What is my origin of Musical Theatre[僕の原点]
ミュージカル好きが高じて、劇場に就職後、毎年のようにブロードウェイやウエストエンドへ。精神が崩壊して、生きる気力失い、命からがら国外逃亡した先で、ウエストエンドの舞台たちに救われ、来年からシドニー経由でイギリスに演出を勉強しにいく。
ここまでミュージカルに惹かれて、導かれているのはなぜなのか。ありがたいことに聞いてくださる方もおり、久しぶりに原点に目を向けたいと思いました。
よくよく遡っていくと、3つのミュージカル作品から強い影響を受けていることがわかってきました。
『ライオンキング』
日本では劇団四季がロングラン継続中のヒットミュージカルです。ジュリー・テイモアが、アジアの舞台表現に着想を得て演出し、まるで生きた動物が目の前にいるように感じるほど、ディテールが素晴らしい。パペットを用いた舞台は、『戦火の馬』や『ライフ・オブ・パイ』のダイナミックなものが近年増えていますが、その走りといってもよいかもしれません。
僕が初めて生でミュージカルというのを観たのは、恐らく1998年(5歳)でした。1998年の劇団四季上演開始後しばらくは、生演奏で大迫力を伴っていました。
ブロードウェイやウエストエンドでミュージカルを観たことのある人ならば、言わずもがなですが、生演奏とともに歌うか、録音に乗せて歌うかでは、全く異なる作品になり得えます。
当時ブロードウェイで最も熱かった作品を鮮度が高い状態で見ることができたこと。その後の趣向形成に大きく影響を与えてくれていると思います。
『キャシー・リグビーのピーターパン』
2000年にブロードウェイで収録された公演映像が、(たしかNHK)で放映されたものです。調べていくとどうやら2002年の5月に放映されたようで、8歳の時に観たらしいです。
この作品の初演は1954年。楽曲を”Gypsy”や”Funny Girl”で知られる、Jule Styneが担当。1999年のトニー賞ではリバイバル部門でノミネートされた作品でした。
まず触れたいのは音楽の素晴らしさ。
キャッチーなメロディと、それを際立たせる芳醇な音楽構成。
またネバーランドに入ったあとの3グループ(ピーターたち、海賊たち、タイガーリリーたち)のキャラクターわけ。
すぐに脳裏に焼きつきました。
次にピーターパンを演じた、キャシー・リグビーの存在。彼女はもともと体操選手として活躍されていたため、ワイヤーで吊られている際の飛ぶ演技が、本当に飛んでいるように優雅で遊び心に溢れてみえたのです。
当時はVHSでしたが、擦り切れるまで観た記憶があります。
今はどこにあるのだろうか。。。
ミュージカル映画『雨に唄えば』
小学校のころにあった学芸会。そこで憧れのアコーディオンを弾くことになりました。課題曲は『雨に濡れても(Raindrops Keep Fallin’ On My Head)』。
映画『明日に向かって撃て』の挿入歌として知られているクラシカルな楽曲でした。
その曲を知るために、両親と楽器店にいきました。
たしか銀座の山野楽器だった気がします。
当時はまだ、ストリーミングサービスやYoutubeがなかったため、CDやDVDを買うか借りるしかなかった。
そこにある時間的・空間的余白や不可測性が大事な気がします。
というのもその楽器店で、タイトルが似ていることで知ったのが、ミュージカル映画『雨に唄えば』だったからです。
言わずもがなの傑作。
画面の中で踊るジーン・ケリーの優美さ。
ドナルド・オコナーのコミカルさ。
豊かで煌びやかな往年のミュージカルサウンド。
その全てに魅せられました。
最後に
子どもの頃から舞台に魅了され続ける理由は、
単純にワクワクし、しているから。
舞台上ではなんでもできてしまうんじゃないか、そう感じさせるからです。
舞台美術制作や舞台演出をしていたレオナルド・ダ・ヴィンチが、舞台で試すことで、あれだけ奇抜なアイデアを次々と出せたことにも繋がります。
劇場という有限な空間で、無限を創出する。
関わる人、一人一人の智慧と手を用いて。
だから、愛してやまないのです。
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