存在

私はきっと、生きていてもいいよと誰かに認めてもらいたいだけだ。

自分で自分を許せない。それが、息をすることさえも困難にしている。生きているだけで疲れる。こんなこと誰にも明かせるはずがない。みんなそれぞれ苦しみながらも必死に働いて生きている。部屋の中でこんなことを永遠と考えているような人間に発言権など無い。

何故こんなことになったのだろう。いつからレールは敷かれていたんだろう。高校を卒業した時は、何でもできる気がした。ゴミ屋敷から抜け出すことさえ出来れば、何からも縛られず自由に飛べるのだと勘違いしていた。長い間吸い込んだ毒ガスは、私の奥深くまで染み込んでいたのだ。

嫌なものが増えすぎた。潔癖症になってしまった。完璧でないものは、全て汚らわしいものだと勝手に脳が認識してしまう。だが事実として、この世に完璧なものなんて無いのだ。全てが開発中であるか、欠陥品であるかの二択だ。そんなこと分かっているのに。

唯一、大好きだった人間が三か月前に死んだ。ギリギリのところで生きているような人だったけれど、さすがにもう耐えられなかったのだろう。少しだけ解るような気がするので、責めるわけにもいかない。よく22年間も生きた。頑張りすぎだ。ゆっくり休んで欲しい。でも、月に一回は話をしたい。なんて考えているほど、私は彼がいない世界に適応していない。

何もしたくない。疲れた。頭が回らない。動けない。息を吸えない。乾いた。枯れた。腐った。