見出し画像

“楽しくなければテレビじゃない”黄金期のフジテレビ復調の兆し 伝説の深夜番組復活「オールナイトフジコ」個人的感想

 こんにちは!
 暖かな日が続いている今日この頃,皆様いかがお過ごしでしょうか?4月に入り,吉住同好会自体は活動を休止していますが,今回どうしてもnoteの方は気まぐれに更新していければと思っていますので,改めてよろしくお願いします。
 さて,4月から様々な番組がスタートしましたが,今回はその中で僕が今一番面白いと思っている番組について書きたいと思います。その番組というのが「オールナイトフジコ」です。
 毎週金曜日の深夜に2時間生放送されているバラエティ。番組は伝説の深夜番組「オールナイトフジ」の令和版ともいえるもので,フジテレビの社長で同番組のディレクターも務めていた港 浩一さんの“肝いり案件”と言われている番組です。今年2月頃にスポーツ新聞やネットニュースで「『オールナイトフジ』40年ぶりに復活」というニュースが報じられ,驚いた方もいるのではないでしょうか?
 そもそも「オールナイトフジ」という番組の説明を簡単にすると,現役女子大生(番組内ではオールナイターズ等と呼称)が中心となり,その女子大生達と芸能人が深夜に生放送で様々な企画を行うというもの。当時は町行く人の下着を見せてもらう企画などかなり攻めた企画もあったようです。この番組からとんねるずさんやおニャン子クラブさん等のスターが誕生しました。そんな伝説の深夜番組が40年の時を経て今回,令和に甦りました。
 今回「オールナイトフジコ」というタイトルで復活した同番組は総合プロデューサーに秋元 康さん,メインMCにテレビプロデューサーの佐久間宣行さん,MCにオズワルドの伊藤俊介さんとさらば青春の光の森田哲矢さん,レギュラーアシスタントに峯岸みなみさん村重杏奈さんを迎え,“予定調和なし何が起こるかわからない2時間の生放送”をテーマに生放送ならではのハプニングやドキドキ感を大切にしつつ,コンプライアンスギリギリを攻める企画を放送しています。
 そして番組の中心として様々な企画を見守り番組を盛り上げてくれるのがオーディションで選ばれた現役女子大生15人。番組内では“フジコーズ”という愛称で呼ばれています。回を重ねるごとに彼女らの人となりやキャラがだんだん分かってくると思うのでこれからの放送が楽しみです。なお,フジコーズのメンバーは以下の通りです。

【オールナイトフジコ フジコーズ一覧】
※ 学生番号順
1番:雨宮 凛々子(あめみや りりこ・東京女子大学)
2番:安藤 令奈(あんどう れいな・東京大学大学院)
3番:今井 陽菜(いまい はるな・関西学院大学)
4番:上杉 真央(うえすぎ まお・明治学院大学)
5番:エブラヒミ 椎菜(エブラヒミ しいな・立教大学)
6番:沖 玲萌(おき れもに・立教大学)
7番:小杉 怜子(こすぎ れいこ・青山学院大学)
8番:佐藤 佳奈子(さとう かなこ・青山学院大学)
9番:鈴木 心緒(すずき こころ・青山学院大学)
10番:髙村 栞里(たかむら しおり・共立女子大学)
11番:出町 杏奈(でまち あんな・拓殖大学)
12番:友恵 温香(ともえ はるか・関西医科大学)
13番:笠野 咲藍(かさの さくら・武庫川女子大学)
14番:松尾 実李果(まつお みりか・洗足学園音楽大学)
15番:和智 日菜子(わち ひなこ・立命館大学)

フジコーズ一覧

 さて,番組の概要を一通り紹介したところでここからはこの番組の個人的な感想を綴ります。

 まずは記念すべき初回放送。初回はフジコーズメンバーの自己紹介を中心として様々な企画が放送されました。番組スタッフや出演者にコネがあれば誰でも座れるスタジオ後方にある“フジコネシート”には秋元さん,港さんのほか,この番組の立ち上げ発起人で責任者の大多 亮さん(フジテレビ専務)や指原 莉乃さんなど初回を飾るにふさわしい豪華なゲストが。フジコーズメンバーの自己紹介で印象的だったのは一番最後に自己紹介した和智日菜子さん。秋元先生の目の前でAKB48のオーディションの最終選考で落ちたことを暴露。大きなインパクトを与えました。
 初回放送で最も印象的だったのはMCの森田さんとフジコーズメンバーが2人きりで個室サウナに入りトークをする「さらば森田のサウナトーク」という企画での1コマ。今回は2名のフジコーズが前半後半に分かれて森田さんとサウナに入ることに。前半に入った出町 杏奈さんがサウナの室温に耐えられず着ていたブラウスを脱いでしまいノースリーブ姿に。これにはスタジオも一時騒然。ネットニュースにも取り上げられるなど初回放送を象徴するハプニングとなりました。

ブラウスを脱いでノースリーブ姿になった出町 杏奈さん


 番組のエンディングでは真心ブラザーズさんがスタジオに駆けつけ,生ライブ。大いに盛り上がる中,カンニング竹山さんが乱入。自身が福島でやっている番組のテーマソングを歌わせてくれと懇願するも歌わせてもらえず初回放送が終了しました。

 第2回放送はフジコーズメンバーによるタイトルコールで番組スタート。番組では先週の放送を振り返りつつ(森田さんと出町さんのサウナシーンが流れる)先週の反省を生かし,フジコーズの代表メンバー3人にLINEでメッセージを送れるという企画は,企画の募集のみに使用するよう変更された他,前身番組の「オールナイトフジ」の出演者である片岡鶴太郎さんと松本伊代さんからメッセージが届き,進行を務める佐野瑞樹アナウンサーが紹介する一幕も。
 オープニングトークでは初回放送の視聴率が同時間帯の横並びトップだったという話から,視聴者からの先週の放送の反響(ここでは洞察の深い視聴者からの「あの森田に迷いがある」というコメントが面白かった),フジコネシートに座っている人(この時点では元オールナイターズの阿部さんのみ)やスタジオにいるお偉いさんの数が先週より圧倒的に少ない事が話題へと移り,伊藤さんが「楽屋に入ったら弁当すらない」佐久間さんが「俺たちMCの扱いはこれくらい。初回は港・秋元対策だった」森田さんが「入りの時エントランスに人っ子一人いなかった」と相次いでボソり。これに伊藤さんが「上等だよ!」とスタッフを煽ると佐久間さんが「ここからが真の本番だ」と気合いを入れているやりとりが。
 その後,佐野さんが先週のLINE企画の件に触れると佐久間さんが「LINE自体のトラフィックは良かったけどスタッフがポンコツだっただけ」とチクリと毒づいた上で「LINEさんの企画のスタッフのポンコツエピソードのネットニュースが全部俺の顔で載ってる」と不満げ。他のMC達が「やっぱ佐久間さんがこの番組の代表ですから」とフォロー。村重さんが「その記事見た」とすかさず反応。
 そして森田さんが「フジコーズのメンバーで誰か捕まってもあなたの顔で載りますよ」,伊藤さんが「もしまたジャケット脱ぐようなことがあったら佐久間さんとその子の写真が載る」と先週のサウナ企画での出来事と絡めて笑いを誘いました。この一連のトークの流れ本当に面白かったです。
 続けて企画の紹介へと移ったのですが,成立しそうな企画はひとつしかないことが発覚。これを受けて佐久間さんが本番前のディレクターとのやり取りで「佐久間さん,今週は運頼みの2週目です」と言われた事を明かし,これに森田さんが「成立しそうな1本も疑っといた方がいい」と釘を刺すと,佐久間さんが「さっき森田が楽屋でディレクターと話してて深刻そうな顔をしていた」と楽屋での森田さんとスタッフのやり取りも明かすと流石の森田さんも狼狽した様子でした。
 オープニングトークの終盤には村重さんによるフジコネシートとの中継(阿部さんが毎回喋る時に村重さんの持ってるハンドマイクを奪い取って喋っていたのが印象的),「生放送で何かしたい人の募集」(友恵 温香さん),そして視聴者からのお願いをフジコーズのメンバーが実際に自宅に突撃訪問して叶える「夢がモリモリ フジコくじ」の企画説明(佐野さん)があり(心配からかもはやこの時点でプロデューサーが立っている事を森田さんが指摘,どこかでフジコーズが消息不明とかにならないか心配していた)次のコーナーのグラビアアイドル達が集まる企画のQカットが流れてCMとなりました。
 CM明け,出町さんが番組公式SNSの紹介をしたのですが,出身が青森なため,青森訛りが。これに伊藤さんが「青森の人って活字読むと訛っちゃうんだよね」とすかさずフォロー。
そして佐久間さんが「CM明ける30秒前に『CM明け30秒前です!佐野さんの謝罪まだありません!』」とスタッフが言っていたことを明かすと森田さんが「そんな秒読みで謝罪あるんですか!」と驚くと,佐野さんのワンカットとなり「勘弁してくださいよ」とコメント。この一連の流れも面白かったです。
 このあと,メイン企画の「アピれるどうぶつの森」へと進みました。この企画は覆面を着けたグラビアアイドル10人が様々なゲームに挑戦して勝ち残っていき,最後まで勝ち残った1人が覆面を外して自身をアピール出来るという企画でしたが,最初のゲームの椅子取りゲームが「浜ちゃんが!」(読売テレビ)の丸パクリであることが判明し謝罪する事態に。それに個人的にはエロ要素が強くていかがなものかなと思いました。少なくとも今の時代の深夜番組にはそぐわない企画だったように感じます。
 この企画のあとはフジテレビの1階にいる生放送で何かしたい一般人の一芸披露の中継。ほぼ酒に酔った勢いで深夜のお台場に集まったであろう一般人達をたんたんと且つ面白くさばく村重さんの手腕が光ったコーナーでした。
 この企画でひときわ印象的だったのは桜美林大学に在学する石川 百恵さん。彼女はフジコーズのオーディションに落ちたことを暴露。「おいフジテレビ!よくもフジコーズオーディション落としてくれたな!(中略)ディレクターがニタニタしてんじゃねぇよ!」と思いの丈をぶちまけたあと,「特に1番と9番。私の方が面白いからね!」とスタジオにいるフジコーズの雨宮凛々子さん・佐藤佳奈子さんを名指しし,パンスト対決を挑んだのです。

思いの丈をぶちまけた石川 百恵さん


 一般人をそのままスタジオに上げるのは危険という判断から雨宮さんと佐藤さんが1階へ下りてきて急遽パンスト対決をすることになったのですが,対決ではパンストに引っ張られている顔を見せるのが醍醐味の勝負で3人がそれぞれ別方向へ散っていくというハプニング。石川さんもフジコーズの2人もまだまだ一般人であるがゆえにパンスト対決のルールやセオリーを知らず,誰一人として顔を写せないまま勝負が決着。勝負は石川さんが勝利を収めました。
試合前のスタジオでのトークで伊藤さんが「もしパンスト対決であの子(石川さん)が勝ってめっちゃハネたとして新メンバーになりましたってなったら君ら仲良くできる?」とフジコーズに聞き,一同が苦笑いを浮かべていたのがシュールで面白かったです。
 また,勝負のあとのスタジオとのクロストークで佐久間さんが「ガッツは認めるので一応検討はします」ということでフジコーズメンバーに入る可能性を示唆。仮に石川さんがフジコーズメンバーになったとしたら…と想像するのもまた楽しかったです。

パンスト対決に挑もうとする3人
左から雨宮凛々子さん,石川 百恵さん,佐藤佳奈子さん


 パンスト対決のあとは冒頭で企画募集した「夢がモリモリ フジコくじ」の当選者・しゃのぞうさんの自宅に笠野 咲藍さんが到着したとのことで中継が。Skypeでの中継ゆえに画質が荒い上,プライバシーの観点からマンションの階段を上がる足元を写すというシュールさがなんとも言えず面白かったです。森田さんが「今日変な映像はっか見せられてる」と言っていたのも印象的でした。自宅に入ると引っ越したばかりで5.5畳の部屋に段ボールが山積みにされている様子が写し出され,まるでドキュメンタリーを見ているようでした。そんな中,笠野さんの背後にスキンヘッドのおじさん(中継カメラを回している構成作家)の姿が。40過ぎのおじさん(しゃのぞうさん)とスキンヘッドの構成作家に挟まれている笠野さんがなんとも滑稽で面白かったです。
 そんなしゃのぞうさんの願いは「笠野さんにバドミントンのスマッシュを当ててほしい」。顔面にバドミントンのスマッシュを当てられたいというしゃのぞうさんの願いを叶えるべく,笠野さんがラケットをフルスイングしようとしますが部屋の天井が低く,フルスイングは不可能ということで持ち方を変えて力の強さを加減することに。そして迎えた本番。スタジオから佐久間さんがカウントダウンしていたのですが,1回目は中継先との時差の関係からかフライング。2回目は見事成功したのですが,映像が止まってしまいましたが(しゃのぞうさんがスマッシュが当たってうずくまっているのは確認できた)中継企画は面白い試みだなと思いましたし,今後もやってほしいです。

「夢がモリモリ フジコくじ」中継での
笠野 咲藍さん(手前)としゃのぞうさん(奥)


 そして鈴木 心緒さんと小杉 怜子(小杉さんは過去に大学の“日本で1番かわいい新入生”に選ばれた逸材)さんによる生コマーシャルやゲストとしてフジコネシートに現れたやす子さんの告知タイム(告知の前にフジコーズの今井 陽菜さんと尻相撲対決し勝利。VTRあり30秒間の告知タイムゲット)等をはさむと,スタジオには先週に引き続きカンニング竹山さんの姿が。「2週続けてこんなところへ来るような格じゃないでしょ」という佐久間さんの一言に続いて,先週と同じく歌う歌わないの攻防が繰り返され,CMへ。
 そして迎えたCM明け。そこにはマイクを持って立つ竹山さんの姿が。お笑い的には“今週も結局歌えなかった”で終わる流れのはずが,まさかの番組が巻いて時間が出来たため,竹山さんの生歌唱へ。「宴もたけやま」というオリジナルソングを先週の真心ブラザーズさんと同じ照明の中,歌うことになったのですが,歌の序盤で佐久間さんが先ほどの一般人の一芸披露のコーナーで使ったゴングを鳴らし,強制終了。明転すると「歌いたくなかったよ! フジテレビ!2度と呼ぶなよ!」と得意のキレ芸を披露し「もう帰る!」と言い残し最後のCMへ。

「宴もたけやま」を熱唱するカンニング竹山さん


 CM明け番組はエンディングへ。今回もカオスな企画の数々に森田さんは「エンディング来ないかと思いました」,一方の伊藤さんは「途中からもうエンディングだとと思ってやっていた」,峯岸さんは「結婚してボーッと生きてた私にようやく宿命のようなものが来た」とそれぞれ感想を述べたあと,出町さんが「グラビアアイドルばっか集めた企画やるんならフジコーズにも企画ください!」と懇願。佐久間さんが最後にスタジオに残っていた竹山さんに感想を振ると「なんだかんだで今夜も面白かったよ!」と番組を総括。一同が笑いに包まれる中,番組が終わりました。

 個人的には2回目よりも1回目の方が面白かったですが,この番組は回を重ねるごとに企画がブラッシュアップされたり,フジコーズのキャラが見えてきたりして面白くなっていく番組だなと感じます。生放送ならではのハプニングを大切にしてそれを笑いに変えながら楽しむ。コンプライアンスの制限の中で今の時代ではなかなか出来ないことに挑戦するそんな素敵な番組だなと思います。番組を盛り上げるフジコーズ達をサポートして要所要所でフジコーズの魅力を引き出すMCの3人や峯岸さんの技量も光っていて安定しているなと感じますし,一般人やお偉いさんに果敢に飛び込む村重さんの度胸と進行ぶりも本当に素晴らしくて,昔のフジテレビのスローガンだった“楽しくなければテレビじゃない”が戻ってきたかのような令和の時代には新しいバラエティーだなと思います。毎週楽しみにしていきたい番組のひとつです。
 
また,個人的にはフジコーズの中で推しのメンバーを決めるとより楽しく放送を見られるかなと思います。(ちなみに僕の最推しは出町さん)
 なお,現在番組を放送しているのはフジテレビ・仙台放送・テレビ静岡・テレビ新広島の4局のみですが,放送日の午前10時からTVerによる見逃し配信も実施されているので,放送対象地域外の人も見ることが出来ます。(なぜかCMが入らないので見やすい)

 長々と書いてしまいましたが,そろそろこの辺で終わりにしたいと思います。「オールナイトフジコ」は華の金曜日の深夜が楽しくなる2時間の生放送です!賛否両論はっきり分かれていますが,良ければ是非ご覧になってみてください!
 末筆に気温の変化が激しく体調を崩しやすい時期ですが,皆様くれぐれもお身体ご自愛ください。それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?