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ちょっと気になるSpicyトピック〜「Suica」改札のクラウド化で変わること〜【クラウズ*スパイス株式会社】

Suica利用エリア拡大と新改札システム

JR東日本は2023年春より、北東北の3県(青森・岩手・秋田)で計44駅でタッチ&ゴーによる乗車や、Suica定期券の利用が可能になると発表しました。
これに合わせて新たな改札システムの開発も明らかになりました。

Suicaのサービスが開始された2001年から利用されてきた自動改札システムは、Suicaをタッチして入場するとカード内に入場駅情報が記録され、降車駅でカードに記録された情報をもとに、自動改札機内で運賃の計算が行われていました。

新しい改札システムでは、従来の自動改札内で処理されていた機能がセンターサーバに集約されます。つまり、自動改札機内での運賃計算機能が不要となり、Suicaの識別番号を読み取りサーバへ送受信することが自動改札機の役割となるのです。このクラウド化した新しい改札システムは、北東北3県をはじめに既存の利用エリアへも順次導入される予定です。

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クラウド化した改札システムのメリット

これまでSuicaの新しいサービスを開始する際、5000台近く普及している全ての自動改札の情報を1つ1つ更新する必要がありました。しかし、クラウド化した改札システムでは、センターサーバ内に機能を追加するだけで全ての自動改札へ情報が反映されるため、情報更新にかかる期間や手間を大きく削減することが出来るのです。

更に、QRコードでの入場機能が追加される可能性もあります。この機能は既に2020年9月に都内にて実証実験が行われていました。導入が決まった場合、磁気式の切符の需要は少なくなり、自動券売機の台数を大幅に減らすことができるようになります。ペーパーレス化が進む上、改札の紙詰まりや券売機のメンテナンスにかかっていたコストの削減にも繋がります。

クラウド化の課題

クラウド化した改札のシステムの懸念点として、システムダウンの影響が大きいことが挙げられます。従来の自動改札であれば、自動改札内で運賃の計算が完了するため、Suicaのシステムがダウンしたとしても問題なく入出場の処理が可能でした。

しかし、新しい改札システムの場合は一度センターサーバでの処理が必要となるため、障害が発生した際に改札機が停止してしまうのです。大幅なコスト削減を実現する一方で、システムダウンにどのように備えて行くのかが、今後の課題と言えるでしょう。