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ツカメヌコタイ

見えないはずのものが見えたというお話。
それだけのお話。
それもオカルトとかお化けの類じゃないヤツの。
そういう話。

僕は忙しいと思う。
馬車馬より馬車馬してると思う。
でもそれは望んで得たものなので、それを「馬車馬働きだ。」なんて泣いたり、喚いたりなんかしてたら、やっぱりすこしだけ馬に失礼だと思う。

ので、ごめん。素直に謝ってみる。



でもやっぱりたまに疲れる。吐き出す煙が泳ぐのを見てると、両の目が離れてっちゃう。
目の前がどんどん白くなっていって、その白に全部覆われて、

「あぁ、このまま。

        白いままが良い。」


と思う時がある。
無論思い切る間もなく白は薄れる。
隙間から現実が顔を出す。または尻を出す。


「ははは!辛いだろ〜!現実なんて見たくないだろ〜!」

彼の声はいつも少し寂しそう。
生憎なんだが君の見せてくれる夢はかなりの確率で明晰夢なのだ。なんとも思わん。

短くなったら銀のお家に帰してやる。
仲間たちが沢山いる。だから淋しくないはず。
違うよ、死んでなんかいない。君は尽きただけだ。



優しい大人になりたいと思っていた。
今もそう思っている。

カッコいい男になりたいと思ったていたし、
今もそう思っている。

でも強い大人にはなりたくないと思っている。
これからも思っていく。

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見えないはずのものが見えたというお話。
それだけのお話。


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