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子どもは自力でやりきれる

とある子どものことを紹介します。
ショウ君、小学4年生。
僕は彼を「巨匠」と呼びます。
キッズ退団後、なぜだか木工に目覚めハマり、近所の木工所に通っては端材をもらってそれをもとに木工作品を作る。
そんなことに生きがい見いだしたようです。
巨匠の道を歩み始めたショウ。

秋、そんな彼に事務所で使いたい引き出し付き棚を発注し、このたび、発注通りの作品が納品されました!
ニトリかよ!と突っ込みたくなるほどのクオリティーの作品にただただ驚くばかり。
ご両親から聞きました。
これまでの作品よりもはるかにハイレベルでなかなか思うように進まず、何度も挫折しかけていたこと。
「もう注文は受け付けないでくれ!」と荒れてしまうほど追い込まれることもしばしばだったとか。
作業を進めては「あ~!ちがう!」
と壊してやり直すを繰り返していたというのだからまさに巨匠です。

遅々として進まない作業を見かねて親御さんがアドバイスをしようとしたり、それこそ手出しをしようとするものなら激しく断固拒絶したらしい。
「僕がやるんだ」と。
親御さんも横目で見るだけで何もやらず「ほっとくしかなかった」と。

過剰教育の時代である。子どもの大人依存は強まるばかり。
そんな時代にあってもこうして『自力で!』と我が道を突き進む子どもがいることに僕は心底勇気づけられた。
大人が手取り足取り口出しで子どもを世話していけば、子どもは手を取られ、足を取られ、物言わぬ口となる。
自力で進む力を失うのである。
大人よ、木の上に立って見ていてあげてほしい。
子どもたちよ、自力で歩みなさい。
僕の教育信念はいつもここにあります。

『今回は注文ありがとうございました。またの注文をおまちしています。』
こんな書き出しの自筆の手紙と取扱説明書が添えられていた。
(ショウ、やりきったな、乗り越えたな。感動したぜ)
さて、次は何を発注しようか。

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