音声を拾っています。拾ってるよね? あれ? 拾ってない?
十戸:もはや拾わなくなった?
くろなが:もはや拾わなくなった? いま音声って途切れてます? あ、もはや拾っている、やった! 拾ってる、拾ってるって言ってる。
十戸:もう何もわからない。
くろなが:いや、あの、何が心配になるかというと、その左側のあの「くろながマーク」が……「くろながアイコン」がほんとはピカピカ点滅するはずなんですけれども、私の環境だとそれが点滅しているように見えないんですね。
十戸:そう……。
くろなが:これはiPadがいけないんだと思う……あっ、ていうか、ここに通話中って出てるから大丈夫だよ。
十戸:あっ良かった良かった。これ表示が違うのね……。
くろなが:こいつが通話中である限り、たぶん、聞こえるはず。
十戸:はーい。
くろなが:アルヒェアルヒェ(相槌)。
■戦闘設定ができない
十戸:どうなんだろう……あの、私がどれくらい戦闘設定が組めない……「組めないレベル」にあるかということも、一応言っといたほうがいいのかなあ……???
くろなが:ああ、まあ、そうですね。じゃあ、ちょっと、戦闘設定組めないレベルについて、
十戸:ついてなんですが、あの~、何もわかりません。
くろなが:十戸さん、何もわかりません。
十戸:何もわかりません。わたくし何もわかりません。どのくらい何もわからないかというと、あの~、……何もわかりません!
くろなが:ふははははは。何がわからないかわからない……。
十戸:何がわからないかさえわからないぐらい何もわかりません!
くろなが:で、そんな十戸さんがどうして毎日の戦闘であんなにクレバーな戦闘設定を組んでいるかというと、
十戸:クレバーな戦闘設定……。
くろなが:あの~……私が考えているからなんですね。私が考えて、こういうふうにやってちょ、というのを、あいわかったって設定し、「あの~先生、EPがあふれます」みたいなことを、日夜やっているわけです。
十戸:最近はよく、EPがあふれたり、「あの~先生~枠がよくばって13個あるです~」とか、そんな感じです。
くろなが:そんな感じです。とはいえ、やってくれる人がいるならそういうやり方でもぜんぜんいいと思うんですけれども……今回の配信での目標は、いちから戦闘設定を触って、動く戦闘設定が組めるようになる、ということです。
で、そのとき、単に戦闘設定組むだけだったら、ブレイク一個設定して終わり、やった~ゲームクリアだ、みたいな話になりそうなんですけれども、まあそうではない。もうちょっと「戦闘設定とは何か」っていうことが考えられるような感じのものを作っていきたいと思っています。
ええと、ホームページ作成でたとえると、「ひとりでトップページを作って、リンクを作って、自己紹介ページを作って、トップページに戻るボタンを作る」あたりまではできるようになれたらいいな、と思っています。
それができれば、あとはどんどん拡張していけますからね。……FTPの使い方はわからなくてもいいかな。わからない、そこまではいけないかも知れない。
ま、とはいえそういう戦闘設定を作っていくことを目標にします。
じゃ、どういうふうにやっていこうかな……あなたいまどんな感じ?
十戸:いまあの~、私の戦闘設定レベルが「何がわからないのかわからないぐらいだよ」ということをつぶやいています。
くろなが:ああ、大事だ。
十戸:そう……でもこの、ずーっと戦闘設定ができない私が、なぜか霧のひとのゲームは戦闘設定が組めるんですねえ~。
くろなが:霧のひとのゲームって戦闘設定ないからね。
十戸:わはははは……。そう、ああいうことならできるのだが……。
戦闘設定は、できない!
くろなが:戦闘設定って不思議なものだからね。
十戸:そう、私はね~、まあでもぜんぜん関係ない話だからやめたほうがいいと思うんですけど、あの霧のひとのゲーム(※『MIST OF WAR』)に出会ってはじめて自分でひとりで、たったひとりでゲームができるっていう状態になったんですね。
くろなが:霧のひとのゲームって、継続登録すれば動いて戦ってくれるからね。
十戸:そうそうそうそう……そして、うわーい! って喜んでいたら、いつの間にかそんな、戦闘設定ができない民にもあの、あまり優しくないゲームになってしまったのだが……いまはもうできないんです、逆に。
じつは。
くろなが:まあ、でもそれはたぶんインターフェイスの問題で、
十戸:うん。
くろなが:要するに昔の、数字を見て枠に入れていく形のほうがやりやすかったっていうことだよね? たぶん……。
十戸:う~ん、ぜんぜんわかんないのいま。
くろなが:なるほど……。
十戸:うん。
くろなが:それは20人戦場になったせい?
十戸:いや? そんなことはぜんぜんないです。
だってそれはほら、前からじゃん。
くろなが:ああ。コンビニ(※『夕闇国のコンビニ戦争』)もそうだもんね。
十戸:うん。あの~、ピンとこなくなっちゃったの。
くろなが:はんはんはんはん。それは不思議な話だが……。
十戸:まあ、それはいいんだ。いまはイバラの話をしようぜ(※自分で言い出したくせに)。
■戦闘設定の難しさって?
くろなが:うん。じゃあ、どうしよう。どういうふうにやってこうかな。
えっと、実際に戦闘設定をする前に、いくつか「戦闘設定とは何か」みたいな話をしたいと思うのだが……じゃあちょっと雑談的に話をすると、こう……どんな人でも、なんらかのゲームはやってきているはずなんですね。たとえば、ドラクエをやったり、ポケモンをやったり、ファイナルファンタジーをやったり、あるいは、そうですね、TRPGをやったり、TCGだとか。
自分でコマンドを選んで、敵のHPを減らしていって、敵のHPがゼロになったら勝ち、っていうものは、みんな何かしら通ってきて、心に傷を負ってきているはずなんです。
にもかかわらず、そうしたRPGはやってきたけれども、定期更新の戦闘設定はできない、特にりすゲーの戦闘設定は難しい、というのは一定、あるわけですね。
……あ、ええ、心に傷を負わないRPGなんかありませんからね。RPGは心に傷を負って帰っていくためのものです。
で、あの〜、それがロールプレイということですからね。
……そんななかで、十戸さんも、だから、RPGはやってきたわけだよね。
十戸:うん……いちおうね……(※なんでそんな曖昧なんだ)。
くろなが:幻想水滸伝とか。
十戸:うん、おまかせ、とかね。
くろなが:うんうん。そう、これが面白いところで、幻想水滸伝はすごい特殊なゲームですけれども。おまかせ、という動きがあるんですよね(※そのターンの行動をAIに任せるコマンド)。
十戸:まあでも、一応でもなんか、組めるやつは組めるやつでけっこう好きなんだけどね。(色んなゲームの)戦闘自体は……。
くろなが:で、「戦闘設定とは何か」というと、要するに人間が「たたかう」を押して、「誰殴ろっかな、こいつだ」って殴って、「HPが減ってきたから大変だ~、こいつを回復しなきゃ」っていう一連の行動、これを、事前にその戦闘がどんな感じになるのかあらかじめ考えて、「お前はこうなったらこう動けよ」、というのを設定するということなんですね。
つまり、RPGをしていて、コマンドを選ぶときの自分っていうのを、プログラミングする必要があるんです。
自分が、RPGでコマンドを選ぶときに、何を考えてやっているか。ということを、自分から離れたところから、客観化して、アルゴリズムに落としこむ……えっと、行動の連鎖に落としこむ。
十戸:う~ん、難しいカタカナはわからないよ。
くろなが:うん……ごめん……。
十戸:フフッ。
くろなが:アルゴリズム体操わかるでしょ?
十戸:わからないよ……。
くろなが:アルゴリズム体操わかるでしょ?!
……。
あの、FF12のガンビットが出てきたときにはね、あれみんな「定期更新じゃねえか!」って言ってね、騒然としたんですよね。
「スクウェアが定期更新に!」って。あの~「やっぱこれだよこれから先は定期更新なんだよ!」ってみんなが言った(※ほんとかあ~?)。
それがガンビットです。ガンビットっていうのは、ようするにあれ定期更新なんですよ。つまりFFは定期更新化したんですね。
……。
モグモグ。
ときどきケーキを食べるので沈黙が入ります。
十戸:ヘッヘッヘ……。
くろなが:いやじっさいね、○○○○(※某ゲームメーカー)の人とかに定期更新の話したら「面白そうだ」みたいな話はしてたんですけどね。……私はね、クロノ・トリガーとか定期更新にめっちゃ向いてると思うのだが……なかなかね。
十戸:ウワーッチョコが落ちた。
くろなが:……え~っと、さて。話を戻すと。つまり、RPGとかで敵を殴って勝つという経験はいろんな人がやってきているわけ。で、にもかかわらず戦闘設定はできない、ということがある。
それはどういうことかというと、自分がどういう動きをしているのかを客観化するのがとても難しいっていうことなんだよね。
十戸:う~ん。
それは難しい……あの~、そもそも「戦闘結果を見る」というのも難しい。
更新結果を見るというのも難しい。
くろなが:なるほどね。定期更新の更新結果って、
十戸:そう、これがね~、要するにその~、更新結果って、あの、答え……「解」なので。
くろなが:うんうん。
十戸:その「解」を見て、「何を問われているのか」がわからなかった人も、「解」を見れば、「あっ、こういうことだったんだ」、ってわかるというのが、流れとして自然なものだと思うんですが、定期更新の場合はその「解」である更新結果がすごく難しい……その、読解がすごく難しいので、そもそも戦闘設定で「自分が何を問われているのかわからない」っていうのはすごくあると思う。
くろなが:うんうんうん。
十戸:で、たぶんそれも、何を問われているかの、「戦闘設定の読み方」がわかれば、そこがまたつながるんだと思うんだけれども。私の場合は、もうそこで、要するに、こう、かかる橋がないので。わかんねえな……っていう感じ。
くろなが:なるほどね。
十戸:だから、私は虚無特攻(※AP制ゲームで、とにかく戦闘結果を見ないで行き当たりばったりに戦闘を行い、APを湯水のように無駄遣いする行いの勝手な名称)などしていたのだが……。
くろなが:強い人を連れてね……。
十戸:うん……でもこれってねえ、なかなか難しいと思うんだけどね~、そう、もう完全に「何が起こっているのかわからない」んですよ、私なんか。更新結果を見ても。
くろなが:だけどたとえば、「ルーシーの攻撃! ブレイク! 敵に1000のダメージ!」って出たら、1000のダメージが出てるというのは、
十戸:わかる。
くろなが:わかるでしょ。
十戸:うん。わかるんだけど~。
くろなが:それはたぶん、一定のところでわかんなくなるんじゃないかな?
十戸:そうそう、それはそう。
ていうかね、要するにその、何が起こっているのか自体はまあ、読めばわかるんですよ。ただそのターンが、こう終わって、「いまこの状態だよ」って出て、次に行ったりするともうわかんないんですね。
くろなが:なるほどね。じゃあ……流れのなかでその行動がどういう意味合いを持っているかとかも、わかんない?
十戸:てかね、たぶんね、長すぎるんだと思うんだけど……。
くろなが:ああ~。なるほどね。
十戸:すごく難しい本を読んでるときとかってさ、ないですか?
こう、一文を読んでいて、一行を読み終わってよし、わかった! って思って、でも前の行のことはもう忘れた……みたいな。
くろなが:なるほどね……。それはわかるような気がする。
十戸:で、それで何回か読むんだけれども、こう……なんていうのかな。
そのすごく難しい本ていうのは、同じ日本語だから、ずっと読んでればわかるんだけど、定期更新の更新結果って、セリフは飛んでるわ、ダメージの数はバーンと出るわ、数字とか横文字があるわで、なんかわかんなくなるんですよ、さらに。
くろなが:まあ、そのわかんなくなる原因って私はたぶん二つあると思っていて。りすゲーに限って話すけれども、ひとつは、ターン終了時に戦闘離脱すること。
十戸:あ~はいはいはい。そうね、そうね……それもわからん。
くろなが:もうひとつは、ダメージや回復が起こったことによって、HPがいまどのくらいの値になったかというのが、わからないということ。
十戸:うん。
くろなが:「1000のダメージ!」って出るけど、その1000のダメージが出てけっきょくどうなったんだ、ってことが、頭のなかに情報がないとわかんないっていう問題があると思う。
これが仮に、ダメージが出るたびにゲージが減っていったりしたら、それはわかりやすい。
十戸:ああ~、それはすごくわかりやすい気がする。
くろなが:ただそれってもちろん表示がごちゃごちゃするから、どういうふうにその表示をコントロールするか、みたいな問題はあるけど。
十戸:うん。それって数値のわかりやすさだけで、何も根本のわかりやすさは解決してないですからね(※わかりにくさにひとつずつ対応していくと、そういうゲージだけで画面が埋まっちゃって大変だよねということが言いたかった)。
■戦闘設定は「起承転結」をつくる
くろなが:で、いま十戸さんがけっこう本質的なことを言ってくれたんですけれども……どういうことかっていうと、戦闘には流れがあるんですね。で、戦闘設定というのはその流れを作る作業なわけです。
たとえば、ここで有効な打撃を打って、ここで相手のHPを減らし、で、ここの相手の打撃をこの回復で回収し、みたいな。そういう、大きな流れというものがある。で、戦闘設定というのは、戦闘の流れをデザインするものなんですね。
十戸:私ね。
くろなが:うん。
十戸:まあいいや。
くろなが:なんだい?
十戸:あの~いや、あんまりこういうこと言うべきではないから……。
くろなが:うん?
十戸:私ね……いまね、あの~買ってきて用意したさくらんぼのショートケーキがね、じつはさくらんぼが載ってるのが上だけでね、なかに挟まってるのはイチゴだったことに気がついてショックを受けてね、半分くらい聞き逃してしまった……。
フフフッ……。
くろなが:うん。そうか。……。
そうか、それはショックだよね。それはショックだ、しょうがない。
十戸:うん……。はあ……。
ぜんぜんさくらんぼじゃなかった……。
くろなが:さくらんぼじゃなかったか~。さくらんぼだったの上だけだったか~。
十戸:上だけだった……書いといてほしかった……。
くろなが:……「さくらんぼは上だけです。なかはイチゴです」って?
十戸:うん……。
くろなが:そうか……書かないと思うけどな……。
それで、話をちょっと戻すと。え~と、強い人が組む戦闘設定というものは――これ、大事な話ですよ――強い人が組む戦闘設定というのは、その戦闘の「起承転結」を作ります。
戦闘がどういうふうに動いて、どこで盛り上がって、どこで展開して、どういうふうに終わるか。強い人が作る戦闘設定には、必ず「入口」があり「盛り上がるところ」があり、「出口」があります。
そういうストーリーを作る戦闘設定っていうのが、上級者のやり方です。
ただ、これは、難しすぎるので、やりません。今回は、これは取り扱いません。
十戸:かっこいいのになあ~。
くろなが:かっこいいかも知れないけど……
十戸:かっこいいことは一朝一夕にはできねえってことだな。
くろなが:それをやるには、戦闘がどういうふうに展開するのかっていうのを、相手のデータを全部見て、自分のデータも全部見て、ちゃんと把握しないとならない。データがこうで、じゃあたぶんこうなるからこうなって、ここでこうやって勝って終わりだな、っていうのを作ることになる。
これは、一定以上うまいプレイヤーはみんなやってます……あ、でも、そういうの考えない人っていうのは、まあ……
十戸:ああ、そう、意識しないでそれをやってる人ってのはもちろんいる……。
くろなが:うん、いるとは思う。ただまあ、たぶん、プレイヤーの……20%くらいはやってるんじゃないかな? ストーリーを作る戦闘設定。起承転結がある設定。で、そこに、出口がある。出口のない戦闘設定はない。出口のない戦闘設定を作ると、引き分けになります。
展開……というか、ずっと続いていくことだけを作りこむ、考える戦闘設定を作ると、いまのイバラシティは防御力が高めなので、引き分けになります。
十戸:あ~、「結」が大事? 「転」と「結」が大事?
くろなが:う~んと、「転」と「結」も大事だけども、まあ「起」も大事。
十戸:あ、そっかそっか。
くろなが:それはまあ、場合による。「起承転結」自体をすごく頭のほうに持ってくる戦い方もあるし。
十戸:はい。なるほどな~。
■意味のある行動と意味のない行動
くろなが:まあ、ただそれはちょっと上級者向けの話なので。
十戸:うん。
くろなが:今回やろうと思ってる話っていうのは、とりあえず、長いターン動き続けて、
十戸:うん。
くろなが:意味のある行動をとり続けるということ。
十戸:はい。
くろなが:戦闘設定で大事なのは、「意味のない行動をとらないこと」。
十戸:うん。フフフフフフ。
あのね、あのね~くろながさんと更新結果見てるとねえ、けっこうその、自分たち側がやってしまった手番に対して、「これはあまり意味のないことでしたね……」とかね、「これはあまり意味がありませんね」っていうことをね、よく言うんですよ。
くろなが:「意味のない行動をする」というのは、すごいロスなんですね。
とはいえ、こう、あえて置いとく意味のない行動……「こう来たときに事故を回避するために、意味がないかも知れんけど一応置いとこう」みたいな、意味のない行動もあるんだけれども。
十戸:今回(※第11回更新)の決闘でめちゃくちゃ言ってた(※「意味のない行動ですね」をという意味)。
くろなが:まあ、世の中には本当に意味のない行動もあります。……そうだな……ずっと罠を置き続けるとか……
十戸:わはははは。
くろなが:はははは。まあ、いろいろあるけれども、たとえばHPが100%のときにヒールしちゃったら意味ないですよね。
十戸:うん。
くろなが:そういう、意味のない行動をなくしていくことが大事。まあ、それはけっきょく、難しいんですけれどもね。
十戸:うん。まあ、意味があると思ってやっても、結果的に意味がないことになっちゃったこととかっていうのは、もちろんあるしね。
くろなが:うんうん。ま、今回の「戦闘設定講座超入門編」の目標は、
十戸:はいっ。
くろなが:30ターン……あの~、まあ30ターンとは言わないけども、自分が生きて動いているターン、意味のある行動をとり続けることです。
十戸:はい。
くろなが:で、PT全体のものを考えるととっても大変なので、とりあえず自分の手元で自分の戦闘設定を考える、ということを、やっていきます。
十戸:はい。
■戦闘の勝敗を決めるのは……
くろなが:……で、あと、すごく大事な大前提。
戦闘の勝敗を決めるのは……戦闘設定ではなくて、まず装備です。
十戸:うん。
くろなが:装備が整っているかどうかが、戦闘の大部分を決めます。
なぜかというと、このイバラシティというゲームは、キャラクター自身の性能がほとんどみんな横並びなんですね。
もちろんスタイルによって多少凸凹はできるけれども、誰のほうが誰より能力値が高い、ということは原則的として、ない。その差を作るのは装備だけ。
十戸:あ~そう、そうですね。だから(※装備が、キャラクター自身に)くっつける要素ってことね。
くろなが:そうそうそうそう。まあ、もちろんそのスタイル同士の相性差とかはあるけれども、基本的に、装備が整っている……というか、ちゃんとした装備を作ってるほうが勝ちます。それがすごく大事なんですね。……それはまた別の話なので、また別の機会に話しますけれども。
十戸:うん? あれは言わないの?
くろなが:どれ?
十戸:あの~、付加をかためるって話。
くろなが:ああ、そうそう、まあじゃあ、それを軽く……。
十戸:それはだってすぐ終わるじゃん。
くろなが:じゃあ、すごく簡単に話をすると、強い装備っていうのははたしてどんな装備か? というと……「同じ付加がかたまりまくっている装備」です。同じ付加をたくさんかためていれば、強いです。
「攻撃/攻撃/攻撃/攻撃/攻撃」みたいな、全身攻撃マンがいたら、「うわ、こいつやだな!」って思います。
十戸:フフフフッ。全身自滅マン……(※Discordの、ほかの人のテキストでの発言を見て)。
くろなが:全身自滅マンがいたら、なんか……「こいつ大丈夫かな……?」と。
十戸:わっはっはっは。
くろなが:それはそれで、すごいけどね?
十戸:心配になる……。だって、それもう完全にわかってないとやらんくない?
くろなが:うん……あのね、全身幸運マンもね、意外と強いです(※と、配信時は言いましたが、ちゃんとした根拠をもっているわけではなく、肌感覚です)。
あの……私がさっき言った、全身同じ付加でかためる、できるだけ同じ付加でかためるっていうのは、「戦闘値を上げる付加」のことだと思ってください。攻撃とか、敏捷とか、あるいは、回復とか。
十戸:うん、だから、上げるやつね。
くろなが:そうそう。だから、全身に地撃を装備しても、弱いです。
十戸:フハハハハ。
くろなが:全身に火撃を装備しても、弱いです! それはちょっと……あっでも、全身闇纏マンは強いですよ(※Discordのほかの人の発言を見て)。全身器用マンも強いです。
十戸:あのさ、なんかこのさ、ダメなやつ探しみたいなさ、……。
くろなが:フフフフフ……。
十戸:いけるやつ探しみたいなさ……あはははは。
くろなが:ただ現実的な問題として、ほんとに全身が攻撃になったり、全身が体力になったりすることは、人間できないので、どっかしらで妥協は生まれます。ただこう、バラバラに、攻撃/防御/敏捷/器用/幸運/体力/活力/回復……ぜんぶ揃えたぜ! みたいな装備は、弱いということです。
はっきり言って、弱いです。
なぜならそれは、役を持っていないから。何をしたいのかわからないから。
十戸:ああ、その役を持つっていうのが大事なんですね。
くろなが:あ、そう、役を持つのが大事です。なぜなら、
十戸:あ、そっかそっかそっか。あの~、それはもう上級者の話だから忘れましょう、って話だったけど、最終的にはストーリーを作れるようになるわけだから、配役が必要ってこと?
くろなが:そう! その通りです。素晴らしい。完璧!
十戸:だから、舞台に役者をちゃんと上げないといけない、ってことですよね。
くろなが:そうそうそうそう。
十戸:だから、木の役の人が4人いても、森しかできない、ってことですよね?
くろなが:そうそう、そういうこと。そういうことです。そこでできるのは「森」というストーリーだから、敵は森に迷いこんで終わるのだが……その物語に勝利はない。
十戸:森に迷いこんで終わる。
くろなが:いや、そのね~……十戸さんがいま言ってることは、非常に本質的で、要するに、全身活力の人がズラッと並んで、「さあ、かかってこい!」って言って、目指す戦闘のプランって引き分けなんですよ。
十戸:フフッ、うん。
くろなが:そういうこと。
十戸:はい。はいはいはい……。
くろなが:そういうことなんですね。え〜、全身かためるのが大事。……活力と体力っていうのはまたちょっと特殊な感じなんですけれども。かためたいのは攻撃か、器用ですね。与ダメージに関わるものは、全身かためたほうがいい。
十戸:うんうん、うん。
くろなが:なぜそうなるかっていうと、相手のHPをゼロにすることなく終わる戦闘というのは、ないから。
十戸:うんうん。
くろなが:すべての戦闘は、必ず攻撃で終わります。
十戸:うん。
くろなが:ま、それは、そもそも大前提の話であり、戦闘設定とはまたちょっと違うところの話。
十戸:はいはい、はい。だっていまは装備の話ですからね。
くろなが:そうそう。改めて整理すると、戦闘に勝つか勝たないかは、装備によって決まるっていうこと。
十戸:はい。はい。
くろなが:で、この装備を作るときのコツは、とにかく同じ付加をそろえる。同じ戦闘値を上げる付加をそろえる。
十戸:ようするに……戦士になりたいんだったら、戦士になりきる! っていうことですよね。
くろなが:そうそうそう! そういうこと。そういうことです。素晴らしい! その人がどういうキャラクターかっていうのは、「どんな付加を持っているか」で決まります。
十戸:なるほどな~、ロールプレイですね。
くろなが:そう! それがロールプレイングゲームということなんです。
十戸:な~るほどなあ~~~!!!
くろなが:そもそも、ロールプレイングゲームって単に「ごっこ遊び」じゃないからね。
十戸:うん。
くろなが:「きみは回復する」とか、「きみは攻撃をする」とか。それこそがロールプレイングなんです。
十戸:ロール(=役割)だからね。
くろなが:そうそう。役割をプレイするということなんですね。
十戸:なるほどねえ~~~! それねえ、でもねえ、やっぱりね、そういう話をしないと、私のようなルールブックが読めない人間は、(※戦闘とか)できないと思う。
くろなが:フッフッフッフッフ。
十戸:フフフフフ……。
私ね~、ルールブックが読めないんですよ。
あの、読めないっていうのは、読まない、ということではなくて、読んでるんだけれども、あの~読解できないんですね。
だから5回くらい読むんですけど(※読めないので何度も読んでいるのだ)、「何もわからなかったな……」と思って、毎回終わるんです。
フッフッフッフ……。
くろなが:……なるほど……。
まあ、そういう感じなんですねえ~。だからその、装備を整えるっていうのは、役割を作るっていうこと。で、これがほかのゲームであれば、たとえば体力を成長させるだとか、腕力を成長させるだとか。そういう能力値の成長によって「そのキャラクターがどういうキャラクターなのか」という役割を作っていくんですが、イバラシティには能力値というものが存在しないので、どんな付加を集めるかによって役割を得ることになります。
つまり、自分がどんな人間かということは、どんな装備を持っているかということで決まってくる、というわけです。
そもそも黎明期のRPGの「ロールプレイング」っていうのは、クラスの分担ですからね。
十戸:なるほどなあ~……。
くろなが:ごっこ遊びっていうのは、ロールプレイという言葉に、すごく近年になって加わってきた文脈ですね。
十戸:はい。
くろなが:……まあ、今やロールプレイにはどっちの意味もあるから、難しいとこなんですけれど。
十戸:まあ、そうですね。
くろなが:まあその、「戦闘のなかで役割を持つ」ということ。「その役割は付加によって定まる」ということ。
十戸:はい。
くろなが:で、え~っと、……本題に入ります!
(後編に続きます!)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?