【車両紹介】オシ25-900（夢空間ダイニングカー / JR東日本）

2023年5月9日 19:18

言わずとしれた北斗星の夢空間車両の食堂車、その名もダイニングカーです。オシ25-901の1両のみが在籍していました。
車両端が食堂になっており、窓も大きくとても眺望が良い食堂車でした。
夢空間の3両は3つのデパートがそれぞれの車両の内装を担当しており、ダイニングカーは製造を東急車輛が、内装を東急百貨店が担当しました。

食堂車「ダイニングカー」・JR東日本（車番：901）

外観の特徴

濃い青の車体が主流だった寝台特急にしては珍しく、緑色の車体に金色の帯が巻かれていました。

何と言っても大きな展望窓が特徴で、柱部分を極力細くして角の部分にはカーブした窓を嵌めることで眺望を良くしていました。ワイパーは初期は片側だけでしたが、途中でもう1つ追加されて2つになっています。ダイニングの窓も展望窓から続いて縦横の広い大窓になっていて、どこの座席からも眺望が良くなっていました。

車両後部には厨房があり、通路側の窓はダイニングまではスシと同じような高い窓が続いていました。また、通り抜けできる車両ではないからか、奥から2つ目と3つ目のテーブルの間の柱には非常口と思われるハッチがついていました。

車内の特徴

パリのビストロをイメージしたポストモダン調のインテリアで、白を基調としてゴールドをふんだんに使用したとても豪華絢爛な内装になっていました。車内や調度品にも金色の装飾が多く、かなりゴージャスな感じになっていました。

椅子や柱、天井の照明の装飾などに金色の装飾が多く使われていてとにかくゴージャスだった

ダイニングは4席のテーブルが3つと2席のテーブルが3つ、4席の個室が1つというゆったりとした作りになっていました。各テーブルの上には大きなシャンデリアを模したような大きな照明が取り付けられており、他の食堂車にはない雰囲気がありました。

模型化の状況

Nゲージでは、Tomixとマイクロエースから発売されています。
詳細についてはデラックススリーパーの車両説明に記載していますのでそちらをご参照ください。
中古では、大体はセットか夢空間3両をまとめた形のバラシで販売されていることが多いです。

オシ25-901 ★特定車番

92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
緑色の車体と大きな展望窓、室内を再現。ワイパーは2つに増設された姿。

実車の状況

運用としては、1989年に開催された横浜博覧会（YES'89）の開催に合わせて公開され、その後も海浜幕張など各地での展示を経て「北斗星トマムスキー」として他2両の夢空間車両と一緒に組み込まれて1991年3月から運行を開始しました。
その後も「夢空間北斗星」や「夢空間北斗星ニセコ」など、北斗星の臨時列車として多く運用された他、北海道の様々な線区に入る臨時列車に組み込まれたり、はたまた関西方面や九州は門司港まで足を伸ばしたこともあったようです。
日本の各地を走った夢空間ですが、北斗星が1往復になる2008年に運用を離脱し、2009年に廃車となりました。

▼実車データ
オシ25-901：1989.3.20落成、2009.6.3廃車。

車両は引退後、ラウンジカーと共に埼玉県三郷市のららぽーと新三郷に静態展示されています。休憩スペースとして立ち入ることができるラウンジカーと違って、ダイニングカーは展示のみで通常は車内に立ち入ることはできません。ラウンジカーと合わせていつか訪れてみたいです。