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【感想】生命は結晶化した儚い光(チームラボ)/アート体験から考えた、目指したい文章表現とは

 先週、東京旅行を決行し、「チームラボプラネッツ」という五感でアートを楽しめるミュージアムに行ってきました。とても良かったので、3つに分けて感想を書いていきます。



1.作品から感じたこと

 一番印象に残ったのは、以下の文章です。

 「生命は結晶化した儚い光」
 生命は、はじまりもわからない過去から、一度もとぎれることなく流れつづけているエネルギーの連続体の中で、奇跡的に凝固した、儚い光の結晶のような現象なのだ。

チームラボプラネッツ 作品説明文より抜粋 公式HPより


 作品を見て、この説明文を読んだ瞬間、衝撃が走りました。

「私」は今、ここに1つの個体として存在しています。

 ただ、私の「命」は、太古の昔の祖先から今に向かって、連綿れんめんと受け継がれ、途切れなく続いてきたものです。

 そう考えると、「私」という個体は、永遠に流れ続ける水のような「命」の連鎖の中で、奇跡的に結晶化して生み出された一つの儚い光のようなものかもしれない。


 そんな気付きを得ることができました。

 作品は、雨のように上から下に落ちてくる水に光を投影し、まるで無数の光の塊が空中に浮遊しているように見えるものでした。

 その作品のタイトルが「生命は結晶化した儚い光」。しびれますね…!

「生命は結晶化した儚い光」(見出し画像と共に公式HPから引用させていただきました)。実物も本当にこんな感じできれいです!


 上記の説明文だけでも、なるほどと思いますが、やはり作品を体験することを通して、その気づきがより腑に落ちると感じました。

 他にも、魅力的な展示が多々ありました。

 例えば、「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」では、光の鯉が泳いでいる水の中を、実際に私たちが入って歩きます。鯉は私たちの存在に影響を受け、また時間経過とともに形を変え、花となって散っていきます。

 純粋にコンピュータープログラムで描かれ続ける鯉や花々が本当に綺麗で、水に入るのも楽しかったですが、それ以上に命の儚さや美しさを感じました。

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」 公式HPより画像を引用。


 チームラボプラネッツは、作品全体を通して「生命」について私たちに問いかけていると感じました。定番の観光地にも行きましたが、個人的にはここが一番良かったです。

 リンクを貼っておきますが、チームラボプラネッツの回し者ではないのでご安心ください(笑)。

 行かれる際には混み合うので予約が必須です。あと、私は作品の説明文をくまなく読むタイプなので、私と同じタイプの方はアプリをダウンロードしていくと、説明文がスマホで読めてよいです(笑)。




2.  アート体験から考察した、私が目指したい文章表現とは

 
 チームラボでの体験は、単にエンターテインメント的なもの以上に、私たちの価値観や人生観にも問いを投げかけるような深みのあるものでした。
 単に普段生きているだけでは気づけないような気付きを、アート体験を通して私たちに気づかせてくれました。

 そして、私もこんな風な作品を作りたいと強く思いました。私の表現の場である、小説という舞台で。

 小説にはいろいろな楽しみ方があります。娯楽や楽しみのために読んでいる方が多いと思いますし、私もそうです。

 ただ、今自覚した、私が目指したい小説というのは、読者の皆様に楽しんでいただけるエンターテインメント性をそなえつつ、もっと深層の価値観をゆさぶったり、人生観についても問いかけることができるようなものです。

 それを、どうやって創作していくのかは未知数ですが(笑)、試行錯誤していきます!

 

3.  体験、音楽、映像と比べたときの文章の強みについて

 
 文章と比べて、三次元的に構成された空間、音楽、映像は強いインパクトを持つ、と感じました。

 例えば、チームラボでは、1つの部屋全体が1つの作品となっていて、空間に入ると一気に作品の世界に没入できました。伝えたいものを表現しようと、空間に何を配置するかや、音楽(作品には音楽も効果的に使われていました)、光などに趣向がこらされていました。

 また、今回あわせて好きなアーティストさんのライブにも行ってきたのですが、そのライブでは音楽と光と映像によって、アーティストさんの世界観が表現されていました。どちらも本当に感動しました。

 じゃあ、私は文章によって、どんな世界を構築できるだろうか?

 どうやったらそのような感動を文章によって表現できるだうか?

 と考えさせられました。

 文章の世界は音も光も色もないので、一見すると地味なように見えますが、逆に空間にとらわれないので、自分の好きな世界を好きなだけ構築できるという強みがあると思います。

 ただ、その空間に入ると没入できるアート体験や音楽体験と違って、「文字を読む」という行為はある程度受け手の能動性が求められます。

 そのストレスを少しでも減らせるように、読者のかたが文章で構築された世界に少しでも摩擦なく入っていけるように、頑張っていきたいと思いました。

 
 なんとなくまとまらない話になってしまいましたが、要約すると、いろいろと感動を味わい、エネルギーをチャージしたのでこれからも頑張ります、という話でした!




 以下は余談です(笑)

 皆さま、創作大賞の作品をたくさん読んでいただき本当にありがとうございました! 

 表現したいことを書いていったら、自分にしては7000字と、長くなりました。これを長編と読んでいいのかは謎ですが、長編だと表現できる内容が多くなってストーリー性も生まれるので、面白くてやりがいがありますね😊

 が、なぜでしょう、自分の中では短い短編(800~できれば2000字以内に収めたい)の方がしっくりくる感じがしました(笑)。
 書いてみるといろいろ気づきがあるもんですね。

 なのでこれからも短編をメインで投稿しつつ、たまに長編でしか表現できないものが生まれたら、長編として投稿するかもしれません。この辺りは探りながらやっていきたいと思います。

 みなさま、いつもスキやコメント、本当にありがとうございます😊 
 ものすごく励みになっています。
 まだまだ発展途上な自分ですが、これからもどうぞよろしくお願いします!


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