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因果応報(2)

身じたくを整えながらゆうが言った。
「ピルを処方してもらおうかな。PMSツライし、もう子供を生む年齢でもない」
「娘さんは大学一年、農学部だっけ?」

ゆう自身が実習農場の見学に参加した様子をブログに載せていた。
「さすがに19も年の離れたきょうだいはねぇ」
「ご主人には何か言ってるの?」
「まさか、向こうはあたしにまだ生理がきてることもしらないと思うよ」
もう何年もレスだというのは変わらないようだ。
「それに、一度くらいヒロに中で出させてもいいかなって思ってる」
(当時はアフターピルの入手がまだ一般的なかった)

「抜かずの…ってのに挑戦してみる?でも、ゆうの締め付けを生で味わったら長く我慢できないかもよ」
「いいじゃん。何度でもすれば」そう言ってキスしてきた。

「せっかくのリップカラーが落ちちゃうよ」
「そういうことを言わないで。でも、胸は揉まないで。またスイッチ入っちゃうから」
「いいじゃん。自慢のFでしょ」
「ダメ。もう垂れてるし、大きいだけだから」
40台半ばのゆうはスタイルが崩れているのを気にしていたが、身長が高くメリハリのある体型は十分人目を引いていた。

私鉄で帰宅するために改札を通ったゆうの姿が見えなくなったところだった。
「お話があります」
後ろに立っていた若い女性には見覚えが無かった。
無視して通り抜けようとしたら思いがけない言葉が続いた
「母のことです。今まで一緒にいましたよね?」

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