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チームで学ぶとは?(後編)

Childcare Leadership Journey(以下:CLJ)の活動は2023年1月より開始しました。これまでの活動を振り返り、どのような学びを得られたのかをメンバーで話し合いました。

後編はチームとしての活動にスポットを当てながら、メンバーの対談形式でお届けします。

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学びのかたちついて考える

「学ぶ」ハードル 実は第一歩にあった

藤原:そもそも園長が学ぶってことには、労力がいるものなの?

中西:すべての園には当てはまるかは分かりませんが、園の行事や、書類作成など、園の運営って、ルーティン化しようと思えばできてしまうんですよ。毎年、ただ同じことをくりかえせばいいというか……。
わざわざ学びに行って、「ルーティン化している現状を変えよう」と思う人はあまりいないのかな、と思っています。
わざわざ新しいことを学んだり、変えていったりしなくてもいい、できることならそうしたい。だから、何かを学んだり、変えたりすることは最初に大きな労力がいるんです。

裏部:ルーティン化してしまうのもそうだし、園の中だけで業務が完結してしまうので、どうしても考えが凝り固まりがちですよね。
園長には「変わろう、変えていこう」、と気持ちを固めて学ぶ感覚を持っていない人が多いんじゃないかなぁ。
それに、いざ学びを深めようと思っても、「何を学べばいいかわからない」「どこでどう学んだらいいかわからない」と最初から壁があるんですよ。普段の仕事も忙しいし、自分に興味のあるものに対して「一歩踏み出しにくい」のが園長なのかもしれない。

中西:そもそも、仲間がいないと「研修に行こう!学ぼう!」という気も起きないかもしれないですね。私は一法人一施設で運営しているので、仲のいい園長っていないんです。そうなると、ついつい自園に引きこもりがちになってしまいますね。

藤原:一緒に学びに行く人がいると同じものを触れても、視点が違ったりするから視野は広がるのかもしれないね。

本と対面、どうちがう?

藤原:視点や視野って話で言うと、保育者や園長が学ぶ方法っていくつかありますよね。本を読む場合、セミナーや研修に参加する場合、見学する場合などがあると思うんだけど、どのような違いがあると思いますか?

中西:本は自分のペースで学んでいくけど、本はあくまで「自分で購入したもの」だから「本気度」が下がっている気がするなぁ……。
もちろん、本も考えるきっかけにはなっているけど、研修担当者や見学先で"人に会う"場合は、「この人に時間を割いてもらって、話をきいている」「ちゃんと学びを持ち帰って、実践することが、その人への恩返しになる」という意識がより強くなると感じています。

裏部:僕の場合、思考のスピードが違う気がするかなぁ。
本でも研修でも、「このキーワードは自園のここと結びついてるのかなぁ」「どう自園に取り入れるかなぁ」と考えてながら学んでいるけど、本の場合は、思考が脱線して何度も寄り道しまって読み切れないことが多いかも。
僕は、そもそも本を読むのが苦手だから、良さそうな本を見つけると、主任たちに読んでもらって要約してもらってる。本解説YouTuberみたいに。

中西:え……。

藤原:それは、ちょっと……。

裏部:え!?

チームで学ぶ意義

藤原:メンバー全員で参加した、全国私立保育園連盟の新任園長セミナーでも「園長は孤独」という話があったよね。同じ悩みを抱えている園長は、多いんだなぁと思った。
それに、3人で研修を受けたのは新鮮だったなぁ。研修の取材という立場だと、でしゃばらないよう後ろで傍聴してさっと帰ることが常だから、休み時間に「面白かったね!」「疲れたねー」なんて会話するのが楽しかった。

中西:学生の頃に戻った感覚でしたね(笑)

裏部:講師や一緒に研修を受けてできた仲間に、相談してみるのも貴重な経験だったなぁ。すると、よりダイレクトな意見をもらえるし、一緒に行った人と対話も生まれる。

藤原:一歩踏み出すこともそうだけど、学んだことを自分の言葉にできるように咀嚼できていなかったり、せっかく学んだのに実践までいけなかったりする人も多いと聞きます。
最近、講義を受けて数か月後に自園の取り組みを共有していく「往還型研修」が盛んだけど、学んだことをにフィードバックしたり、アウトカムする機会が大事だという流れが、業界全体で起きているんじゃないかな。

みんなであーだこーだ言いながら学びを深めたり、次の学びに繋げたり……そういうことをできるのが"チームで学ぶ強み"なんじゃないかな。

中西:実際にチームで活動すると、裏部さんは、常に自園に持ってすぐに実践しようとする姿勢がすごいなぁといつも思っています。
私は園長になった時に『のんびり変えていこう』と決めてたんです。学んだことも「今はこの段階じゃないな」といったん保留としているパターンが多いんですよ。

藤原:中西さんの「保留」っていうのは、「今じゃない感覚」なの?それとも「これは労力かかるから、やめておこうかな」って感じ?

中西:その二つで言えば「今じゃない感覚」ですね。
組織や保育がいまいるフェーズは常に意識しています。
「今、これを導入しても混乱するだけだな」って思ったものは心に留めておきます。ただ、保育や職員に向き合っていれば、自然と学んだことを活かすタイミングってちゃんとくるんですよね。うらら保育園の齊籐真弓先生は保留するときのことを、「天日干し」って呼んでいたんですけど、とても良い表現だと思います。

CLJは一緒に学ぶメンバーを募集しています!

CLJでは以下のような活動をしています。

  • 保育内容やマネジメントを学びに様々な園を訪問。

  • メンバーで研修に参加し、フィードバックを通して学びを深める。

  • 学んだことをSNSやNote、音声など各メディアで発信。

CLJでは、一緒に学ぶメンバーを募集しています!一緒に保育やマネジメントを学ぶ度に出てみませんか?

興味がある方はXアカウントもしくは下記【クリエイターへのお問い合わせ】からメッセージをお願いします!

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