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【D-Lab.】#005レビュー

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【D-Lab.】
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おおしまやすゆき です。

「D-Lab.」#005の動画を先日投稿させて頂きました。
作業用BGM・BGVとしてよろしければどうぞ。


#005 で何描こう?

#004で 苦手意識と向き合うという具体的な行動に移ることが出来ました。
特に長年苦手意識を持っていた右向きの顔は比較的バランスを取って表現出来た気もしますが、一度描いただけでは長年持ってきた苦手意識は払拭できないですね・・。
右向きの表現はここからしばらく自然にかつ意欲的に取り込んでいってみようと思います。
(下手でも笑ってあげて下さい)

そして、#004でこの苦手意識を克服していくという気持ちがより強くなったことで、他にも自分の弱点はあるので、D-Lab.ではそれらに一度は触れて行って、向き合っていってみたいな、みたいな感情が生まれたんですね。

そんな中前回のレビュー記載時に考えた今回の課題、色んなポーズを描いてみるに予定通り取り組んでみることに。


実際に「使われている」ポーズを描く

色んなポーズを描いてみる、と言ってもちょっと具体性に欠けるので詳細を。

ただ闇雲に色んなポーズを描きたくなったわけではございません。
実際に店舗や街中で手に入れることが出来たり目にする雑誌やフリーペーパー、ポスター、同じく誰もが目に出来るweb媒体には、どのようなカットがどのように使用されていているのか、そこも併せて知りたくなりました。

実際に市場で使用されているカットって、自分にも描けるの?と。

以前の記事で綴ったように、お仕事をお請けしていく中で、地元の企業様からも必要とされるイラストレーターになれたら良いな、みたいなことは現在も考えています。
…が、昨今のウィルス蔓延の状況もあって、これって特に今何も行動できない ⇒ していない状況なんですよね。
ただ今後時世がどうなるかは別として、望んでいることであれば、少なからず動く価値は絶対にあります。
ただし実際にお会いして売り込みをして…というのは状況下的に今はあまり好まれないだろうと。
であれば、せめて自分が「こういう絵どうでしょう、使いたくなりましたか?」と紹介できるものをこの状況を使って作っておく、くらいの準備はできるしするべきかもしれない、と何となく思ったんですね。

そして「こういう絵どうでしょう」の「こういう絵」は、相手が使いたくなるようなものにしておく必要がある、と。
これは今まで例えば売り込み・宣伝用のポートフォリオにしても、あまり自分はその辺り意識出来てはいなかったな、と。
もちろん知識として頭の中にはありましたが、単純に「描けるもの」もとい「好きなもの」の掲載ばかりで、相手のこと、つまり実際使用して下さる方の使用イメージ、市場みたいなものが踏襲出来た作りになっていなかったな、みたいなところまで#004までのD-Lab.がトリガーとなって、改めて感じたのですね。

そこから結構飛躍する解釈かもしれませんが、#005でやりたいことは出来るだけ多くの人が欲しがるものを生産できる能力が欲しい、ということなのかも、と気づいたわけですね。
…いや、これって#005というか「D-Lab.」でやりたいことだし、イラストレーターとしての願望そのものなのかも。

ともすると、現時点での自分では圧倒的に売り込みたい方向への市場調査が足りていない、と。

そこで。
今回は少し絵を描く以外のアクションも入ってきてしまいますが、このように進めてみようと考えました。

・近場でフリーペーパーが置いてありそうな場所へ行く
・カットが多く入っていそうなものを持ち帰る
・掲載されているカットを、できるだけ同じポーズで自分なりにアレンジして描いてみる

かなり実用的なトレーニングではないでしょうか。
でもこれ、イラストレーターになる前も、なった後もやったことがありません。
せっかく普段描かない絵に挑戦する企画ですから、是非ともやってみようと思いました。


持ち帰って来てみたよ

で。
持ち帰って来てみました!

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書店、コンビニ、デパート的な店舗、など回って15冊程フリーペーパーを。地方ですし、ジャンルの偏りは否めませんが、コロナ禍においても割と出回っている印象。

さて、肝心の中身はというと、この時点で想像していた通り「カット」の掲載点数というのは案外少ない、という印象。
いわゆる「フリー素材」のようなものが99%、美容系、保険系、あとカットが使用されているものの表紙は「あ、ちゃんとアーティストに依頼が行って描き下ろされてるな」というものが掲載されているなという感覚でした。

これだけの情報を見ても昨今の日本ではイラストレーターがインフレを起こし溢れている世界だよな、と納得です。


まずは模写してみる

#004 までと同様、それらフリーペーパーに掲載されていたカットを模写してみました。
今まではアニメ・漫画系ばかりでしたが、こういったカット系のシンプルなタッチというのも、普段の業務では全然納品させて頂いています。
なので抵抗なく。

因みに、ポージングとタッチを学ぶという目的の模写であるため、恐らくベクトルデータなのでは?と思しきカットも、今回は全てAdobe Photoshopでフリーハンド描画しております。


基本は「立ち」

ここで気づきが。
いざ模写してみると「色んなポーズ描けるかな」という目標だったにも関わらず、掲載されているカットの殆どが正面向き棒立ちスタイルなのです。

理由は色々ありそうですね、

・掲載するスペースの問題
 ┗ 文字組みをした空きスペースに入れるため
  ・スペース形状の問題:広いスペースはない
  ・文字を読んで欲しい:目立ちすぎはNG

つまり、例えばポートフォリオにおさめておくべきカットとは利便性の高い「正面向き」「立ち」ポーズで大半をしめ、気を衒ったり、特別なシーンを想定したポーズのものをアクセント的に織り交ぜる、くらいが良さそうです。

…ということで結局当初の目標からずれてしまいますが、今回の目標を「ポートフォリオに載せることを目的に、今の画力と知識でカットを再制作」に切り替えました。

まあ、今回このような事実が分かっただけでも。
ポーズを意識したイラストの制作は、次回以降にお預けですね…!



シンプルが故に

観察と制作を進める中でやはり、というべきかカット案件の難しい部分とぶつかります。
「正面立ち」のポーズ、また使用色や線数の少なさ、と言った制限がある中で行わなければならない他者の画風との「差別化」
これがいかに難しいかということです。
業務での長年の制作経験がある身としては正直、表現の方法における制約がかなりあるジャンル、と言えます。

・目:できるだけシンプルに。「点目」もかなり多い
・色使い:1カットの中に4色以上はNGの印象。
・線画:極力シンプルに。数を減らす、省略できるものは無くす or 形状を工夫
・被り:「手に持っているもの」が「後方の体」と被ってしまう場合、デッサンの理論上少しおかしくても、あえて体と被らない方向へ手を曲げ、持っているものを目立たせる

…などなど。

このような制約下で「自分だけの表現」を探すことの難しさ(=楽しさ)はかなり高度なレベルかと思います。
カットのお仕事を受ける前はこういったシンプルな表現=絵が描けない人が請け負う安い案件だと勘違いしていまして、実際そういう側面も持っているのですが、深堀すると、やはり上手なカット、売れているカットには上記のようなところに細心の注意が払われている高度な技術で仕上げられているものが多いんですね。

また、既に市場で使用されているカットの表現が「正解」ではあるので、これ以上の工夫って加えられるのかな、という壁にもぶち当たります。
シンプルな表現程奥が深く難しいですね‥。

そこに今回改めて気づかされました。


#005 カット、カット、カット!

そんなこんなで、制作工程をまとめた動画を作成したので、投稿致しました!

ということで、模写を羅列する形にはなりましたが、使用されているカット達の特徴などを感じ取ることはできました。
またオリジナルの絵柄にも挑戦していますが、それも1種類だけで戦うのはかなり弱く、使われる媒体の雰囲気に応じてクライアントの趣向、おいてはそれを見る方々の趣向も全く変わってしまうので「○○の場合のオリジナルの絵柄」といった感じで「自分の絵柄」は何種類も持っておいてしかり、だと感じました。



配信データ

★今回制作のデータは模写の要素が大きいため、配信は控えさせて頂きます。



最後に

#005に触れて下さった皆様ありがとうございました
イラストレーター歴10年となり、それなりに多岐にわたる表現の案件を請け負わせて頂いて来てはいまして、結果今回はそんな「いつも公表してないけれど描かせて頂いている絵」を垣間見せる形にもなりましたが、カットのようなシンプルな絵柄においてはまだまだ「オリジナル」を生み出せていないな、という反省が残りました。
この辺り、特に地方の中小企業などが欲しがる絵柄かと思いますので、鍛錬を積んで自分のものにしていきたいなというところです。

また、今回はどちらかというと冊子であれば本文中に使用されやすいタッチを研究しました。

ので、次回は「表紙で使っていただけそう」「ポスターで使用されそう」な、いつも通りの手数で描く画風に戻って制作をしてみようと思います。

引き続きひっそりとやっていきますので、気が向いたら覗いてあげて下さい。

では、また次回。

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