【エッセイもどき】航海はまだ始まったばかり──ONE PIECEがくれた勇気
最近、25周年記念でYouTube上で全話一挙無料配信されている『ONE PIECE』を、時間があるときに少しずつ観るようになった。全ての回を見ているわけではないが、麦わらの一味の皆の行動や言葉に触れるたびに、心が温まっていくのを感じる。
その中で、特に印象に残っているのが「You Are The One」という楽曲だ。2005年に発売された、比較的初期の曲だと思うんだけれど彼らの絆を歌ったこの曲は落ち込んでいるときに聴くと、不思議と元気が出る。(元々キャラクターソング系を漁るのが好きなので本編を見るついでに曲も同じく調べた時に見つけた)
麦わらの一味のメンバーは、それぞれに辛い過去や悲しい経験を抱えている。それでも彼らは、互いを信じ、励まし合いながら、出会いを通して、彼らは深い絆を築く。この絆が、困難な状況を乗り越える力となり、彼らの夢の実現を後押ししている。
虚構の世界のキャラクターに、これほど深く感情移入してしまう自分が少し恥ずかしいと思うこともある。しかし、彼らの姿を見るたびに、私は「自分もこんな風に生きてみたい」「自然と彼らといたら自己肯定感上がりそうだな…」とも思うわけで。
戦闘力も無れば刀も使えないし狙撃も料理も航海術も医療技術も考古学も読み解けないし造船技術や滅茶苦茶うまい音楽を演奏したり操舵も出来ない。目の前にある事象から逃げ出して、怯えて何もできないまま自分自身の存在意義について考えたり、同じネガティブな箇所があっても努力を欠かさなかったウソップとは正反対の人間だし。こんな自分に何ができる?自分なんか、私なんか…とずーっとペローナの技のネガティブホロウ一生受けてるのかっていうレベルでネガティブを極めてるのに。
ウソップの様に「俺は元からネガティブだ!」と宣言できるような強かさはない。けど、ONE PIECEの世界のキャラクターたちは決して完璧ではないけどそれでも、仲間と力を合わせ、困難を乗り越えていく。彼らの姿に、私たちは勇気や希望を見出すことはできたような気がする…
彼らの姿を見て、自分も少しずつだがネガティブな思考と向き合い、自分自身を認めてあげられるようには…いずれできるようになることを信じたい。そしてそんな自分も、そして多くの人も、自分にとっての“麦わらの一味”を見つけられるんだろうか。
ソウルキングや歌姫のウタみたいにはなれないけど、コンサートや学園祭のライブステージに出てギターの弾き語りをしたりだとか、地元の絵のコンペに作品提出したりだとか。コミュニケーションが苦手だけれど飲み会に参加したりだとか。ほんの日常にとって些細な出来事だけれど、やれる範囲で自分にできる事を完璧ではないけれど、行動するように心掛けてはいる。
少しずつでも前に進んでいると感じたい。
人生という航海は、まだ始まったばっかりだ。
この先の道に記録指針があるわけじゃないけど、彼らの様に後悔をしない
選択肢を持って生きていければ本望だ。