ぼぐロコくん。1
ロコくんは、11歳のアメリカンコッカースパニエルです。
長崎県の佐世保で生まれて、新百合ヶ丘のペットショップで出会いました。
その頃我が家は、お空組になった先住犬ジュリアと暮らしていました。
しかし、私が自治会長を引き受け留守にすることが増えてから、ジュリアは血便をしたり、なんだか落ち着かなくなってきたのです。
留守番さみしいのかな。かわいそうに。
そんなことを思っていたある日、よく買物に行くペットショップで、ロコくんのことを見かけました。
第一印象は、とにかくかわいい。
先住犬のジュリアは、同じアメコカでもパーティカラーといって白黒がミックスしたタイプでしたが、ロコくんはバフという薄茶色の子でした。
抱っこさせてもらっても、嫌がる様子もなくてとてもおとなしいという印象でした。
そして、2回目はジュリアを連れていって、ロコくんとお見合いさせてみました。そのときは外出先ということもあり、特にこれといって嫌がる風でもなく、多頭飼いしてもいいかなということで、ロコくんを我が家に迎えることにしたのです。
しかし、蓋を開けてみたら、生まれて4ヶ月のパピー、しかも男の子は、なかなかのやんちゃ者でした。
一瞬たりとも座ることなく、あちこち動き回る謎の新生物(ロコ)に、一人っ子として育ったジュリアは、敵意を感じてしまったらしく、吠え続けます。
ロコくんもエネルギーが尽きて眠るまで、落着かず、ジュリアに吠えられて、更に落ち着きをなくしていったのでした。
そうこうするうちに、自治会の仕事をしていた私の体調が変化していきました。様々な妄想が増えて、犬二頭の世話が辛いという気持ちが抑えられなくなったのです。
一度は、他にかわいがってくれる飼い主を探そうかと思いましたが、知り合いに声をかけてみて唯一回答があったところの方から、トイレの失敗はどれくらいか、よだれは多いか?と聞かれたのです。
そうなんです。ロコはトイレトレーニングをしても、自分のおしっこを踏んでしまい、部屋を汚してしまう子でした。いまはだいぶよくなりましたが、まだトイレの外でしてしまうことがよくあります。
だから、コッカースパニエルが飼ってみたいというだけの方に譲ったところで、よだれの量を気にするような人たちでは、ロコのことを受け入れてくれるとは思えなかったのです。
そんなわけで、他の貰い手を探すのはやめて、夫の実家にしばらく預かってもらうことにしました。
一頭だけになったロコは、一人でおとなしく過ごすことができて、手のかからない子だったようです。ただ、食事の分量を間違えて多く与えられていたらしく、再び私たちと暮らすようになった頃には、スタンダードの13kgある、立派な成犬となっていたのです。
つづく