通りすがりの魔術師

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因果応報(2)

身じたくを整えながらゆうが言った。 「ピルを処方してもらおうかな。PMSツライし、もう子供を生む年齢でもない」 「娘さんは大学一年、農学部だっけ?」 ゆう自身が実習農場の見学に参加した様子をブログに載せていた。 「さすがに19も年の離れたきょうだいはねぇ」 「ご主人には何か言ってるの?」 「まさか、向こうはあたしにまだ生理がきてることもしらないと思うよ」 もう何年もレスだというのは変わらないようだ。 「それに、一度くらいヒロに中で出させてもいいかなって思ってる」 (当時はア

    • 因果応報(1)

      「重いだろ?」下から手を回して引き寄せてきたゆうに声をかける。 「大丈夫。ヒロ、こういう時も体重かけないようにするよね」 「こらえるの大変なんだよ。わかったらそこで力入れないで」 「二度目の後は苦しい?」 「休憩を挟んでるから、そんなことは無いけど…早く抜いておかないと中にゴムが残っちゃう」 「もうちょっとムードのある会話しようよ」 「離れたくないって、ゆうのアソコはピクピクしてる」 耳元でささやかれ、顔を赤くするゆうに軽く口づけして上体を起こした。 抜き取った後の、まだ閉

      • 妄想と現実の境界 ③ そして…(2)

        そのまま、Rと手近なラブホテルに入った。 タッチパネルで選んだ部屋に入るまで二人とも無言。 (コンビニで買い物する時も必要最低限の会話したしてなかったな) 清楚な感じの横顔を見ながら、缶ビールと軽食の入った袋をテーブルの上に置いて声をかける。 「ハンガーにかけるよ」 渡されたコートと自分の上着をかけ…部屋の中を見渡しているRを後ろから抱きしめた。 そのまま、薄手のニットの上からボリュームのあるバストにかけた手に力を込める。 息をのむRの耳元にそっとささやいた 「会えるのを楽

        • 妄想と現実の境界 ② 出会い、そして…

          Rと知り合ったのはX(Twitter)だった。 ポストされるRのつぶやきにちょっとキワドイ表現でリプを付ける。 数多くいるRのフォロワーの中の一人、それだけの存在。 住んでいるところも仕事も違う。決してリアルな世界では交わることのない二人のはずだった。 そんな関係に変化が生まれたのは出張が決まった時。 「今度xx地方に出張するんですよ」 「どの辺?」 「○市のあたりですね。夕飯を食べるところ探さないとなぁ。  最悪は居酒屋チェーンでもいいんですが、Rさん詳しいですかね?」

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        • fiction? Or non-fiction?
          4本

        記事

          妄想と現実の境界 ① バスルーム

          ドアを開けた時に目に入ったのは、片手にシャワーヘッドを持ったまま動きが止まったRの姿だった。 「え?どうして?」片脚をくの字にしたRの問いにシャワーを止めて答える。 「それは…Rの姿を早く見たいから」 「だって、まだシャワー途中」 「だいたい洗ったんでしょ?」 シャワーヘッドを壁のフックにかけ、正面からRを抱きしめる。まだ半勃ちだけど、しっかりと存在感を示しつつあるそれをRの腰に押し付けてみた。 「早く全部見せて、元気にしてくれ」 「そんな…」 いきなりの展開にRがうろたえた

          妄想と現実の境界 ① バスルーム