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壁打ち相手がいるってありがたい

今、企画している本があります。
企画のはじまりは、「こんな本ってどうかな」と自分自身で出したアイデアでした。それを社内の人間や、著者の先生方とあーでもないこーなでないと何十時間と揉んでいき、紙面を作っていきます。なかなか出ない答えと向き合わなければいけないため、この作業が「まあ、大変」。でもそのおかげで、「お、これ好きだなー」という反応がもらえる紙面にまで作り込むことができています。

このような、あーでもないこーでもないと言い合う作業がめちゃくちゃ大事であり、それができる相手がいることがとてもありがたいなと感じています。昨日、デザイナーからあがってきた紙面を見ながら、そんなことを考えていました。


「しつこい」って大事。だったりして。

フランスに留学していたときに、思ったことがあります。それは、フランス人は「なんで」星人であるということ。全てのフランス人がそうだとはもちろん言えないのですが、少なくとも私の友達はそうでした。

「なんで日本語には3種類も文字がいるの?」
「なんで日本人はそんなに働くの?」
「なんでそう思うの?」…

彼らと話していると、必ず「なんで」攻撃に会います。これがとにかくしつこい(笑) 
「なんでだろう…」と答えに困っていると、「え、考えたことなかったの?じゃあ…これはどうして?」と次々と質問攻めに会います。最初は、自分の考えのまとまりのなさに愕然とするのですが、ただそうして話していくうちに自分の考えをかなり整理することができたように思います。

しつこいほどに質問をされる。それにひたすらに答える。これが当時の自分には必要だったなと、今振り返るとそう思います。


中身なくしてマーケティングなし

昨日、後輩と企画の打ち合わせをしていて思ったことがあります。
それは、すぐに決めたがるということ。

「この内容でいきたいと思います」

このようにいつかは決めなければいけないのですが、それで本当にいいの?と問いかけることもときに必要だと思います。後輩の彼は、販促の話をしたいということで相談にきてくれていました。しかし、話していくうちに彼が作る本が何を伝えたい本なのかわかりづらいなと思うようになり、結局その時間はすべて企画の壁打ちの時間に当てることにしました。

「前に話していた、きみの大事にしたい要素はどこに生かされているの?」
「これで最終的に読者に何をわかってもらいたいの?」
「そもそもこの本のコンセプトってなんだっけ?」

話しはじめてみると意外と整理できていないことが出てくるものです。約3時間の打ち合わせを終え、彼なりに整理ができたようで、紙面も作り直すことになりました。

このように、やりとりを通してなんとか落としどころを見つけていく作業というのはとにかく大変です。だから彼のように早く決めてしまいたい気持ちも痛いほどわかります。しかし、この作業が売上の8割を決めるといっても過言ではないくらい大切だと私は思っているので、ここは決して妥協しないように心がけています。

最近、お互いに壁打ちできる素敵な大人の方々と仕事ができる機会が増えてきました。そのおかげもあり、人と話すってやっぱり楽しいなと純粋に思えている自分がいます。昨日の仕事からの帰り道、ちょっぴり幸せな気分になりました。

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