日本シリーズとワールドシリーズ、各年の日程を比べると
今年は日本シリーズとワールドシリーズが日本時間換算で全く同じ日程になった。現地時間では1日ずれる。つまり、日本に住んでいる人から見て、午前にワールドシリーズ、夜に日本シリーズが行われる日が最大で7日間になる、これを実際に体感するとややこしい。野球ファンとして、2つを同時に追いかける一方、追いかけるものがない日があるのは、忙しい中に暇な日が挟まっている感じなのだ。さらに今年は、ラグビーワールドカップの3位決定戦の日と決勝戦の日まで日本時間で2日重なった。早朝はラグビーワールドカップ→午前はワールドシリーズ→午後はサッカーか競馬→夜は日本シリーズ…忙しい。
今年のような日程のめぐりあわせの年は珍しい。それでは、これまで、日本シリーズとワールドシリーズはどのような日程で行われ、どのような重なり方をしてきたのだろうか。
私なりに取り急ぎ調べてみた。対象は、2009年から2023年まで。2009年からにしたのは、松井秀喜選手の大活躍でヤンキースがワールドシリーズを勝った年というのもあるが、ワールドシリーズの日程の組み方がこれまでと若干変わった年だからである。
この15年間で、日本シリーズが先に開幕したのは4年、ワールドシリーズが先に開幕したのは10年である。2023年の終了日はどちらとも未定であるが、これを除けば、終了日も同じ傾向だ。
2009~2022年間で、日本時間換算で両方のシリーズが同日に行われた最大日数は2014年、2017年の4日である。2023年は既に第5戦以降での決着が決まっているので、雨天や他の不測の事態の影響がない限りは、少なくとも同日開催の日数は5日となり、ここ15年では最多となる。
日本シリーズが後に始まることが多いのは、NPBが特殊事情により日本シリーズを11月に遅らせる年が3年あったからである。東日本大震災の影響で4月中旬に開幕した2011年、コロナ禍で開幕が6月にずれ込んだ2020年、東京オリンピックの中断があった2021年である。MLBでもコロナ禍による影響が2020年にあったが、日程短縮のほか、CDCの勧告でワールドシリーズが11月にずれ込まないようにしたことで違った方向に影響している。
なお、NPBの日本シリーズは土曜に第1戦、日曜に第2戦、次の火~木に3~5戦、次の土日に6~7戦というフォーマットだ。これは雨天順延がない限り昔からずっと踏襲されている。MLBも2008年までは(現地時間で)そのフォーマットだった。したがって、日本時間の土曜日の朝にワールドシリーズが見られることはほとんどなかった(2006年にSTLが日本時間の土曜日にWS制覇を決めたことはあったが、これは雨天順延の影響による例外だ)。私の記憶では、金曜を避けるMLB側の日程設定には、「金曜は外出が多いので視聴率が伸び悩みやすい」というのがあったような気がする。
しかしMLBのフォーマットは2009年に崩れ、平日に開幕日を迎えるようになった。週末のゲームは3~5戦に迎えることが多くなった。その理由として、平日の方が視聴率を取りやすい傾向が出てきたからと記憶している。さらに2009年は、前年が雨天に悩まされたことからポストシーズンの日程に余裕を持たせたことも影響したはずだ。そして今年は、現地時間で金曜第1戦、土曜第2戦の日程。日曜に試合はない。ポストシーズンの日程が増えたこともあり、だんだん曜日を気にしなくなった感じになっている。
2024年以降、ポストシーズン日程と合わせ、日本シリーズやワールドシリーズの日程はどう変わっていくのか?NPBではクライマックスシリーズの存在価値やレギュラーシーズン終了後からの時間の空白の課題も絡んでくるだろう。
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