見出し画像

失敗から学ぶ、SalesTech導入のススメ Vol.1

はじめに

株式会社CloudFit Co-founder / COOの清水です。主にBtoB事業の営業マネジメント改善やSalesTechの導入を担当しています。

このエントリでは、近頃また注目が集まっている「SalesTech」について、様々なサービスで導入を行った経験から得られた失敗パターンとそれを回避する方法について共有したいと思います。

■このエントリを読んで頂きたい方
・SalesTechの導入を検討している方
・SalesTechを導入したものの、成果が得られず困っている方
・営業マネジメントの改善に苦労されている方

営業マネジメントは失敗の連続

これまで大企業やスタートアップの営業組織に導入されたSalesTech(特にSFA)をいくつも見てきましたが、はじめから成功しているケースは僅かです、ほとんどが失敗と改善の連続でした。

「がんばって導入までこぎつけたのに、めちゃくちゃ使いにくい」
情報を入力してくれない」
「KPIの進捗が分からない」
「来月の売上予測が分からない」

導入直後はメンバーからこう言った声が聞こえてくるのがあるあるです。

SalesTechをスマートに使いこなしたいと思っている、だけど使いこなせない、そんな事業・組織が本当に多いのです。営業マネジメントは顧客、商談、行動の管理であり、生身の人と人の間にある情報を扱います。そのため、いわゆるツールとは異なり、様々な要素を検討して導入設計を行う必要があるのです。

では、失敗を回避するためにどうすれば良いのでしょうか?
今回は「あるある」なケーススタディを交えて、失敗してしまうパターンとそこから得られた教訓を紹介したいと思います。

ケーススタディ

SalesTechの導入へ
Aさんは大手IT企業にて新規事業の営業推進を担当しています。スケールに向けた営業体制の強化を予定しており、それに合わせて、もともとExcelで行っていた営業管理をクラウドに移行することを決定しました。
現状運用に合わせたSFAを構築
クラウド活用に際し、Excelに入力されていた取引先情報を全てクラウドサービスにインポートし、従来の管理を再現すべくSFAをフルカスタマイズ。コーディングが必要な部分はシステム会社に依頼し、担当営業・管理者ともにスムーズに切り替えられるよう配慮した上で移行作業を実施しました。
また、商談管理に関しても従来の「ABCヨミ」運用を再現。Aヨミ80%、Bヨミ50%、Cヨミ30%と設定し、商談のメモを踏まえて内容を振り返られるように設計しました。
順調にカットオーバー
メンバーへのインプットを丁寧に行った上でカットオーバー。周囲の評判は悪くなく、リアルタイムで進捗を確認できることができるようになりました。
5ヶ月後、事件が起きる
しかし5ヶ月後、アップセル商材の拡販が決定し、複数の商材に対応できる営業マネジメントが必要になったのですが、現在のクラウドサービスではその管理が実現できないことが発覚したのです。
さらに、時を同じくして、当初は正しかったはずの売上予測に関しても実績と大きく乖離しはじめ、現場は混乱状態となってしまいました
結果、これらに対応するために新規にシステム会社への発注が必要となり、大幅なコスト増となってしまったのです。

なぜ事件は起きてしまったのでしょうか?
ここからはケーススタディから読み解ける失敗パターンを解説したいと思います。

失敗パターン1:現状の管理方法をそのまま反映

スライド2

SalesTechを導入する際に、多くの企業が現状の営業マネジメント方法をそっくりそのままツールに反映していますその結果、システムを業務に合わせるために、フルカスタマイズで作り込みを行うことになり、そのあとの運用・保守が格段に難しくなります。一方で、事業が進捗すれば営業マネジメントの内容や方法もアップデートされるため、改修に大きなコストが発生してしまうのです。

SalesTechの仕組みには、あらゆる知見に基いて標準項目が設定されているので、できるだけベストプラクティスに準じてに使うことを心がけましょう。業務にシステムを合わせるのではなく、システムに業務を合わせていくことが重要です。それにより、その後の活用に雲泥の差をもたらすと考えています。

■教訓
大衆の知(=ベストプラクティス)を最大限に活用して導入を進めるべし

失敗パターン2:商談で確認すべき項目が曖昧

スライド3

営業における商談はいくつかのフェーズに分けて管理することが一般的ですが、各フェーズで確認すべき項目群が曖昧に設定されてしまったまま導入に至り、失敗を招いているケースも多く存在しています。

商談のフェーズは、商談の成約確度を決定づけることを目的に設定されていますが、「このフェーズでは何を確認する必要があるのか」が定義できておらず、成約確度の判断が属人的になる傾向があります。
こういった属人的な判断が多くなると、売上予測の数値も的を得ないものとなり、実績と大きな乖離を産むことに繋がります。

CloudFitでは、商談フェーズごとの確認項目を構造化することを推奨しています。それぞれの確認項目をプルダウンで選択できるレベルで整理したうえで、SalesTechの設定に反映しています。これらが満たされることで、商談の難易度が測定できるようになり、成約確度も実態に即したものになります。

■教訓
商談の設計は超重要。プルダウン化できるレベルまで構造を整理する。

経営と営業現場の間にある矛盾を統合する

今回はVol.1として2つのケースをご紹介させていただきながら、「どんな結果を招くのか」「なぜ悪い結果につながるのか」「どう対処すればよいのか」などのエッセンスをお伝えさせていただきました。

これら以外にも本当にたくさんの失敗ケースがあるのですが、何より大切なのは、経営と現場の両方によって良いことを模索しつづける姿勢です。経営と営業現場の間には時に矛盾が生じてしまいますが、それを予見・察知し、テクノロジーをうまく活用して統合しつづけていくことに、クラウド活用の意義があると考えています。

CloudFitは「クラウドの力を最大限に引き出し、あらゆるビジネスを加速させる」をミッションに掲げ、クラウドサービスを使いこなすために必要な人的リソースとノウハウを提供し、日本社会におけるビジネスのデジタル化を支援しております。これからも、皆さまと共に課題を乗り越えていくなかで得たリアルなナレッジを随時、発信できたらと考えております。

スライド4

なおこの度、CloudFitではクラウド活用 無料相談会を受付を開始しました。オンラインでサクっと、ざっくばらんに相談いただける機会としてぜひご活用ください!(リンク先の右下に表示されるポップアップからエントリーをお願いします)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?