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独り言:画像生成AIの良くない部分

アニメ漫画系と、実写系でははっきりと違う事があり、それは前者には
「タッチ」や「絵柄」というものが存在がする。
実写系は、基本的にタッチを失くす方向にあるが、アニメ漫画系は、タッチを表現アイデンティティーとしている。

個人的にこの先、特にアニメ漫画系は結構荒れそうな未来が見えている。
なぜなら、画像生成AI出てから最初はAIしか描けないような独特な質感が強かったが、だんだんとクオリティが上がり細かい制御が可能になり、
「現実の置き換え」になる方向に向かっている気がするからだ。
ここで言う現実の置き換えとは、手描きの代替を意味する。
現実の絵師が描いた技術を模倣して置き換える行為だ。
これでは、絵師の立場としては面白くない。

現実の置き換え
は技術研究としてSNSで載せてるレベルではいいが、
商業レベルになってくると問題になる。
絶対に人間が描けない領域の画像を出力しているならいいが、明らかに現実の絵の模倣が出てくると不満が増えてくる。
一部では悪意を感じるようなものや金稼ぎだけのツールになっているがこういう事例が目立つからだと思われる。


SD1.5の画像、もはや懐かしさすらある
Counterfeit V3の画像


画像生成AIが出て、間違いなく人間をサポートするようないい機能は、
背景除去や物体除去、アップスケーラーや着色などだろう。
(こちらはこちらでdeep fakeの問題に絡んで来たりもするが)
これらはサポート的な機能なので、個人的にはもっとクリエイティブな使い方がないかと模索している。
本当はクリエイティブに考えるなら指が6本だったり、4本だったりとこういうものを積極的に受け入れるほうが面白いのだが、結局5本になるような技術が求められる。

生成AI全般に言えるが、どうしても実用性の話がでてくると面白さがなくなっていく。
もちろん単純作業の置き換えは必要だが、クリエイティブな領域では実用性が優先されるのはあまり褒められたものではない。
アニメ漫画系のAI技術は、現状の延長線にしか伸びていかないように見えてしまっている
クオリティ高いAI画像と絵師が描いた絵を並べられた場合は、自らペンを握って描き続けている絵師にしかその違いは分からないと思われる。

これは確実に絵師からすると脅威になる。
絵師が描く絵のコストよりAIが生成するコストのほうがすでに安い
素人が見て違いの分からないものの付加価値に余分に金は払わない
百均のハサミと、Made in Japanの1000円のハサミだったら、百均のハサミが選ばれる。
経済的合理性で社会が動いているので、こういう話が出てくるのは自然だ。
アニメスタジオがAI導入で少ない人材でアニメを作るなんて話題が上がっていたが、それはクリエイティブな行為ではなく、現実の置き換えでありコストダウンする行為だ。

AIがニュースの話題になる場合は、良くない間違った使い方を宣伝する記事か、反AIの記事が多い。
まともに生成AIを向き合っている人には、ニュースの話題が馬鹿らしい。
少なくとも、アニメ漫画系のAI画像は一部の絵師やクリエーターの逆鱗に触れている現状は良いものではない。
著作権の問題が話題になりやすいが、クリエイティブな領域において既存の領域を侵食すると職業クリエイターたちは心証を悪くする。
いずれにせよ金が絡まず、狭い範囲で楽しく遊んでいればいいのだけれど、こういう技術はどんどんに一般的に良くない形で広まる気がする、、、。


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