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Web アプリ開発にオススメの Riot.js に関する書籍を出版しました

こんにんちは。株式会社ゆめみの Keeth こと桑原です。この度 JavaScript の UI ライブラリの一つ、Riot.js(以下、riot と呼ぶ) に関する日本語書籍を出版しました!日本ではこのライブラリに関する書籍がほとんどなく、ずっと書きたいと思っていたので、今回一念発起して執筆・出版に至りました。それがこちら(以下 riot本 と呼ぶ)になります↓↓↓

今回はこちらの本の出版に至るまでの経緯や執筆中のこと、桑原の奮闘記をお楽しみ頂ければと思います。かなり正直ベースで書いており、桑原の恥の部分も含めて書きましたので、少々長い記事になっております。本編が読みたい方は、「○ 執筆開始」の辺りから読むことをおすすめします🙇

○ 書籍に関するサポート

誤字脱字、誤植、執筆後の riot 周りの発展については、こちらのリポジトリにまとめております。

もし書籍を読んで何か見つけたり、わからないことがあればお気軽にこちらのリポジトリに issue を立てて頂ければと思います!もちろん、桑原に直接メールを送っていただいたり、twitter の DM を送っていただいても構いません🙇

また、書籍中に登場するコードについてはこちらのリポジトリにソースコード一式をアップロードしておりますので、適宜ご活用頂ければと思います。

○ 執筆のきっかけ

今回 riot本 元々のきっかけは、「わかばちゃん」シリーズで有名なデザイナー・漫画家・イラストレーターの 湊川あいさん の以下の記事を読んだからになります。

この記事を読み、「こんな自分でも本書けるかもしれない、書いても良いのかな?」と思い、湊川さんにDMを送り、出版社の方とのこの記事の最後のほう『ラッキーちゃんの悩み』の項に一番背中を押されましたね😁

もともと執筆は自分の人生の実績解除リストに入っており、「いつかは書きたいな〜」くらいの気持ちでいたのです。しかしある日、湊川さんが上記の記事を twitter でツイートしているのを発見し、突然チャンスが訪れるとは思ってもいなかったので、心の準備ができていませんでしたが、「このチャンスはつかむべきだ!」と心で叫んでDMを送った次第です。

執筆に関する雑談やちょっと突っ込んだ話は Anchor.fm でも話していますので、もしお時間ある方は以下のリンクからお聞きいただけると嬉しいです!No.2 - 4 までが riot と執筆のお話をしています。

○ 企画

湊川さんにつないでいただき、出版社である 株式会社C&R研究所 の担当さんに私の拙い企画書(※)をお送りしたところ「面白そう」ということで、わざわざ新潟県から東京は三軒茶屋までお越しくださいました。

今でも覚えています、三軒茶屋の星乃珈琲店で3人で企画会議をさせていただきまして、実際にやりましょうとなった瞬間を。このときはもうワクワクでいっぱいでしたね。えぇ、実に2年前の話になります。(オイ

ちなみに、今回執筆した書籍の riot の対象バージョンは v4 ですが、当初の私は v3 で書こうと思っていました。理由はだいぶ枯れてきていたこと、日本での導入実績も v3 が多かったことの2点です。

しかし出版社からすると、「変更が効かないので書籍はなるべく長く読まれてほしい、だから今後 v4 が出るのであれば v4 で書いてほしい。」とのことでした。これは私も納得でしたので v4 で書くことを決意しましたが、v4 が正式にリリースするまで、また SPA には欠かせないルーティングライブラリが v4 に対応するまで時間がかかるがいつ頃になるかは読めない旨も伝え、了承は得られました。とりあえず、当面は v3 で執筆をし、v4 リリース後は書き換えるという方針で行くことに決定し、私は執筆を開始しました。

※もし今後商業誌を執筆してみたい方の参考までに、私が送った企画書に記載した内容は以下です。具体的な内容を見たい方はコメントいただければお送りしますー。

・概要
・目的
・想定対象読者
・経緯(背景でも可)

○ 執筆開始

今回はマークダウンで執筆しました。それは以前、日本人の Ionic 第一人者である 榊原さん の執筆された、Ionic の書籍 のテクニカルレビュアーとして関わらせていただきましたが、その時の技術スタックを参考にさせていただきました。

具体的に利用した技術は GitBookです。こちらは CLI も用意されており、とても使いやすかったので、もし技術書を執筆したいと考えている方はご検討ください。

書き始めたのは良いですが、私は会社員でもあり、そのころは絶賛仕事が多忙を極めていたこともあって、1章を書き終え、第2章のちょっとを書いたところで執筆の手が止まってしまいました…担当者さん(以降、Yさん と呼ぶ)も不安にさせてしまったと思います…

Riot v4 本体のリリースは 2019年5月30日でしたが、幸か不幸か、ルーティングライブラリである route のリリースが 2019年11月24日まで延びました。この頃といえばやはり年末ということもあり、また riot の不具合もちょこちょこあったこともあって、私の筆は一向に進みません。この間もYさんはずっと頭の片隅にはこの企画のことはあったんだと思います…本当に申し訳ございませんでした🙇

そんな中、ついにYさんから一本のメールが届きまして、そこから執筆が動き始めました(遅すぎるぞ過去の私!)

○ レビュアーさん集め

以前私も榊原さんの執筆をお手伝いさせていただいたのですが、その際に感じていたこととして、

レビューはとても大事なので、レビュアーの方はしっかり確保すべき

ということです。これは執筆のスケジュールと自分の執筆の進捗次第ですが、計画的にレビューをお願いしようと思っている方にはしっかり相談した方が吉です。もちろん、皆さんはご自身の都合がありますので、ほとんどコミットできない可能性は大いにあります。

今回の私は正直運が良く、突然来月からレビューお願いします!と言ってお手伝いいただける方が複数名いらっしゃいました。感謝してもしきれないです。こんな時期ですのでお礼もできていないですが、何かしたいと思っています。ちなみにレビュアーさんは巻末の奥付に名前を載せさせていただいております。

改めて、レビューいただいた皆さんには本当に感謝しております。無計画な桑原の執筆スケジュールの中ご協力いただき、誠にありがとうございました!

○ 執筆中

今回の私は無謀にも、書籍内で作るアプリケーションがあるを考えながら執筆をしていました。もし今後技術商業誌を執筆する方にアドバイスしますが、絶対に真似しないでください。後で自分の首を絞めることになります。

先にしっかり作ろうと思っているアプリケーション(デモアプリも含む)があるのであれば、先に作りきり、作る手順や区切りでコミットしましょう。その流れがそのまま書籍の流れになりますし、先にデバッグやテストもしっかりできるので、必ず先に作りましょう。

また、執筆者であればわかると思いますが、執筆中は文字数をカウントしたくなります。しかし無料のテキストカウントサービス等は、ソースコードであったり画像の補足情報であったりなど、カウントしたくない文字も一緒にカウントしてしまいます…

ググってみると、マークダウンファイルを解析しカウントしてくれそうなツールやライブラリもいくつか見つけましたが、どれもしっくり来なかったので、執筆中ながら自作しました。それが word-count-markdown(wcmd) です。もしよろしければ、使ってみてください。こちらの製作話もちょっとできますが、また次回にしたいと思います😂

○ 執筆後

このフェーズに来たらひたすら自分で書いた書籍を自分で読み、手を動かして動作検証し、ユーザーの手に届けても良いレベルまで粗探し、誤字脱字をチェックします。文字通り重箱の隅をつつく勢いで読みます。

…が、私の場合はスケジュールが無茶苦茶な中、330ページを超す量になってしまったため、読むのもかなり睡眠時間を削ることになりました。。。やっぱり書籍の執筆はフリーランスの方の方が向いていますね😅

このフェーズこそレビュアーさんに最もご尽力いただくタイミングとなりますので、ここでレビュアーさんがいる or いないで、全く書籍のクオリティが変わってくると思います。自分ではヨシ!と思っていても、やっぱりバイアスがかかった頭でチェックしているため、かなり漏れていたり見逃していたりするものです。しっかり第三者目線でのレビューは入れましょう。

○ 出版後

まずはやっぱり Amazon の売上ランキングを見ちゃいますねぇ、しかも毎日です。えぇ。 書籍のリンクに行きますと、モバイルプログラミング でランクインしていました。私が観測した範囲では、今の所最高「46位」まで行きました。トップいっていなくてもやっぱり嬉しいものです。

また、出版後することは SNS 等での拡散だけでなく、POP の作成です。私も自分なりに書いてジュンク堂池袋本店さんに持っていきました。私は字が下手ですので、とても恥ずかしいですね。。 無駄に筆ペンの練習だけしてて、名前だけは少しはまともな字がかけたと思います。。

売上ランキングも気になりますが、もっと気になるのはやっぱり「カスタマーレビュー」です。こちらも毎日観測していますが、本日(2020/7/25)ついに Amazon にてレビューを頂きましたが、★5でコメントが付いているのを見ますと、泣きそうになるほど嬉しいです😍レビューコメントはとても完結で一言でしたが、本当にありがとうございます〜!

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他には、エンジニア勉強会にて登壇する際に自己紹介もしますが、そこで拙著を紹介するという実績も解除しました。これ一度はやってみたかったので、もう満足です(笑)もちろん今後も宣伝はしていきます(`・ω・´)キリッ

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2020年8月28日現時点で、感想ブログを2本書いていただきました。やっぱり嬉しいもので、読んでて涙が出そうになります(笑)折角ですので、リンクを貼っておきます。とても参考になりますので是非読んでみてください!

ただ、反省としては、本書はかなり誤字脱字が多くなってしまったことが一番の悔いです。出版社の方の編集で発生したものもありますが、私のミスが過半数ですので、ここは反省しなければいけないポイントです。もし購入いただいた皆さんには、読み辛いこと誠に申し訳ございません。

終わりに

かなり長くなってしまいましたが、私の執筆に関する話はほぼ全てここに書き起こしたと思います!執筆した感想としては、しっかり余裕があるときに開始するか、余裕を持ったスケジュールを出版社さんと組むことです。特にこれは社会人の方は絶対です。私のように出版社さんや担当の方に多大なるご迷惑をおかけしてはなりません。重ね重ね、Yさんには謝罪申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。。。

その他細かい話も多少なくはないですが、かなり細かいので良いでしょう。これから技術書の商業誌を書きたい、書こうとしている方の少しでも参考になれば幸いです!

ではでは(=゚ω゚)ノ

P.S.
本買ってください、そしてよろしければレビューも書いていただけるとありがたいです🙇

エピローグ:本腰入れて執筆開始したときのYさんとのやり取り

以下、未来の技術商業誌を執筆する方に向けて「こんなダメダメな人間でも本を出版できるんだよー」ということを伝える一例として、Yさんと桑原のやり取り(というか桑原の社会人としてのダメっぷり)を書き残しつつ、桑原からのささやかなアドバイスを書き残しておきたいと思います。

学びや執筆チャンスについてはすでに記載していますので、ここでは心理的障壁を下げることを目的としておりますので、お楽しみいただければと思います💁

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3,696字

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