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いとへん(糸偏) 3

恵糸やさんでアルバイトをはじめると、いろんなお客さんとの出会いがありました。当時、織物に使えるカシミヤ糸というものがあまり出回っていなかったこともあり、織物教室を営む先生方が訪ねて来ることも少なくなかったのです。

その中に、私が2番目に手ほどきを受けたH先生がおられました。

H先生は、木枠を使った北欧の絵織物(フレミッシュ)と北欧の織物を教えていましたが、私は彼女のパソコン作業をサポートするのとバーターで、絵織物の教室に参加させてもらいました。

両端に糸をかける釘が打ってある木枠に、麻糸を張り、その経糸を木製のスティックですくい、開いたところに糸を通していきます。日本の織物でいうと綴れ織りと構造は同じです。

同じ木枠を使って、ブンデンローゼンゴングという同じ柄が並ぶ織り方も習いました。本来は、4枚綜絖の織機を使って織るものですが、先生は、木枠の縦糸に印をつけて、木枠でも織れるように工夫されていました。

ブンデンローゼンゴングは、自分で簡単にデザインを作ることもできます。私はエクセルのワークシートに図案用の枠を作りました。横にコピペすると織り上がりのシュミレーションも出来ます。

絵織物は、根気がいるのでなかなか進まなかったのですが、アルバイトで少し余裕のできた私は、H先生のアトリエで大型織機の教室に通うことにしました。

つづく

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