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【車両紹介】 オハフ25-900(夢空間ラウンジカー / JR東日本)

言わずとしれた北斗星の夢空間車両のロビーカー、その名も「クリスタルラウンジ・スプレモ」です。最後に新製された24系25型客車3両のうちの1両で、オハフ25-901の1両のみが在籍していました。
1両丸ごとロビーなのはもちろんのこと、自動演奏ピアノが設置されていたり中央のカウンターでは飲料の提供も行っていたようです。

夢空間の3両は3つのデパートがそれぞれの車両の内装を担当しており、ラウンジカーは製造を富士重工業が、内装を松屋(百貨店)が担当しました。


ラウンジカー「クリスタルラウンジ・スプレモ」・JR東日本(車番:901)

外観の特徴

外装色のベースはえんじ色、窓周囲はアイボリー、窓枠は金色となっていました。この車両はオリエントエクスプレスの影響を色濃く受けており、結構ロイヤルな感じの雰囲気の落ち着いたデザインになっていました。

オハフ25-901の寝台側。窓配置は通常の24系と同じ感じだが通路のステンドグラスやデッキ位置が異なる

丸窓にはステンドグラス風の装飾が施されていて、廊下側に1つ、トイレ・洗面台に2つ設置されていました。そのほかの窓間隔、大きさは他の24系客車と同じような感じになっています。

通路側には丸窓のステンドグラスが2つあった

車内の特徴

全体的にアールヌーボー調の内装となっており、ゴールドをふんだんにあしらっていたのが特徴です。木製を基調としていて、ラウンジの中央には半円のカウンターが、その隣には自動演奏ピアノが設置されていました。カウンターの天井には半円状の装飾が施されていて、ワイングラス等をぶら下げて収納できるようになっており、雰囲気の良いバーのような感じだったようです。

車両中央には半円のカウンターやピアノがあった。ダイニングカー側の車両端には電話ボックスが設置されていた

ソファは大型のもので1テーブルに向き合う形で2脚ずつ配置されていました。床にはカーペットが敷かれ、窓にはレースカーテンと両開きの内ガラス戸が設置されていました。
なお、壁面やじゅうたんにあしらわれている花の絵柄は、すべて東北本線沿線の市花(市を代表する花)だったそうです。どうりですごい種類の花の絵があると思いました。

窓の内側にも両開きの内ガラス戸があった

トイレは1つで、デッキとロビーの間に設置されており、トイレ室内に洗面台があってそのさらに奥の部屋にトイレがある、という配置でした。

入ってすぐに洗面台が、その奥(写真手前)にトイレがあった

また、ラウンジカーのデッキは通常の寝台客車のデッキとは反対側の車両端に設けられており、基本的にはこちらから乗降していたようです。近くに配電盤と車掌室もありました。

デッキと通路は寄木的な木の模様が入った床だった。車両端に車掌室が設置されていた

通路はダイニングカー側は広い廊下になっていて、そのまま1号車のダイニングカーに繋がっていました。反対側は通常幅の通路になっていて、3号車のデラックススリーパーにつながっていました。

ダイニングカー側の通路はとても広かった。このためにデッキを逆に設置したのかもしれない

模型化の状況

Nゲージでは、Tomixとマイクロエースから発売されています。
詳細についてはデラックススリーパーの車両説明に記載していますのでそちらをご参照ください。
ラウンジカーは中古でたまに単品売りされているのを見かけますが、価格は高くも安くもないという感じです。3両無いと成り立たないというのも大きいかと思います。夢空間3両をセットにしたばら売りよりも1両当たりで比較した時の価格が高いので、ちょっと高いとみてもいいのかもしれませんが。。

オハフ25-901 ★特定車番

オハフ25-901の全景

92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
エンジ色の車体とラウンジの豪華な室内、設備を再現。

実車の状況

運用としては、1989年に開催された横浜博覧会(YES'89)の開催に合わせて公開され、その後も海浜幕張など各地での展示を経て「北斗星トマムスキー」として他2両の夢空間車両と一緒に組み込まれて1991年3月から運行を開始しました。
その後も「夢空間北斗星」や「夢空間北斗星ニセコ」など、北斗星の臨時列車として多く運用された他、北海道の様々な線区に入る臨時列車に組み込まれたり、はたまた関西方面や九州は門司港まで足を伸ばしたこともあったようです。
日本の各地を走った夢空間ですが、北斗星が1往復になる2008年に運用を離脱し、2009年に廃車となりました。

▼実車データ
オハフ25-901:1989.3.20落成、2009.6.3廃車。

車両は引退後、ダイニングカーと共に埼玉県三郷市のららぽーと新三郷に静態展示されています。ダイニングカーと違って、休憩スペースとして立ち入ることも可能なようです。いつか訪れてみたいです。

実車訪問

2024年2月、ついに実車とご対面してきました。ダイニングカーとは違い、ラウンジカーは車内も見学できるのでとても楽しかったです。人が写った写真を除くと少し足りなくなりましたが、資料として残しておきたいと思います。

こちらのラウンジカーも、ららぽーと新三郷へ来てから15年になりますので、各所の劣化が激しかったです。そろそろ外装含めて整備してもらえると嬉しいですね。

新三郷の駅から来ると最初に見えるのがラウンジカー
自分が再現した内装が眼の前にあって感動しました
写真で見るよりもより表情を見ることができました
洗面台も当時のままのようで感激です。トイレの中も見たかった…
バーカウンターもワイングラスとかぶら下がっているとより凄かったんでしょうね。
せっかくなので、持ってきた夢空間3両を並べて写真を撮ってみました。すごく良い…
電話ボックスもそのまま
鏡越しのバーカウンター。鏡のデザインも豪華でいいですね
なかなか資料がなかった車掌室も想像していたのに近くてびっくり。
道路側の痛みが凄いです
洗面室とトイレの部分もかなり塗装が劣化してました
中央のロゴ部分もかなりサビが出てます
最後に模型と2ショット

ダイニングカーもなかなか劣化していましたが、ラウンジカーの劣化もなかなかでした。個人的には、今回一番見てみたかったカーペットと壁面の花の絵は撤去されていたのが残念でした。カーペットだとすぐ禿げそうですし仕方ありませんが…
車掌室は道路側ももっと見てみたかったですが、デッキ側は見ることができたのがとても有意義でした。

夢空間車両もあとは木場のアタゴールにあるデラックススリーパーのみとなります。こちらも近々訪問してみたいですね。

夢空間2両が清瀬市中央公園に移設!?

このららぽーと新三郷の敷地内に展示されていた、夢空間の食堂車「オシ25-901とラウンジカー「オハフ25-901」が、東京都清瀬市の「清瀬市中央公園」へ移設される計画が進んでいるとのことです!かなりぼろぼろになってしまっていたので行く末が気になっていましたが、移設に伴って各所が営業運転時の仕様に近くなるように改修もされるようなので、とても嬉しいです。

上記ページにある、「3.鉄道車両改修・搬出入・説明」の資料に細かい情報が記載されています。搬入方法は456ページに、修繕内容は457ページから463ページに記載されています。詳細は、464ページ以降にリストアップされています。

私が新三郷で一番見たかったけどなくなってしまっていた、ラウンジカーにあった地域沿線の花の絵が描かれたというカーペットも再現してくれるようです!ホントスゴい!壁面の花の絵も復元されるかはちょっとわかりませんでした。他にも、展示にあたって張り替えられたり作り変えられたところに関しては、座席や床面、壁面を含めてかなり営業当時の状態を目指して復元するようです。自動演奏ピアノやバーカウンターのワイングラスまで復元するようなので、かなりの本気度が伺えます。
また、ダイニングカーの方は厨房機材を含めて丸ごと入れ替えて当時の状態に復元するようなので、もしかしたらダイニングカーは営業も見据えているのかもしれません。レンジヒーター、フライヤー、冷蔵庫、製氷機など丸ごと新機材を入れるようです。
470ページ以降には、どこをどう修繕するかを図面で示しているので、よりイメージしやすくなるかと思います。これは見たほうが早いので、資料をご参考ください。各種表記類の復元だけでなく、正直、そこまでやるのか!?というぐらい細かく復元するようで、資料としても圧巻です。

また、資料中には「クラウドファウンディング」という文字もあることから、クラウドファウンディングを通じた寄付も活用しつつ、埼玉県三郷市から東京都清瀬市への移送、並びに車両の修繕が行われるということになるみたいです。
移送は2024年10月から11月の深夜、その後12月から6ヶ月かけて車両修繕を行い、2025年5月から車両内部の改修やホームや上屋の整備を5ヶ月かけて行い、2025年10月末に終わるスケジュールのようです。いつから公開されるかは記載がないのでわかりませんでした。

早くきれいになった夢空間を見てみたいものです。クラファンもちょっと気になるので、しばらくウォッチしたいと思います。

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オハフ25-901を組み込んだ編成の紹介

整備記録

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