初デートに行った男が"チェーン店嫌悪症"だった話
「初デートでサイゼ問題」
男女逆バージョンも余裕であるよという話
数年前、私はマッチングアプリで知り合った男性と、京都市内で初デートの約束をした。
その際、彼が発揮した"チェーン店嫌悪症"というイキリ散らした病気のせいで、私はハイヒールのまま30分以上街をさまようことになり、入店する店が決まる頃には彼を大嫌いになっていた。
「初デートでサイゼ問題」が一時話題になったけど、チェーン店が嫌いな「自分、食と空間にこだわりあります」系の人間は意外と男性にも多いし、そういう人に当たるとちょっとめんどくさいよねという話。
ペアーズで知り合った男性と食事に行くことになったとき、「店は俺が決めておくよ」と言ってくれた。
しかし、当日待ち合わせ場所へ行くと、「ごめん、結局どこも予約してないんだよね!」と言われた。
彼はまぁまぁのイケメンだったけど、実際に対面するとかなり小柄で、あぁそういえばプロフィールに身長は書いてなかったなぁ…と思った。
そんなことを知らずにハイヒールを履いてきてしまった私は、彼より10cmほど視点が上になっていた。
お店が決まっていなかったので、「じゃあ今から探そっか!」と2人で飲食店街へ向かった。
以下は、そのときの会話の一部始終。
私「あっ牛角あるよ!私、牛角大好き!ここで良いんじゃない?」
彼「え!?牛角って…チェーン店でしょ?俺チェーン店キライなんだよね。普通、チェーンってマズくない?」
私「そうかな?チェーン店って、たくさんの人が美味しいって思うから、多店鋪経営しても潰れないんだと思ってたけど…」
彼「いやいや、キミ変わってるよ…」
私「あっ、じゃあ、あの店は?"赤から"って書いてある看板の…もつ鍋屋かな?」
彼「あれもチェーンだよ!!あれは名古屋発祥のチェーン店で、クソマズイ鍋だよ。1回行ったことあるけど、もう2度と行かないね」
私「じゃあ、あっちの店はどう?あれは京都にしかない居酒屋でしょ?」
彼「あの居酒屋は、すでに京都に3店鋪展開してる。つまりチェーン」
私「えっ…そんなこと言ったら、この辺の店は大半がチェーン店だよ…」
そうして私は彼のこだわりに付き合わされて、1店鋪だけしか展開していないお店を探すため、京都の市街地を30分以上歩き回るハメになった。
そんなにこだわりがあるのなら、自分で先に決めてきてくれ…
結局、私たちは三条駅付近のピザ屋に入った。
彼は「ピザ屋はね、建物の1階にある店だけが本物なんだ。2階以上にあるところはニセモノ。なぜだか分かる?ピザ用の大きな石窯は、重くて1階にしか設置できないからだよ。2階以上だと、床が抜けちゃう。だからこの店はホンモノなんだ」と言った。
私は「うるせぇよ」と思いながら、彼に続いて店に入った。
食事中、彼から次のデートに誘われた私は、「あー、また機会があれば」と言って断った。
「当日に店探しをするも、中々決まらない」というグダグダな過程と、その際浮き彫りになった彼自身の価値観(とにかくチェーン店を見下している)が、私的にはナシだったから。
事前にお店を予約して、「ここはチェーン店と違って、中々予約が取れないお店なんだよ。ここでしか食べられないものばかりだから、今日は食事を楽しもう」とでも言ってくれていれば、彼のこだわりはむしろプラスに働いてたかもしれないのに、すごく残念だなぁと思った。
しかし彼は、そのピザ屋での食事を早めに切り上げたがる私の様子にも気付かずに、「2軒目に行こう」と言い出した。
私がそれを断ると、「そこの駐車場に車を停めてるから、送っていく」と言って、あろうことか私の手を握ってきた。
慌ててその手を振り払い、「ごめんなさい、このあと予定があるので」と言って彼と別れたけど、今にして思えば彼は本当に空気が読めない人だったなぁと思う。
空気が読める人だったら、ハイヒールの女を30分もムダに歩かせなかったし、私が提案した牛角に「いいね」と乗ってきてたと思う。
「初デートでサイゼ問題」にも言えるけど、初デートという"まだお互いを何も知らない状況"で大切なのは、店構えよりもノリ。
とにかくお互いグダらないこと。空気を読み合うこと。
いいお店でのいい食事は、付き合ってからすればいい。
初デートなんて付き合うかどうかもわからない相手に、時間もコストもかけてる暇ないから、お互い。
スムーズに入れるのなら、チェーン店が1番いい。
そう思わされた出来事でした。
▼ ちなみに私は、様々な理由でサイゼデートをオススメしてます
もし記事がおもしろかったら、伝えてもらえると嬉しいです。 ※近日中に個別でお礼のメッセージをお返しします💌