《パイオニア》格安で始めよう!赤単スライ
こんちには。時計です
前作、時計式デーモンストンピィの記事はおかげさまで多くの方に読んでいただきました
この記事からレガシーに興味を持った、実際に作ったという方もちらほらいて、投稿者としても嬉しい限りです
さて、前回の投稿から約2ヶ月。MtG界隈は特段大きな動きもなく、ここの文章の執筆時点(2024/03/11)では禁止改訂を待つばかりとなっています
(追記:モダンで暴力的な突発禁止、ヴィンテージで思案解禁でした)
各フォーマットはそれなりに群雄割拠ではあるものの、明らかに環境を支配しているカードやプレイや競技性の担保に問題を来しているカードなど禁止候補自体はそれなりにある印象です
果たしてどうなるのかいちプレイヤーとしても楽しみですが、今回の記事はそんな環境とはあまり関係無いパイオニアの格安構築の紹介です
今まで黒だの青だのバントカラーだのを紹介してきた手前ですが、本職はゴリゴリの赤単使い。なので今回のデッキは個人的にもお気に入りだったりします
相も変わらず長い文章になるかと思いますが、お付き合いいただけると幸いです
1.はじめに:戦場の霧と速攻の戦術性について
突然ですが、みなさんは「戦場の霧」という言葉をご存知でしょうか
これはプロイセンの軍事学者、カール・フォン・クラウゼヴィッツにより定義された言葉です
非常に乱暴な解釈をすると「有史以来、戦場における作戦遂行や戦闘に際して必要な情報が完全に集まることは極めて稀」というもので、だけどその中でも意思決定やらはしなければならないとし、そのための知識や考え方、必要な要素が展開されていきます
リアルの戦争においては装備の差や戦争そのものの経過、攻めるか守るかでこの霧がどれだけ晴れるかは変わってきます。しかし基本タイマンのMtG構築戦では、この霧は自分にも相手にも平等に立ち塞がるのです
最初に開示されるのは手札の枚数と例外として相棒の名前。毎ターンの経過の中で徐々に霧を晴らしていくのがMtG(というよりTCG全般)のゲーム性に大きく寄与しています
しかしこれはMtG、霧が晴れるまでチンタラしている余裕はありません。戦略目標が双方共に「相手より早くルールで定められた条件を満たす」である以上、必ず相手に先んじて行動を起こす必要があるのです
ではこの「相手より先んじる」とはいつでしょうか
相手が4ターン目からの動きを主軸としているなら3ターン目に、3ターン目を主軸としているなら2ターン目です。ではそれを突き詰めていくとどうなるのか?それは行動可能になった瞬間、即ち1ターン目となるのです
戦争における速攻の有用性は古くから記述されています。有名なのはやはり『孫子』における「故に兵は拙速を聞く、未だ功の久しきを観ざるなり」でしょうか。情報の出揃うのを待つより、多少荒削りでもさっさと動いて勝利を得ることが肝要であるというこの言葉は、MtGでも十分活かすことが可能です
しかし我々はここで、ボンクラ御用達のビジネス書みたいな誤謬に陥ってはなりません。素早く動くためには、それを可能にするための前提条件が必要不可欠です
作戦遂行の期限は?それを可能にする装備は?またその補給は?etc... これらの疑問に答えて初めて、速攻というのは戦術的価値を持つようになるのです
そしてMtG的には、この疑問への答えが構築となるのです。次項では、その具体的なレシピとカード解説をやっていきます
2.デッキレシピ、各カード解説
見ての通りな赤単速攻。メインは全てのカードが4枚投入
1種以外は全てアリーナ実装済みなのでそちらのエクスプローラーでも再現可能です
全体的にかなり軽量な構築で、クリーチャー・スペル共に単体性能を重視した内容になっています。昨今のミッドレンジ志向やウィザードシナジーありきの赤単とはまた違う、往年のデッドガイレッドやラブルレッドをリスペクトした正統派スライです
それでは早速、各カードの解説に移っていきます
・《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
現代赤単の代表格。説明不要の切り込み隊長
今回の構築では後述する2種8枚の強化スペルによって、一撃の威力をより高めることが可能になっています。序盤から4~5点を一気に持っていくことも珍しくありません
速攻を標榜するデッキである以上、このカードを抜くことは考えられません。フル投入必須です
・《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》
赤黒混色の1マナクリーチャー。ラクドス教団のキーワード能力"解鎖"によって、登場時に+1/+1カウンターが乗った状態で出てきます(乗せないことも可能)
ラヴニカへの回帰期スタンの赤単を大いに支えた1マナクリーチャー。テーロス収録の《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》と併せて、1マナパワー2のポスト《ジャッカルの仔/Jackal Pup》8枚体制を取ることが可能でした
スライ隆盛の影に必ず存在するこのポストに、今回はラクドスの哄笑者を採用。カウンターが乗っているとブロックできないという些末なデメリットの引き換えに得たタフネス2が魅力的です
普通に出しても熊相当、後述する熊野と渇苛斬の対峙を絡めればパワー3/3と1マナで熊以上になれるこのカードは赤マナ1点あたりの効率を最大限重視する上では一番の選択肢でした
このカードだけは現在(2024/3)時点でアリーナ未実装なので、エクスプローラーで組む場合は別のカードを採用してください。私は《エンバレスの古参兵/Embereth Veteran》を使っていましたが、相手にコントロール奪われた際にめちゃくちゃ面倒なことになりました
これから組む方は《ファルケンラスの過食者/Falkenrath Gorger》をおすすめします
・《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》
NEO神河で登場した1マナ英雄譚。エンチャントですが実質クリーチャーなのと運用法がクリーチャーと密接に関係しているためここで解説
上環境でもしょっちゅう見るカードなので能力については説明する必要は無いでしょう。表面だけでも上手くいけばショック相当のダメージ効率、裏返って1回殴れればそれだけで稲妻を越えられます
今回解説したいのは出す順番、特に1・2ターン目の動きに絡む場合です。基本は初手に出すので問題無いのですが、僧院の速槍1体を含む1マナクリーチャーが2枚ある場合は初手に出すとダメージ効率が落ちます
例えば速槍2枚とこのカードがある場合。1ターン目にこれを出してしまうと出た時1点/カウンター乗った速槍2点+乗ってない速槍1点で4点ですが、あえて2ターン目に回すことで速槍1点/出た時1点+果敢の乗った速槍2体の4点で合計5点になりダメージ効率が上がっています。片方が哄笑者になった場合はより顕著ですね
このように、いいカードであるだけに運用法も少しテクニカルになっています。このカードを絡めた動きで常に最高効率を目指したいですね
・《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
初登場時から今まで赤を支え続けている大黒柱。出来事面によってタフネス2以下のクリーチャーを駆逐し続け戦場を進む姿はまさに進撃の巨人。後述のかき立てる炎がやや特殊な立ち位置であることを踏まえると、事実上一番重いカードと言えるでしょう
その性能は勿論折り紙付き。出来事面はによって火力を温存しつつ除去を行い、クリーチャーとして盤面に出ればその高スタッツと能力によってアドバンテージを稼いでくれます
またパイオニアではあまり見ませんが、プロテクションを貫けるのもグッド。モダン以下やヒストリックなどでは《一つの指輪/The One Ring》のプロテクションを自分の顔面焼いて無効化するテクニックがあります
使用上の注意としては、自分がこいつ対象にした強化スペルにも反応してしまう点があります。といってもたかが2点な上に素のスタッツをより活かせるため、あまり気にしなくて大丈夫です。リスクを恐れるのではなく、そのリスクの中での最大効率を目指しましょう
・《ショック/Shock》
火力スペルの基本のキ。パイオニアで顔面に飛ばせる火力としては一番の効率です。除去から詰めまでユーティリティ
なんで火遊びじゃないんだよと思われるでしょうが、一番の理由は単純に高いからです。一応初心者さんや新規の方へ向けて書いている以上、オマケつきとはいえたかがショックに1枚400~500円前後は流石に高すぎます。クリーチャーに撃つとバリューが下がるのも少しマイナスポイント
また構築から考えた場合、このデッキ2点以上の火力って24枚あるんですよね。これによって赤単特有のトップデッキで無駄牌掴まされるというのがかなり軽減できているので、それならわざわざトップ操作の札入れる必要無いってのも理由です
歴史あるカードなだけに絵柄が結構あるので、お気に入りのショックを選ぶのも楽しいポイント。こだわりを見せてライバルと差をつけましょう
・《稲妻の一撃/Lightning Strike》
火力スペル基本のホ。このデッキにおける価値基準ともいえるカードでもあります
最近増えてきた「クリーチャーだけに撃てる代わりにオマケつき」とは違って、対象が自由な分使いどころは考える必要がありますが、最初の内は「序盤は相手のクリーチャーに、ライフが一桁になったらなるべく相手に撃つ」を徹底してみるといいかと思います
戦術の軸足かつ攻防の要なこのカード、上手く使いこなせれば一人前と言えるでしょう
・《かき立てる炎/Stoke the Flames》
火力スペル基本のン。エターナルの最終兵器《火炎破/Fireblast》を彷彿とさせるインスタント4点ダメージのリーサルウェポン
4マナながらもフル投入されているのは、ひとえにそのキーワード能力"召集"によるものです。盤面のクリーチャーをマナの支払いに充てられるこの能力は、速攻の弱点を見事にカバーしてくれています
このデッキに限らず軽量級のデッキは、基本的に3ターン目ぐらいまでは相手より先んじて動けます。しかし、相手のリソースが整ってくる4ターン目以降になると高スタッツのクリーチャーなどに阻まれて盤面で動けなくなってきます
スライの火力はこの状況下でも動くことを目的として採用されることが多いのですが、そうなると今度は土地を切り詰めているため取れるアクションが少なくなる、というジレンマがつきものでした
そのジレンマを解消し、なおかつ詰めをより強固にしてくれたのがこのカード。盤面で動けなくなったクリーチャーを火力に変換でき、なおかつ実質使用マナを減らせるため追加のアクションが取りやすくなるのです
さらに4点火力というのも大きなメリット。1枚で初期ライフの2割を消し飛ばせるこのカードはシンプルに強力。後述のレガーサへの侵攻と併せてバーン的な動きを可能にしてくれました
今は4枚取っていますが、序盤から手札に来られると困るカードでもあります。使用者によって枚数が変わる枠かもしれませんね
・《レガーサへの侵攻/Invasion of Regatha》
機械兵団の進軍で登場したバトルの一種。ソーサリータイミング限定とはいえまさかの4点/1点の分割5点火力
あまり評価されていないものの、赤単使いにとっては垂涎の一枚。3マナという時点で序盤の展開に絡められる上に、クリーチャーにもダメージを与えられるのは流石令和のカード
1点ダメージというのは結構馬鹿にできず、単純にコンバットで相討ち以上を狙いやすくなるほか、マナクリーチャーのような序盤に出てくるシステムクリーチャーやチャンプブロック要員をテンポ損せずに除去することができます
上記のかき立てる炎と併せて4点火力が8枚。極論、妨害を考えなければこれらのうち5枚を相手に叩き込めばそれだけで勝てます。それだけ4点火力というのは赤単にとってバリューの大きなカードなのです
なおこのカードも条件を満たせば裏返ってクリーチャーとなりますが、このデッキではそれを達成しようとすることはありません。火力として存分に腕を振るってもらいましょう
・《巨怪の怒り/Monstrous Rage》
強化スペルその1。エルドレインの森特有の役割付与つきのインスタント
赤の強化スペルの次元を一つ上げたカード。単純な修正値もさることながら、役割トークンによって恒久的な強化とトランプルを付与できるようになっています
戦闘を補助するスペルとしては百点満点な上、緑の《怨恨/Rancor》と違いタフネスも上がるため戦闘や火力による除去に若干の耐性がつくのもありがたいポイント
前のめりなこのデッキを後押ししてくれる名カード。一応スタックで除去やバウンスされたりすると立ち消えるので、相手の立ててるマナを確認しつつ撃ちましょう
・《反感煽り/Antagonize》
強化スペルその2。タフネスの修正値が1下がった《剛力化/Titanic Growth》
思ったより使い勝手のいいカード。基本タフネスが2以上のクリーチャーばかりのため、攻撃だけでなく火力に対応して撃つことで除去を逃れたりもできます
もちろん攻撃の時に使えば天下無双。ブロックされなければ最低6点のダメージを叩きこむことができます。初手1マナクリーチャーからの強化スペルは、このデッキの十八番であるため積極的に狙っていきましょう
余談ですがこのカード、『高校鉄拳伝タフ』のこのシーンに見えますよね
・《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》
4マナと自身のタップ+砂漠をサクれば2点ダメージの土地。ただし色マナ出す度に1点ダメージ
アモンケット期のスタンダード環境をエネルギー系デッキと共に二分したラムナプ・レッドのキーカード。スタンでは天寿を全うできず収監されましたが、パイオニアではその力を思う存分発揮しています
この構築では実質5マナで使い切りですが、すでに証明されているだけの強さはあり、手札が無くても撃てる火力というものの強さを改めて実感できます
赤マナを出す度に食らうダメージもそこまで気にする必要はありません。なぜならこれが致命傷になる前に相手が敗北するからです
やられる前にやるという気概で使いましょう
以上がメインデッキのカードでした。続いてサイドボードの解説です
・《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》
頭パーなウィザーズによる不手際の産物、サヒーリコンボ対策としてこの世に生まれたカード。しかし発売時には対策相手は禁止になっていた上に、ラムナプレッド弱体化のため半ば冤罪気味に禁止。スタン落ち直前に釈放という壮絶な半生を送ってきました
スタンダードでは活躍の機会を奪われていたこのカードも、パイオニアではいぶし銀なナイスガイ。このデッキの弱点である小型の横並びとライフゲインの両方を1枚で対策できます。このデッキで嬉しいのがライフゲインの阻害、特にライフゲインをギミックとして取り入れやすい白ウィニーをメタれるのは嬉しいですね
スタッツもで比較的良好なのでビートダウン要員としても文句なし。恐竜の怖さを思い知らせてあげましょう
ただこのデッキで現状一番高いカードでもあるため、手が出しにくいと思った方は《巨大焦がし大口/Giant Cindermaw》での代用も可能です
・《神々の憤怒/Anger of the Gods》
全体3点火力。こちらはボロス召集のようなデッキ向けのカードです
より正確に言うのであれば、序盤から攻めてくるようなデッキ特有の「フルタップでターンを回してくる」「殴るまでにラグがある」「リソース確保が苦手」という弱点を突くカードです
この赤単もそうですが、基本的に序盤特化のデッキはその代償としてリソース確保に多大な難を抱えています
基本はリソース不足になる前に勝負を畳むのですが、それができないと一気に不利になるのがこの手のデッキ。ならばそれを能動的に起こしてやろうという訳ですね
このカードをサイドインする際は序盤から動くのではなく、最初は火力によるリアクティブな動きを心がけましょう
火力で頭数を減らし、それでも残ったクリーチャーは全体火力で一掃。その後息切れした相手を当初の速攻ムーブで削り切りましょう
・《揺らぐ信仰の呪い/Curse of Shaken Faith》
各ターン相手の2つ目以降の呪文に反応して2点を飛ばすエンチャント。感覚としては《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》に近いです
大歓楽の幻霊との違いは「自分には影響がない」「3マナより大きい呪文にも反応する」「メタ対象が広い」の3点です
特にメタ対象に関しては1ターン3つ以上の呪文詠唱が戦術の鍵になっているイゼットフェニックス、コンボの過程で必ず複数の呪文を絡ませる必要のあるロータスコンボなどパイオニアを代表するデッキがそのままメタ対象として入っています
これらのデッキを1枚で咎められ、それ以外にも幅広い相手を睨めるのでかなりサイドイン頻度は高いカードです
ただ相手を対象に取るため、神聖の力線のようなプレイヤー自身に呪禁を与えるカードには手も足も出ません
・《沈黙の墓石/Silent Gravestone》
墓地対策。イゼフェニが揺らぐ信仰の呪いで対策できているため、こちらはアブザンパルへリオンのようなリアニメイト系への対策です。4マナの墓地追放はあまり使う機会がありませんが、これによって墓地利用全体もメタれるカードです
あくまで対象に取れなくなるだけなので《魂剥ぎ/Soulflayer》はメタれないので気を付けてください
3.ウィザードシナジー不採用の理由
上記のレシピと現在メタゲームデータ上で見比べた際、一番異なるのはやはりウィザードシナジー要素の有無、特に《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》と《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning》の不採用でしょう
まず魔導士の不採用、これはシンプルに単体性能とデッキ理念の不一致です
先にも述べたように、このデッキでは赤マナ1点当たりの効率と速度を最大限に求めています。そうなった際基準となったのが速槍の速攻と、それを基にした2ターン目に自分だけで2点を出せるクリーチャーです
このデッキで採用されている哄笑者や他の候補などが採用されているのがこの理由である以上、果敢持ちとはいえ2ターン目に1点素しか自力で出せないクリーチャーは採用見送りとなりました。これはそのまま《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》の不採用にも当てはまります
そしてこれらの不採用理由が、そのまま魔術師の稲妻の不採用理由にも繋がっていきます
ただでさえシナジーありきのカードな上、これらシナジーを形成するカード総体の不足(速攻と噛み合う赤単色のウィザードはせいぜい3種ぐらい)しています
さらにクリーチャーというのはMtGの中で最も除去されやすいパーマネントですし、そもそもクリーチャーというのは毎回展開できる
訳ではありません
それら不安定シナジーがあって初めてアドバンテージとなるようなカードを採用するか、と考えた場合私は否と結論付けました
勘違いしないでほしいのが、別にこれらのカードが弱いという訳ではありません。単純に設計思想と合わないというだけです
個人的にウィザードシナジーを最大限活かすのであれば、赤単よりもむしろ青赤じゃないかなと考えています。《魔術師の反駁/Wizard's Retort》もありますし
いつかウィザード軸のクロック・パーミッションも組んでみたいですね
4.他のおすすめカード
今回のデッキは今の構築でほぼ完成している(と自負している)ためそこまで思いつかないのですが、一応何枚か候補を挙げておきます
・《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》
不採用のウィザードの一角ですがこれは別格。出た時にショックの2マナクリーチャー
単体で完結しており、かつ上記の2ターン目2点の条件も満たしています。スタッツ自体も赤のクリーチャーとしては平均レベルで採用圏内。今回は速度も重視したかったので採用しませんでした
元々のレアリティやチャレンジャーデッキでの再録によって大量に出回っているため、入手難易度の低さもおすすめな一枚。カード資産が少ない状態から買いそろえる場合はオススメです
・《乱動する渦/Roiling Vortex》
モダン以下需要で暴騰したカード。毎ターン1点ダメージと無料詠唱メタ、起動型能力でライフゲイン禁止
モダン以下だとかなりいいカードなのですが、大前提として0マナで唱えられるカードの少ないパイオニアではあまり仮想敵がいないと思ったため今回は不採用。今後も入れる必要は薄いかなと思います
ただモダン以下では普通に優秀なカード。なんならレガシーでも使えるので、今回の構築で赤単に魅入られた方は買って損はないと思います
ここ書いている時点(2024/3/12)にモダンで猛威を振るっていた《暴力的な突発/Violent Outburst》が禁止になったので、今後は少し値下がるかもしれませんね
・《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》
土地からのダメージソース候補。ラムナプの遺跡とは違い、手札から直で能力が使えるのでランデスに強い。その代わりにダメージではなくトークン生成なので、状況によっては役に立たない。さらに伝説の土地なので2枚以上採用すると土地事故の危険性が高まる
リターンに対してリスクが釣り合っていないため不採用。ただ1枚ぐらいなら山の代わりに入れてもいいと思います
5.さいごに
以上が格安で組める赤単スライの紹介でした
正直今まで紹介してきたデッキの中でも一番のお気に入りで、胸を張って勧められるないようになっていると思います
晴れる屋で調べたところ、メインデッキが最安値で約5,000円でした。サイドボードが少し高いですが、併記した代用カードもある他、アリーナで感触を試すこともできるのでこちらは触ってみていいなと思ったら揃えて行ってください
近年あまり見られなくなった王道のスライですが、使ってみるとやっぱり楽しいし強いです。黎明期からあるアーキタイプだけあって洗練されていると思います
初心者や復帰勢の他、MtGを布教するためのデッキとしてもおすすめです。戦闘、コンバットトリック、火力とMtGの楽しいところが詰まっています
興味を持ってくれた方はぜひ組んでみてください
今回もまた長い文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました
余談
普段はこちらのサーバーで活動しています。低予算でのデッキ作成だけでなく各々が考えたレガシー環境やデッキについての話やフリープレイなんかもやってます
レガシー以外のフォーマットの話もしているので興味がある方はぜひ一度覗いてみてください
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