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【Agend(アジェンド)】やり尽くされたインタビューコンテンツに風穴を開ける!

「コンテンツマーケティング・グランプリ2023」
【奨励賞】
Agend/株式会社x491

ライターとしてインタビュー記事に長らく携わってきた私でも、これには驚かされました。

読み込んでいくと今まで知っていたインタビューコンテンツとはひと味もふた味も違うオウンドメディアだったのです。
 
【奨励賞】受賞 おめでとうございます!


コンテンツマーケティング・グランプリとは?


日本国内のチャレンジングな企業・団体のオウンドメディアを、広く伝え、称えることが目的である「コンテンツマーケティング・グランプリ」。


この日本で唯一の、コンテンツマーケティング専門のグランプリは、2021年度から始まり、今回が3回目となります。記事サイトに限らず、動画・音声・紙メディアなども含めた、自社媒体・自社オリジナルコンテンツでの取組全般が対象です。


そして今回、2024年3月29日に、2023年度の受賞作品が発表となりました!


この記事では、受賞作品を企画・運営されている企業のご担当者にお伺いした話を元に、受賞作品の見どころ、特長をご紹介いたします。


ノリと空気感を活かすインタビュー記事


一般的には、「インタビュー記事なんてどれも同じだろう」と思われている節がありますが、インタビューする人(インタビュアー)とインタビューされる人(インタビューイ)がそれぞれ変わるだけで全然違う記事になるのは読者の皆さんもご存知の通り。


なおかつ、それは媒体によっても、媒体を発信する業界によっても、インタビュー記事のつくりはガラッと変わってくるのです。


Webメディア「Agend」は、2023年3月にスタートしました。
「会議やチームコミュニケーションを考える仕事メディア」として、業界の著名人・専門家のインタビューコンテンツが並びます。


一見すると「ありがちなインタビュー記事?」と思われるかもしれません。いえいえ、ちゃんと読み込んでください。

https://agend.jp/media/pm-hashimoto/



そこには、「Agend」の編集長であるフジイユウジさんのこだわりがあるのです。

こだわりというか「生っぽい情報を出す」っていうのが一番気をつけているところですかね。

編集しすぎない。もちろん、発言そのままで編集しないと読める内容にはなりませんけど。

でも、一緒にやってくれているライターの奥川さんには、「コレ、録音されたまま出してください。例えば『〜っすね』と言ってたら、そのままの語尾にしてください」とお願いしています。

(Agend編集長  フジイユウジさん)

先ほど、「インタビュー記事は媒体によっても、媒体を発信する業界によっても、インタビュー記事のつくりはガラッと変わってくる」と申し上げたのはココです。


まずインターネットでも、出版業界の媒体でもターゲットが存在します。


出版業界での商業誌(=雑誌)の場合、読者(=ターゲット)は性別・年齢層・職業や趣味などで細分化されているので、インタビュー時に聞いた言葉はターゲットに合うように変換されます。

つまり、わかりやすく、通じやすい、共感しやすい言葉にしていくのです。それは、「やらせ」ではなく「演出」でもなく「編集」なのです。雑誌によっての「統一用語」もちゃんとあります。


例えば、私が以前携わっていた頃の「SPA!」(扶桑社)のインタビュアーや筆者の第一人称は「ボク」「ボクら」でした。

筆者の性別関係なく、漢字でも平仮名でもなく、カタカナです。この雑誌の当時のターゲットは、若いサラリーマンだったからです。


私は長年、エンタメ誌やアイドル誌で若手芸人のインタビュー記事を専門的にやっていました。

若手芸人はほとんどが売れていない「半分素人」状態ですから、インタビューに慣れていません。喋り言葉を原稿に整え、かつ、「ノリ」「ライブ感」「空気感」を出すのが大変で、一番の修業になりました。だから、あえて語尾もそのままにします。


お堅い経済界の方々のインタビューもまた逆の意味で大変です。
経営者、実業家、ビジネスマンのインタビューは、喋り言葉をそのまま掲載してはいけません。

どちらかというと、真面目に堅く、理路整然と誠実にまとめていきながら個性を出すというやり方がほとんどです。「プレジデント」「経済界」で、ティーンズ誌の文体・語尾は使えませんから。


そんな、ありがちとも思えるインタビュー記事の常識にフジイユウジさんは、闘いを挑んでいるようにお見受けしました。

僕も、自分がインタビューされる側だった頃、「絶対こんな言い方しないんだけど」みたいな文章に直されて結構不満だったので、「そのまま載るみたいな感じにしたいな」っていうのは大事にしてます。

読者もそのノリの方がおもしろいんじゃないかな。

僕個人としては、読み手として「丸められた情報」っておもしろいと思っていないところもあります。あんまり「正しい日本語・正しい表現っていうのを大事にしない」ということを大事にしていますね。

(Agend編集長  フジイユウジさん)

インタビューされる立場のこともわかったうえで、読者が求めているものも叶えていく。さらに、他のインタビューコンテンツとも差別化を図っていく。

このフジイさんならではの独自の視点が、コンテンツマーケティング・グランプリでの高い評価につながったのだと思います。


https://agend.jp/media/kurashicom-aoki-sato/


「僕、友だちに“よく喋るコミュ障”として知られています」


私は以前、「放送ライター講座」(藤井青銅プロデュース/ラジオたんぱ主催)で6年間講師を務め、インタビュー記事や紹介文の書き方などを教えていたことがあります。

そこでよく言っていたのが「YESかNOで答えられる質問で終わるな」という話。アンケートのようなQ&A形式のインタビューは、あまり意味がないと個人的に思っています。


「Agend」はアンケートどころか、もうすでに「対談」記事です。
フジイユウジさんはインタビューという枠も超えた新たなコミュニケーションを生み出していると思うのです。


そんなフジイさんの、「Agend」を続けるモチベーションはどんなところにあるのでしょう。

「ココすごい勉強になった!」とか「コレうちのチームでもやろう!」って読者の方に反応してもらうのが、なによりも一番のモチベーションですね。

それから、これは「Agendをなんでやっているのか?」という理由であり、持ちネタなんですが、僕めちゃくちゃコミュニケーション下手なんですよ。

こんなふうにペラペラ喋ってるから知り合ったばかりの人は「フジイさん、コミュニケーション得意じゃない?」ってよく言われるんですけど…。

僕、友だちに「よく喋るコミュ障」として知られています(笑)

(Agend編集長  フジイユウジさん)

その感覚はよくわかります!

なぜならコンテンツマーケティング・グランプリ受賞パーティーでお見かけしたフジイユウジさんは「人前で、それも大勢の知らない人の前で大きな声で喋れる人」だったからです。あと、私もそうだから共感できます。


インタビューでは、言っちゃいけないことをすぐ言っちゃうし、喋り過ぎちゃうんですけど、「自分が勉強したい」っていう気持ちがあるんです。

アナグラムの阿部さん※と話した時もついつい組織論を喋っちゃうんですけど、できるだけ組織論じゃなくて具体的なコミュニケーションの話をしたいんです。

「そうやって人と接すればいいんだ!」っていう人の心を得ていくための学びがあることが、「Agend」を運営するモチベーションになっていますね。

※ アナグラムの阿部さん(ただの「雑談」「飲み会」では、求める社内コミュニケーションは生み出せないと思った―アナグラム代表・阿部圭司さんインタビュー

(Agend編集長  フジイユウジさん)

https://agend.jp/media/anagrams-abe/


フジイさんご自身が学び、ある意味、楽しみながらつくり続けている「Agend」。文章からもご自身が「聞きたいことがある」という想いが伝わってくる気がします。

「結構ぐいぐい行きますよね」とか「コレ、フジイさんがツッコむところがおもしろいですよね」って言ってもらってます。

相手にただ喋ってもらうんだったらおもしろくない。
「他のメディアでも話した同じ話してるな」「相手のしたい話をしてもらうのではなく、もっと面白いところを引き出せないかな」って。

だから、僕は僕が聞きたいことを聞いてるみたいなところはあります。

(Agend編集長  フジイユウジさん)

一般的なインタビュアーやライターは黒子である必要があるといいますが、フジイさんのやり方は、それとはかなり違うようです。

名の通ったインタビュアーやある程度キャラクターがある人でないと、こうはいきません。素人が簡単にマネしても上手くいかないでしょう。業界に精通し、経験豊富なフジイさんだからできることです。


実は「Agend」のインタビューの流れが少し変わってるんですが、一つのインタビューを前半戦と後半戦と呼んで、分けているんです。

前半戦は、ライターの奥川さんにごく一般的な内容のインタビューをしてもらうんです。

僕はそれを聞いています。実は本番は後半戦で、初めて僕のターンなんです。

「さっきはこう言ってましたけど、実はこういう疑問があるんですが」って深掘りの後半戦(笑)。もちろん、記事にする時には喋ったままというわけじゃなくちゃんと「編集」していきます。

(Agend編集長  フジイユウジさん)

なるほど。
そうなるともうパーフェクトなインタビュー記事のできあがりです。


誰が聞いても同じとか、どこかで見たような記事とはほど遠い、フジイユウジさん以外は聞き出せない内容のWebメディアなんだと思います。

実は今、インタビュー相手が弾切れしてまして(笑)。

組織論を語れる経営者はいても、仕事のチームコミュニケーションをテーマに学びがあるような内容を語れる人ってなかなか見つからないんですよ。

「Agend」を読んでみて、「この人どうですか」「この人の話を聞いてください」っていう人物を紹介してください。よろしくお願いします。

(Agend編集長  フジイユウジさん)

あなたもぜひともフジイさんの「Agend」砲!を受けてみてください。




「コンテンツマーケティング・グランプリ2023」公式サイト

応募はオウンドメディアの運営当事者による自薦、当事者以外の他薦のいずれでも応募可能。今回の選考対象は、2023年11月までに公開された、企業・団体・個人が運営する、「マーケティング(集客・育成・成約)」「ブランディング(広報)」「人材採用」「社内教育・社内報」などを目的とするオウンドメディア、または、SNSの企業ページ/アカウント/チャネル(応募〆切は2023年12月31日)。

今回は50件を超えるご応募がありました。皆様、ご応募ありがとうございました。その中からアンバサダーの方々による投票と、審査委員による厳正な審査を合わせて、各部門のトップ評価となったグランプリと、グランプリに次ぐ優秀賞、奨励賞を選考いたしました。

主催:
Content Marketing Academy
オウンドメディア勉強会


執筆:魚住 陽向
(うおずみ ひなた)
フリーランス/編集者、文筆家(小説家)
■出版・編集者&ライター:女性マンガ誌の編集者、「SPA!」(扶桑社)や情報誌ライター、お笑い芸人専門雑誌の編集&ライターなどを経験。企画・編集:書籍『あなたに伝えたい気持ち』(J-WAVE/光文社・知恵の森文庫)、『若手芸人パーフェクトカタログ』(廣済堂出版)■[インターネット]●「アークのブログ」(オウンドメディア)●「ARKadia」(インバウンドサイト)■[小説]●電子書籍『天然オヤジ記念物 江戸前不始末』(新潮社 第3回新潮エンターテインメント大賞 最終選考作品)
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編集・インタビュー:Content Marketing Academy 村上 健太

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