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ClipLine流 DX for CX&EX サービス業の利益に直結するDX

金海さん2明るさ調整


こんにちは。PRの井上です。今月1日にデジタル庁が発足しましたが、それを待たずしてデジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉はすっかり世間に定着しました。しかし、その中身については曖昧な点も多く、何から取り組めばいいか悩んでいる企業も少なくないのではないでしょうか。
弊社取締役COOの金海が考えるDXについてぜひご一読ください。

DXは究極的には「儲けの手段」である

何をDXしたらよいのか、というのはなかなか難しいテーマです。今やITツールの選択肢は星の数ほどありますが、そういう時は目的に立ち返って整理してみるといいのかなと考えております。

DXをいくつかのレイヤーに分けてみます。まず、自社のサービス提供方法(提供価値そのもの)をDXする、例えばリアルな店舗をデジタルにのせたECサイトを作るということがあります。その手前には、業務プロセスの中にITを組み込んで業務品質・効率を上げていくためのDXがあります。さらにその手前に、教育・学習にデジタルを使うという考え方もあろうかと思います。サービス提供、業務プロセスはCXに、業務プロセス、学習・教育はEXにつながります。

主催者講演1(ClipLine)

目的を考えますと、学習・教育をするのは業務品質を上げるためであり、業務品質を上げるのはサービス品質を上げるためです。そしてサービス品質を上げるのは、利益の創出のためということになろうかと思います。つまり、DXは究極的には「儲けの手段」でなければならないというのが我々の考えで、EXでもCXでも個別業務のデジタル化で完結させるのではなく、EX→CX→業績向上という流れをいかにして作っていくかを考えるべきではないのかというのが我々の立ち位置です。


模倣されやすい高コストの「本部施策」と
模倣されにくい低コストの「現場施策」

サービス業において、売上を上げるためには、広告・宣伝強化による認知向上、新商品・新サービスの展開、ディスカウント、コラボレーションなどの販促施策、アプリ・ポイントプログラムなどのリピート施策などを実施することが多いかと思います。これらは「本部施策」であり、現場ではなく本社の間接部門が企画して実行に移していくものです。数千万円から億単位と投下コストが大きく、比較的目立つため他社に模倣されるリスクが大きく、過当競争で企業体力を蝕むケースも多くあろうかと思います。

それに比べ、マネジメント強化や、オペレーション伝達の仕組み化により実行力向上やバラツキを低減するというのは「現場施策」です。追加する投下コストは比較的小さく、他社からも真似されにくいという特徴があります。いろいろな企業様とお話させていただくと、ここに苦手意識を持たれているなと感じることがありますが、今は、IT活用でより早く確実に成果が出せるような世の中になってきています。

ちなみに、本部系の売上増加施策は、施策の成果を大きく出せる拠点もあれば出せない拠点もあり、山のような形にバラつきますが、このバラツキを内包したまま全体を引き上げるため非効率で高コストになります。

主催者講演2 (ClipLine)

「儲けるDX」とは「組織実行力を高めるDX」

一方、組織実行力(現場力)強化は、良いところのやり方を横展開して全体の品質を高い方に揃えてバラツキを低減し山の形を変えることができます。

主催者講演3 (ClipLine)

ベストプラクティスを伝播させることで全体の品質を向上させるのに、多拠点であればあるほどノウハウがたまりやすいため正解を見つけるスピードが速くなります。つまり規模の大きさが弱みではなく強みになります。規模の大きさはスピード面で弱点に捉えられがちですが、実際には、現場でのノウハウがものすごいスピードで多くたまっているはずで、これをどう生かすかがとても大事です。また、サービス業において売上比30%ほどを占めるといわれている人件費という莫大なコストに対して、パフォーマンス改善を諦めずに費用対効果を最大化することも意義だと思います。

ここまでをまとめますと、我々が考えるDX for EX & CXとは、EXをCXに、CXを業績に転化していくための組織実行力の強化が大変重要であるということ、そして、サービス業において「儲けるDX」とは「組織実行力を高めるDX」であるということです。


サービスマネジメントの難所となるピラミッド組織の構造問題を解消する

組織実行力を高めるために何に注目すべきか。一人ひとりは勤勉に働くにも関わらず、組織になると生産性が低いのはなぜか。一つは組織のピラミッド構造の中にある伝言ゲームです。伝言ゲームは残酷なシステムで、途中で誰か一人でもうまく理解できない・伝えられないとその先が全滅する構造になっています。また全員に伝わるまでのリードタイムも長くバラツキが起こりがちです。

主催者講演4 (ClipLine)

ただ解像度を上げてこの状況を見ると、実はミドルマネージャー・店長と呼ばれる方たちまでに対しては、かなり丁寧に情報を伝えていることが多いです。コロナ前でいえば月に1回は本社に集まって店長会議をしたり、現在でもオンラインで社員が顔を合わせ議論したりしています。しかし大事なのはその先です。実際、自社サービスを顧客に対して提供している現場スタッフに対しての情報伝達は拠点長任せになっているというケースが多いと思います。

一方、拠点長から見ると、いろいろな人からいろいろなことをいろいろなタイミングで言われ、これを全部伝えなければならないというのはなかなか大変な話で(拠点長がボトルネックになる砂時計型の構造)、バラついても当然だという話になるかと思います。つまり、いちばん大事なラストワンマイルがいちばん大変な人に任せっぱなしになっていて、全部回っていないというのが一つのバラツキを生む構造なのではないかと考えております。

主催者講演5 (ClipLine)

構造問題には構造的な対処が必要だということで、我々が提供させていただいているサービスでは、拠点長に武器を持たせ、砂時計のくびれになっている部分の通りを良くする(①拠点長に武器を持たせる)、情報によっては拠点長をいちいち通さない(②本部と現場スタッフを直接つなぐ)、そして本社のやり方ではなくて隣の拠点で実際にうまくいっているやり方を学んですぐに取り入れる(③他拠点から学ぶ)、といった形で組織としての実行力を底上げしていく使い方をご提案しております。

主催者講演6 (ClipLine)


マネジメントのDXが成果につながらない場合、
どこかに穴がある

今までのような話をするとリアクションとして、一つ「eラーニングは導入済みだけど」という話をよく聞きますが、それがきちんと実行され仕組みとして回っているか、顧客満足に必要な要素は十分か(部分的な学習になっていないか)という点が重要かと思います。一部だけでは、これが何に繋がるのかという現場の納得感が出ないことになろうかと思います。ブラッシュアップの方向性としては、紙のマニュアルや座学を動画にするのではなく、OJTの動画化に取り組むことが考えられます。非常に現場が楽になるので使い勝手が良くなります。

二つめに「店舗への業務指示系にITサービスを使っているよ」という話です。チェックポイントは、拠点長止まりになっていないか(拠点長から先は結局人に任せる構造になっていないか)ということです。拠点長で止まっていればそれは伝言ゲームと変わりありません。ブラッシュアップの方向性は、ラストワンマイルに直接働きかけること、一方通行ではなく確認・フィードバックをする仕組みをつくることが考えられます。

三つめに「コミュニケーションツールは入れているんだけど」という話です。チェックポイントはコミュニケーションの目的はクリアか(コミュニケーションのためのコミュニケーションになっていないか)ということです。DX for CX & EXというタイトルにありますように、それがお客様の体験価値にどう繋がるのか、業績にどう繋がるのかという切り口で、お客様の満足にもお店の売上にも繋がるという流れを作っていくためのコミュニケーション(現場の生きたナレッジを共有する)という整理をしていただくといいのかなと思います。

取り組んでいるのに結果が出ないというケースは、テーマが悪い可能性があろうかと思います。やっても成果の見えないテーマや、現場の納得感がないテーマであるとなかなかうまくいきません。また、実行が中途半端になっていないか、組織の2:6:2の6の部分をしっかり動かせているか、という導入プロセスや関係者の巻き込み方なども含めて確認することが必要です。

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いかがでしたか?業界によってはまだまだDXの入り口に立ったばかりという状況もあると思います。弊社はITツールだけを渡して終わりではなく、必要なサポートである映像制作、課題分析などを含めて全体最適の視点で財務成果創出までご支援することを重視しています。お困りの場合は外部の専門家を積極的にご利用いただくのもよいのではないでしょうか。

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