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セクマイな私がマッチングアプリをやってみた話

タイトルのとおりだが、セクシャルマイノリティ(一番強いのはアセクシャルとフィクトセクシャル、次点で可能性があるなと思っているのがバイセクシャル、デミセクシャル)である私がマッチングアプリをやってみて数日経過した体験談と感想を記す。

やってみようと思った経緯と理由


・別のnoteに投稿した例の彼女(下記のリンク先参照)のことがあり、自分にも恋愛(恋愛感情を持って相手と交流すること)はできるのではないかと少し思ったから

・自分をアセクシャルだと決めつけて、恋愛経験そのものを毛嫌いして生きるのも勿体無いのではないかと思ったから
・自分の友達の中で既婚者や結婚を前提とした同棲をしている子が増えて、「恋愛ってそんなに良いものなのかなぁ」と興味が湧いたから

というのが大まかな理由である。
ざっくり言うと「何事も経験」という気持ちと勢いからだ。

ここで断っておくが、私自身に今回少しだけ恋愛欲は湧いたものの、結婚や子供を持ちたいという気持ちは全く無かった。(これが後々効いてくるのだが…)
単純に「彼氏or彼女…つまり恋人と呼べる人が出来たらどんなだろう」という好奇心から、最低限失礼のないようにしながらお相手を探してみることにしたのだ。


登録したアプリについて

次に私が登録してみたマッチングアプリだが、4つある。

具体的な名称を挙げるのは控えるが、

・①,②主にセクマイの方が利用するもの
・③登録の際にセクマイ公表の設定をすることができるが、ストレートの方も利用するもの。カジュアルな友人関係から恋人探しまでできる多目的な出会いマッチングアプリ(かなり有名なもの)
・④おそらくストレートの方がほとんどの利用者であるもの(これも多分有名)

である。

まず①から③はいわゆる「いいね」的なものが相手から届いても全てを見ることができず、見るには課金が必要だった。いきなりマッチングボタンを押さないと相手とメッセージのやり取りができず、アプリ初心者には少々ハードルが高く感じた。

④は少なくとも女性として登録した私の画面では「いいね」やプロフィール閲覧の「あしあと」も課金せずに見ることができて、単純なシステムとしては④が一番利用しやすかった。

全てに共通して言えるのは、たとえ話の合いそうなお相手がいてマッチングし、アプリ内でメッセージのやり取りが始まっても、こちらからの初手のメッセージへの返答が来ないまま数日が経過し、そのまま終わるパターンが多々あるということだ。
単純に向こうからしたら、私が交流を深めるに値する人間ではないと判断されたのだろうが、アプリを使ってマッチングまでしたのに挨拶もなく終わるのは少し悲しかった。

使用した感想

次に①〜④を使ってみて起こったことや感想を記していく。


①と②は大差なく、ただただセクマイが本当に「マイノリティ」なんだなと思い知るような人の少なさだった。まず近所にセクマイさんが見つからない。
どちらかというと登録者は外国人の方が多いように感じ、現在は日本人の方1名・外国人の方2名とメッセージのやり取りが続いている。
いずれも遠方の方々だが、同じセクマイ同士で心を許せる部分もあり、やり取りに苦痛は感じない。むしろ心を許せる相手が増えたことに安堵している。
個人的にはもう少しセクマイの日本人の利用者さんが増えればなぁ…と思っている。もちろん外国の方とでも交流は楽しいが、私自身英語を堪能に使えるわけではないので…(自分本位な理由で申し訳ない)


③は正直言ってほとんど使えない。ぶっちゃけてしまうと、もともとこのアプリは身体だけの関係を求めている人も多いような気がしていたので利用する気は無く、ただ「セクマイ マッチングアプリ」で調べた際に、"このアプリの登録時に自分がセクシャルマイノリティであることも登録できる"と紹介されていたので、ならば…と登録したのだ。
しかし、セクマイ登録・表明ができるからといってマッチング候補一覧にセクマイさんが優先的に出てくるわけではなく、案の定身体だけの関係をダイレクトに求めるようなプロフィールの人まで出てきたので辟易とした。
唯一の利点としては、「友達」や「チャット相手」を求めているという表明も設定できるので、現在はその設定にして、話が合った方1名とのみやり取りをしている。
そして多分だけど、この1名の方とのやり取りが終わったらアプリを消すと思う。それくらい、セクマイ目的でインストールした身としては肩透かしをくらった。


④これに登録した理由は私にバイセクシャル…つまり男性のことも恋愛対象に入る可能性があるからだった。このアプリでは男性とのマッチングを探してみよう、と思ったのだ。
上述のとおり、使い勝手としてはこの④が一番良かった。しかしここで私は思わぬ自分の性的指向や願望と向き合うことになった。

登録時に趣味などを細かく入力する機能があったためか、それを見ていいねをくれたり足あとをつけてくれたりする男性はそこそこいて、私も「自分のことを気にしてくれたなら話してみようかな」という気持ちになったが、このアプリで一番引っかかったのが、プロフィール欄で選ぶ必要のある「結婚願望」についてだ。
この「結婚願望」は「すぐ結婚したい」「良い相手がいればしたい」「わからない」など、どれくらい結婚したいかを選ぶことはできるが、「結婚したくない」という意思は選べなかったのだ。

私は恋愛はしてみたいけど結婚は考えてなかったので、困った挙句に「わからない」を選び、その上で自由記入欄に結婚願望が無いことと、でも交流やお付き合いは真剣に向き合うということを記載した。
こうなってきて気づいたのだが、私(20代後半)あたりの世代の人間(男性)の大半は結婚を意識してそれを前提にしたお付き合いの相手を探しているのだ。
なのに私はその前段階の「恋愛って何?知りたい!だから誰か気の合う人と付き合ってみたい!」という段階にいる。結婚の前段階なのだ。これがこのアプリでの他の利用者と私との決定的な食い違いだった。


これを思い知ったがために、私は「できれば年上の方が良いな」という思いがありながらも、この人良いかもと思った年上の男性にも「でも年上の方ってことは結婚をより強く意識してるかも…」と遠慮してしまいマッチングができず、逆に年下の方だと自分が年長者として余裕のある振る舞いをすることができない気がして気が引けてしまいマッチングできず…という有り様だった。

結論的には、このアプリは使い勝手自体は良かったので登録情報自体は残しておくが、アプリ上の機能でアカウント休止モードのようなものがあったのでそれにしておいて、しばらく男性とのマッチングは避けることにした。
おそらく休止モードを解除して次にこれを使う時は、私が"本当に異性と結婚したくなった時"だろうと思う。

最後に


そんな中でも④で一人だけマッチングし、トークでの会話も弾んで実際に会う約束までした人がいたのでその話をしたい。
結論から言うと約束をした後で音信不通になって約束もパーになってしまったのだが。

せっかく約束までしたのに!と少しムカつく気持ちはあったが、それと同時に相手と会わないことになって安心した自分もいた。

と言うのも、趣味が合う方だったので相手とのトークは楽しかったし、実際に会うときにもいろいろお話できそうで楽しみではあったが、一方で常に私の心の中には「これ、別に恋人じゃなくて友達でもよくない?」という思いがあったのだ。趣味関係で繋がるなら別に友達としてでも…むしろ友達と何が違うんだ?という気持ちだ。

更に言うと、フィクトセクシャルでもある私は、大好きな二次元の作品の一番愛する男性キャラクターの姿を見ると、なんだか浮気を堂々としているようで申し訳なく思えてきてしまったのだ。私が一番愛しているのは彼で間違いないのにな…と、どうしても思ってしまった。

このマッチング→音信不通に至るまでの経験と心境があり、私は現実の男性を愛する自信がほとんどなくなってしまった。
私の周りには、いわゆる二次元キャラへの夢女をしながらも彼氏を作って付き合っている友達もいるから、私にも二次元愛と現実での恋愛の両立ができるかも!と思っていたが、浅はかだった。私には無理だった。



以上が、セクマイである私がマッチングアプリを使ってみた結果である。

個人的にはやはり女性相手の方が心穏やかにやり取りができたので、①②のようなアプリの利用者が増えることが望ましい。
何でなのかは分からないが、男性相手だと私の心のフィクトセクシャルな部分が「違う!私が愛してるのは彼(二次元キャラ)だ!」と叫ぶのに、女性相手だと恋愛をしてもいいなという気持ちになる。女性相手だって恋愛は恋愛なのだから、フィクトセクシャルの観点から言えば「浮気」に他ならないのに、我ながら変な話である。

ただ今回の経験で「もし現実でお付き合いするなら女性かトランス女性が良い」「お付き合いまで発展しなくてもセクマイの方と繋がることは安心感にも繋がる」「私はバイセクシャルだと思っていたが、レズビアン寄りのバイセクシャルなのかもしれない」ということが分かったので、交流が続いている方とはこれからも交流を続けながら、気長に自分の恋愛観と向き合っていきたい。

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