御厨貴・渡邉昭夫(1997)『首相官邸の決断:内閣官房副長官 石原信雄の2600日』中央公論社

画像1

オーラルヒストリーの試みから生まれた貴重な一冊。普段からベールに包まれている政権中枢の役割や動きについて往時の時代背景も含め詳細に記述している。つまるところ最後は「人」であるという結論も説得力がある。

内閣官房は政府の最も中核にある組織であるにもかかわらず、だからこそ各省に比べてその仕組みや機能がはっきりと定まっていない。さらに最高権力者の隷下にあるだけに最も変化を求められ得る。国の組織としては珍しい、その軟体動物のような在り方を窺い知ることが出来る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?