柞刈湯葉(2018)『未来職安』双葉社

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私たちから見た過去の暮らしがあり得ないものの連続のように、未来から見た私たちの暮らしもきっと驚くべきことの一つになっているのだろう。今を生きていて、ときどき想像する未来からの視線、そしてそれを受ける自分の恥ずかしい少し気持ち、この小説に呼び覚まされる。

今の私があれこれ悩み考え感じているように、未来の子孫も過去の先達も、たった一人の人間として、等身大の自分の人生を生きていたことが、少しだけ今を生きる支えとなるような感覚。それがSFなり時代小説の醍醐味かな。

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