【読書感想】ネタバレあり:『1122』(渡辺ペコ)を読んだ

Amazon Primeに実写版ドラマがあった(オリジナルかな)ので、ちょっと観たら面白かった。先に原作を読了。ドラマはとても原作に忠実に作られているんですねえ。よき。
Amazon Primeオリジナルにいい印象がない(松本人志とか興味ないし、『A2Z』の深田恭子の芝居をする気がない演技がつらかった)のですが、これはキャスト・脚本ともによくできてるな~という感じです。高畑充希も岡田将生も大正解すぎる。

原作の礼くんはいかにもイマドキ男子って風貌なんだけど、同じような髪型・色の吉野北人くんが演じる礼くんは「お金払ったとはいえこんなきれいなものに触っていいのかよ!」という、きらきらさがあった。美しいなあ。絶対いい匂いするだろあれ。現世に存在するのかな。
原作の礼くんがいちこのどこを『好き』になったんだろ、と後でちょっと思ったのだが、たぶん「雑なのに熱意と誠意があるところ」なのかな…。そこだけはわからなかった。

原作ではなんか美月さん(おとやんの不倫相手)が読者に嫌われてたよう(検索したらめっちゃ出てきた)なんだけど、療育が必要な育児をしていて不倫する時間があるっていう部分でおかしかろうとはちょっと思った。友人が療育児をかかえているので…。
美月さんがおとやんに結婚の意志を問う場面はずるいなとちょっと感じましたが。夫に変わることを求めるより、『出来合いのよく出来た男』に取り換える方が、はるかに楽だろうから仕方ない。

結局、すべての関係性が変わるきっかけの『剣山』がえぐかった。検索でアジャストされる理由を理解した。
あの場面ちょっと鋏を使ったのかなと思って何回か見直したけど…。そう…刺した後、ぐりっとしたのね、ぐりっと。

最後いい感じに終わっていたけど、美月さんが産む次の子が、成長していく上でたいへんな思いをしなきゃいいな。
あと、おとやんは出来のいい男すぎて。
どこで売ってるんだ、あんな都合よく便利な男。


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