暮らす場所と人生の関わり

生まれ育つ場所、暮らす場所が人生に与える影響の大きさには驚く。

広大な土地と伸びゆく大空に囲まれ、吹き抜ける風のもとに大らかに育つ人。

行き交う人の声に包まれ、目まぐるしく変わりゆく流行をその目に焼きつけながら育つ人。

性格までをも左右してしまうであろう故郷の地理的な環境というものの持つ意味は看過できない。人はこの母なる大地の上に生きる者である以上、どこに生きるのかという問題に目を背けることはできない。

産まれた子どもは出身地を選べない。中高生になっても、時には大学生でさえも、自分の意思だけでは暮らす場所を決めることはできない。

どこに生きるかが大きく人生を変えうるにも関わらず、場所の不平等は存在する。この日本においても。

しかし、だからと言って全国を均質にすればいいという訳では当然無い。

土地土地の豊かな伝統や魅力的な特徴には暮らしを華やげる力がある。違う風俗のもとに育った人がいるからこそ、この日本の中でも旅ができ、人が動く。流れが生まれる。

夢を叶えるために努力する若者にも、故郷を想い勇気づけられる日や、大成し錦を飾るわが世の春があって然るべきだ。

一点、それでも実現しなければならないのは、地域差による不幸をなくすこと。あってはならない程の不幸を豊かな地理的多様性の代償だと甘受するのではなく、全国に暮らす人が救うべき問題であると認識し動いていかなければならない。あなたも、そこに産まれたかもしれないのだから。

そうした先に、日本全国様々な土地を自由に選び、街の大小を気にすることなく、日々の暮らしを楽しめる生活がやってくるのではないだろうか。最新の技術も借り、そうした未来を作っていかなくてはならない。

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