移籍してしまったアンス。復活できるのか?

移籍してしまった.....

アンス・ファティがブライトンに移籍してしまった。
クレ、バルセロニスタの誰もが栄光の未来を見続けたかったのだが、彼は違う選択をしてしまった。

ファンとしては悲しい思いが強いが、状況を考えれば最善の選択だったのかも知れない。

アンス・ファティの才能と能力

結論から言うと、アンスは復活する、と言うよりも1ファンとして復活して欲しい!!
才能だけで言えばエムバペクラス。ファンのバイアスじゃねと思われるが、アンスの才能は本物。
マシア育ちだけあり、ベーシックなテクニックのレベルは高く、ポジショニングも、ランニングのタイミング、判断力もベスト。
それに加え、圧倒的な決定力と独特なリズム感のドリブル。

ここぞという場面でゴールを決めてくれるタレント力は今までのマシア育ちとも違う。
かつてボーシャンもスパークラック候補だったが、彼には大事な場面で決めれきれるパーソナリティは持っていなかった。
だからなのか彼はその後、期待だけが空回りして結局数多のクラブを渡り歩くことに(プロとしてプレーし続けるだけでもすごいことなのだが)

ドリブルの秘密

個人的にドリブルは今まで見たことのない晒し方とリズムだった。

メッシのドリブルを見てみるとトン、ト、トン、トン、ト、トン、のリズム。トン、トン、トンの中にト、トン入って来て相手をかわして行くドリブル。マラドーナの映像を見てみるとわかるがメッシのドリブルは神と同じリズムだ。
これはアルゼンチン独特のものかもしれない。

イニエスタはタン、タン、タンと左右に降りながら、相手のバランスが崩れるのを待つスタイル崩れなければコンビネーションやスルーパスに選択を変える中盤の選手らしいドリブル。
似てるのがシルバだがシルバの方が足の裏を使ったりバラエティが多い。これをスピードを保ったままやっていたのがホアキンとヘススナバス。左右のふりをスピードに乗りながらやられるとDFはどこかで足を出さなければ無い、だから抜ける。リズム良く左右に降って行くのはスペイン人によく見られる。

だがアンスのリズムは独特だ。
ギリギリまで見ている気もするが4拍子に3連ぷを混ぜてる印象なのだが、時々そこからも外れて前に持ち出していることもある。
普通だと変な感覚で前に運ぶとバランスが崩れることも多いが、アンスの体はスルスルと前に行く。
変なリズムなのに、全然無理なく抜き去るのだ!映像だけではめちゃくちゃ早い印象を受けないが、たぶんDFからは「あれ、なんでそこにいるの?」って感覚になっていると思う。

これは完全に勝手な考察だが、アフリカの血とスペイン流のドリブルが混じったのがアンスのドリブルでは無いかと思う。
アフリカのリズムにスペインの考え方を混ぜ合わせたスタイルなのかと。

単純な言葉で言えば間の間をつけるのが最大の特徴だと思う。
そしてそれを可能にしているのが柔軟な体とバネだ。

しかしアンスは一番大事な膝を怪我してしまった。
というより潰された。ベティスのアイサ・マンディには恨みを覚えるレベル。

膝の怪我、心のダメージ

膝の怪我は相当かかる。
自分も17歳の時に膝を怪我したのだが結局スピードが戻ったのは24,5ぐらいだった。もちろんアンスとは才能も肉体もの環境も違うのだから、参考にならないかも知れないが聞いて欲しい。

自分はスピード、アジリティ、テクニックが売りの選手でCF,WF,OHでプレーしていた。わかりやすく言えばテベスがロナウジーニョのマネしてるような選手だった。(だいぶ盛ってるが)
膝を怪我した後は明らかにトップスピード、アジリティ共にものすごく下がり、なおかつ他の部位への負担も極端に増えた。なので体のバランスも相当崩れた。正直、膝を治すというよりは作り直すと表現した方が正しいと思う。

今まで使ってた体とは明らかに違う。逆にその後、交わすプレーや相手を騙す事は巧みになったが、ほんとに怪我がなければな...と思うことがある。
下界の庶民ですら酷くメンタルを喰らった怪我なのだが、プロのトップリーグでしかも全世界が羨むビッグクラブでスパープレーを連発していた18歳には、怪我以上にメンタルに受けたダメージは想像を絶すると思う。やっかいなのは最初は「直して復活するぞ」と強いハートで挑めるのだがプレーすればするほど「ほんとに自分の体は戻るのかな?」と不安が積み重なってくる。
それだけ膝の怪我からの復活は難しい。

かつてロナウドも苦しんだ

かつてはロナウドも膝の大怪我を2度やり、怪物じみたスピードは失われてしまった....だがロナウドはトップスピードは戻らなかったが、ポジショニング、テクニック、アジリティ、駆け引きでストライカーの部分ではしっかりと戻ってきた。怪我後の彼が手にしたタイトルをみれば十分復活としたと行って良いレベルだ。

しかもアンスはまだ若い、トップスピードだって節制すればいずれ戻ってくると思う。ロナウドも瞬間的なアジリティに関しては必要十分に戻っていたし、現代の科学力ならより可能性は高い。

最善の選択

冒頭でも書いたが、ブライトンへの移籍は状況を考えれば最善の選択だったのかも知れない。
世界中から目線が送られるバルセロナ、自分を超えていきそうな若いヤマルの台頭、かつての自分と比べられる環境。
最近のアンスは結果を残そうと空回りしている。せっかく戻りつつあったシュートも枠外に飛ばしまくっていて本人もちょっと苦しそうだった。

デ・ゼルビはアンスを使いたいと直接説いたと聞いている。
復活するには何よりプレー時間を確保できなければならない。ずっとベンチで少しの出番だけでは一向に復活できない。
だとすれば一度バルセロナを離れ体を治し試合経験を得る選択は良かったと思う。

左ウィングには三苫もいるからアンスは9番で使われるのではないだろうか? 本人にとってもその方が良いと思う。
ウィングではどうしてもスピードが必要な場面がでてくる。
9番ならポジショニング、駆け引き、アジリティで勝負できしアンスの決定力を活かせる。

そうやって得点感覚を保ったまま、体を戻せば左ウィングにも戻れると思う。たぶん三苫は冬にビッグクラブに行くんじゃ無いだろうか?年俸安すぎるからね....

それにプレミアを経験できるのも良いと思う。プレミアはリーガよりスピード、パワーとフィジカル面で高いレベルにある。
アンスタイプだと真っ向勝負するよりは、より駆け引きやテクニックで相手を困惑する術を高めなければ結果は残せないと思う。

それから一旦過去を忘れるべきだ。賞賛された日々に引きづられてはいずれ心と体がチグハグになり腐ってしまう。
そうなってしまっては悲しすぎる。

あの特大の才能を今後もトップレベルで見ていたい。

帰ってこい

復活するには新しく自分を作り直さなくてはいけない、これは思っている以上にハードな諸行だ。
でも自分はアンスが復活してくれると思っている。エムバペに並べる才能の持ち主だとももう一度いいたい。

帰ってこいアンス!!!!

まとめ

ダラダラな文章になったのでまとめ。

  • アンス・ファティには特大の才能がある

  • 膝の怪我は選手生命を奪う可能性もあるしプレースタイルを変えないといけない場合もある

  • 若いアンスなら肉体も戻ってくる可能性もあるが、それには時間を要する

  • バルセロナではプレッシャーも多く、プレータイムも確保しずらい

  • ブライトンでは監督も欲しがっておりプレータイムはある程度確保できそう

  • 三苫もいるし膝のことを考えるとしばらくは9番のポジションでプレーした方が良いと思う

  • プレミアではより駆け引き、テクニックに磨きをかけなければ活躍はできない。

  • 復活するためにはかなりハードな試練を乗り越えなければいけない。過去の自分とくらべて腐ってしまう可能性もある

  • それでも復活すると信じたい。アンスの可能性をまだまだ見ていたい

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